E質問箱【29】別れ際にさようならの
Nice to meet you.を言う訳と返答は
ケンブリッジ大学認定英語教師
ケネス宮本が英語の疑問にお答え
外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。
Helloooooooooooooooooooooooooooo!!
What’s going on, people?
皆さん、面白いことありますか?^^
今回は、こんな「国際交流アルアル場面」についてお答えでーす。
★質問はこちら!^^
初めて会った人が、別れ際にも「Nice to meet you.」と言うのを聞きますが何故でしょうか?
そういう習慣があるのですか?
Nice to meet you.は「初めまして」とちょっと違う
そうそう、ありますよねー!
「はじめまして」と同じように使われるNice to meet you.は、初見の相手と会った時だけじゃなく、別れ際にも使われます。
こんなこともあります。
例えば、友達のクリス君を日本人の友達を会わせるとしましょう。
クリス君は、礼儀正しく挨拶したいってことで、事前にHow do you say “Nice to meet you.” in Japanese?「日本語でNice to meet you.ってどう言うの?」って聞いてきます。
そこでこちらは、「ハジメマシテ」と教えてやりますね。
いざ日本人の友達に紹介して、愛想よく「ハジメマシテ」を言えて彼は満足。
その後、「じゃあね」となった時、クリス君は笑顔でまた「ハジメマシテ」と言って去っていく。
同じ経験をされた方もいるでしょう。^^
なんでこんなことになるのか、と言うと、秘密はNice to meet you.っていう定型句の成り立ち。
本来は、It’s nice to meet you.(あなたと知り合えて快いです)で、そのIt’sが取られて定型化したものなんですよー。
でもって、その後サヨナラする時には、It’sの部分が変わります。
It has been nice to meet you.
It was nice to meet you.
直訳:あなたと知り合えて快かったです
と、過去の話になるわけです。
英語的にはIt has beenのほうが正しい。ですがIt wasも間違いじゃありません。
そして、ここでもそれが取り払われて定型化してるために、別れ際にもNice to meet you.って言われるんですよー。
実際に、It’s、It’s beenをつけたまま挨拶する人もいます。
とても丁寧な、紳士淑女の挨拶って感じです。^^
補足①
Nice to meet you.を、Nice meeting you.って言う人たちもいます。
僕が観るところ、アメリカの、特に西海岸の人たちがこちらで挨拶しますねー。
補足②
Nice to meet you.を言うのは初めて会う(知り合う)時だけです。
2回目以降は、Nice to see you.になります。
仮主語Itは何を意味している?
ちょっと、文法遊びをしてみましょう。
It’s nice to meet you.のItは仮主語です。
意味的には意味がなくて、文法的に主語として置かれてます。
もともとそこには主語がない、だから空いてる主語部を埋める詰め物が必要だ、ってことですね。
でも、本来はそこにちゃんと主語があるんです。
どんな主語だと思いますか?
3… 2… 1…
はい、答えは、To meet youでーす!^^
to不定詞の名詞的用法ってやつで、「あなたに知り合うこと」ですね。
本来はTo meet you is nice.であるもの。
ここに、英語っていう言語の、とても数式的っぽい(よって論理的)な性質が見てとれます。
isを「=」として考えてみましょう。
To meet you = nice
□ = nice + to meet you
It = nice + to meet you
ってこと。
頭デッカチな主語部をスッキリ短くするために、To meet youが「=(is)」の反対側に移されてるわけです。
Nice meeting you.も同じこと。
ここでのmeetingは「知り合うこと」という動名詞で、1種の名詞ですから主語になれます。
Meeting you is nice.➡ It’s nice meeting you.という論理で成立するわけです。
この、to不定詞や動名詞の場所に置かれるitは、英語を使ってると色々な文で遭遇するので、知っておくと分析・理解を助けてくれますよ。^^
Nice to meet you.の同義表現・返答いろいろ
誰かと始めて会う時の挨拶、会った後のサヨナラの挨拶は、どちらもNice to meet you.を知っていれば万事オッケーです。
でも、違う言葉が使われる場合もよくありますし、知っておいて損はないでしょう。
(It’s) Good to meet you.
(It’s) Great to meet you.
(I’m) happy to meet you.
(I’m) glad to meet you.
などと、嬉しい・喜ばしい感情を表す言葉なら使えます。
すごーく嬉しいならWonderfulを使ったっていいわけです。
また、Very nice、Very good、So greatなど、「とても」をつけて喜びの度合いを強く表すこともできます。
さらに礼儀正しくて紳士淑女っぽい言い方としては。
(It’s a) Pleasure to meet you.
(I’m) Pleased to meet you.
(I’m) Delighted to meet you.
なんて言い方を聞くこともあるでしょう。
It’s always so good to see you, my readers!
読者さん、お会いできるのはいつも嬉しいことです!^^
Nice to meet you.への返答
挨拶は先に言ったモン勝ち、ってわけじゃないですが、ぜひ率先して言いたいもの。
そして、相手がNice to meet you.を言ってくれた時には、やはり同じ気持ちを返したいもの。
日本人にとっては、単にNice to meet you.と言って返すのがいちばん言いやすいかも知れませんし、それもアリです。
ですが英語圏では、You, too.ととても短い言い方がよく使われます。
これはもちろん、(It’s) Nice to meet you, too.の省略形ですし、省略しないで言うのもアリです。
また、Likewise.「同様に=こちらこそ」なんて言う紳士もたまにいますねー。
いかがでしょうか?
この言い方イイな、と思った言い方を試してみてくださーい!^^
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ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。
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