E質問箱【24】mostとalmostに混乱?
似すぎな2語の使い分けをマスターする
ケンブリッジ大学認定英語教師
ケネス宮本が英語の疑問にお答え

外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。
Helloooooooooooooooooooooooooooo!!
Is everything all right?
諸事うまく行ってるでしょうか?^^
今回も英語ならではのアルアルご質問にお答えしますよー。
★質問はこちら!^^
mostとalmostが使い分けられなくて、いつも直されています。
何か良い手はないでしょうか?
まずはalmostをマスターしよう!
おおー、ほとんどの学習者さんが一度はもつ疑問でしょうね!
「ほとんど」っていうのが共通点になってるmostとalmostですが、ただ「ほとんど」と憶えると確かに混乱します。
じゃあ違いは?使い分け方は?ってことでひとつひとつ見ていきましょう!^^
まずはalmostから見ていきますよー。
そのほうが解りやすいはずなので。^^
almost +形容詞・名詞=「ほとんど~だ」「ほぼ~だ」
こちらは単に「ほとんど」とか「ほぼ」と憶えておいてよいもの。
同義語であるnearlyを知っておくと身につけやすいですよー。
つまり、「…に近い」状態や状況だ、ってことなんです。
昨日、野球の試合を観に行ったダニー君の熱弁を聞いてみましょう。
It was almost 9…
もう9時に近かった…
And the game was almost over…
そして試合はほとんど終わり…
The stadium was almost full…
スタジアムはほぼ満員…
Really, it was almost a miracle…
本当に、ほとんど奇跡だったよ…
almost +動詞=「~しそうな状態」
えー。ダニー君の熱弁の途中ですが、ここでもうひとつ。
almostは、動詞とくっつくと「ほぼ~する」=「~しそう」って意味になることが多いです。
では熱弁の続きを。
It was 3 to 1. I almost gave up my hope...
3対1。オレは希望をあきらめかけてた…
But then, Johnson hit a home run!
でもその時、ジョンソンがホームランを打った!
He turned the tables! I almost cried!
逆転だ! オレは泣きそうだった!
I jumped around, and almost fell from the stand!
オレ跳び回っちゃってさ、観客席から落ちかけたよ!
ダニー君の熱弁でしたー。^^
聞いていたクリス君とサラさんはと言えば…、They were almost sleeping.「ほぼ眠ってる状態だった」みたいです。笑
上の例文にあるalmostは、全てnearlyと置き換え可能です。
ちなみに、これらの2語は品詞でいうと副詞になります。
今度はmostをマスターしよう!
では、mostを見ていきましょう!
形容詞、副詞、名詞、と使われ方によっていろいろな品詞に化ける単語ですが、ここでは基本的には形容詞もしくは名詞だと思ってれば大丈夫です。
意味としては、「ほとんど」で止まらないで、「ほとんどの…」と「の」まで入れて覚えましょう。
訳し方としては、「ほとんど(全て)の…」「ほぼ全ての…」とか、「…のほとんど(全て)、…のほぼ全て」と言った感じ。
また、「almost all+名詞」や「nearly all+名詞」(ほぼ全ての~)と同じ意味だ、と知っておくと身につけやすいです。
「ほとんど(全て)の…」「…のほとんど(全て)」を意味するmostには、2通りの使い方があります。
most +名詞
基本的に、世間一般を対象としたうちの大多数を指します。
Most English learners ask that question.
ほとんどの英語学習者がその質問をするね
Most houses have 2 floors.
世間の家屋のほとんどは2階建てだよ
That news was shocking to most people.
そのニュースはほとんど全ての人々にとってショッキングだった
対象を限定することもできます。
ですが、感覚としてはやはり範囲が広いです。
Most people I know believe UFOs exist.
私が知ってる人はほぼ全員がUFOは存在するって信じてるよ
「…の大部分」と言う時はmost partが普通。
Most part of this book is about history.
この本の大部分は歴史についてだよ
most of +代名詞もしくは the 名詞
特定の集団・集合のうちの大多数・大部分を指します。
後にくるのは必然的に、代名詞もしくはthe名詞(thatやthisの場合も)になります。
I didn’t know everyone at the party.
But I knew most of them.
パーティーにいた全員は知らなかったよ
でも(彼らの)ほとんどは知ってる人だった
There was a lot of food.
But Danny ate most of it.
食べ物はたくさんあったんだ
でもダニーがほとんど全部を食べちゃった
Most of the staff speak English.
ほとんどのスタッフが英語を話すよ
Most of his coworkers are non-Japanese.
彼の同僚はほとんど全員が外国人だよ
Most of the people I know believe UFOs exist.
私が知ってる人はほぼ全員がUFOは存在するって信じてるよ
「of+代名詞」は次のように省くこともできます。
There was a lot of food.
But Danny ate the most (of it).
限定詞とも呼ばれるmost
almostとmostの違いを見るにあたって、こちらにも触れておきたいと思います。
形容詞には「限定詞」と呼ばれる種の単語があって、mostもそのひとつです。
「限定詞」って言葉そのものは気にする必要ありませんが、all、many / much、some、a few / a little、no / noneなどのひとつ、ということ。
言い表したい割合や程度によって置き換えることができますから、上の例文でも置き換えてみましょう。
All English learners ask that question.
英語学習者はみんなその質問をするよ
Some part of this book is about history.
この本には歴史についての内容がある程度あるよ
I didn’t know everyone at the party.
But I knew some of them.
パーティーにいた人のほとんどは知らない人だった
でも知ってる人もいくらかいたよ
A few of the staff speak English.
スタッフのうち何人かは英語を話すよ
Many of his coworkers are non-Japanese.
彼の同僚には外国人が多いよ
No people I know believe that UFOs exist.
None of the people I know believe that UFOs exist.
私が知ってる人はだれもUFOが存在することを信じてない
いかがでしょうかー?
焦らないで、この記事を読み返したり、ご自分で書く・話す時もゆっくり考えながら文を組み立てたり確認しては慣れていってくださいね!^^
あなたのE質問(英語の質問)はこちらにどうぞ!
toukou★cheerup.jp
★マークを@マークに変えてお送りください。
ケネっちは質問をもらうのが大好きです!お気軽に!^^
ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。
「ケネっちの記事をもっと読みたい!」という方は記事一覧へどうぞ!
更新は毎週 金曜です。
ぜひブックマークしておいてください!^^