nothing to do withは時に失礼 交渉
をうまく進めるならこの英語フレーズ
デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語
ビジネスシーンでもある、間違いだらけの日本人英語。ビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。今回は「英語で値引き交渉」です。ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションを目指しましょう。
第23回 交渉
ポジティブな表現を使っていい交渉の流れをつくる
イマイチ英語
That has nothing to do with it. Let’s stop talking about XYZ789 now.
それは関係ありません。今、XYZ789の話をするのはやめましょう
イチオシ英語
We’re getting side-tracked. How about we focus on ABC123?
話がそれています。ABC123の話(だけ)をするというのはどうでしょうか
話の流れを「断ち切る」イマイチ英語
あなたはABC123という製品の価格交渉に臨んでいると想定しましょう。ところが、XYZ789という製品にも話が及び、なかなか核心のところに進めない…。今回のフレーズは、そんな時に「テーマを絞った交渉・話し合い」を促す一言です。
have nothing to do with ...は「…とは関係ない」という対訳で覚えられるので、「今、(本筋とは)関係のない話になっている」と思った時に使いたくなるかもしれませんが、この場面ではイマイチです。「関係ない」と断言されると、相手は自分を「全否定」されたように感じてしまうかもしれません。
さらに、Let’s stop talking about XYZ789 now.も「その話はやめてくれ」ということであり、こう言われた相手は、まるで自分が悪いことをした(非難された)かのように感じてしまう可能性があるので、避けるのが無難です。
いい流れのまま話を「シフトさせる」イチオシ英語
「~は関係ないから、…やめよう」と相手を頭ごなしに否定してしまうのではなく、「~だから、…しませんか?」と前向きな提案をした方が、その場のムードを壊さずに、ポジティブな雰囲気をつくり出せるので断然おすすめです。
get sidetrackedは「わき道にそれる」、つまり「話が脱線する」という意味の定番フレーズです。またHow about we focus on ABC123?は、「XYZ789の話をしない」を、「ABC123の話をする」という言い方に転換している点がイチオシ。さらに、How about …?「…はどうですか?」という提案なので、押しつけがましい印象も与えません。
上から目線にならない、英語の表現フレーズ
イチオシ英語の応用編をご紹介します。
- How about we focus on ABC123 for now?
for nowで「とりあえず(今は)」の意味を付け加えています。
- Maybe we should focus on ABC123 first.
Maybe we should …「…してはどうでしょうか」は大変応用の効く言い出し表現です。We shouldだけでは「~すべきだ」という上から目線の言い方になりがちですが、文頭にMaybeを付ければニュアンスがやわらぎ、このような「提案」の意味で使われます。その他にもI think we should …や Why don’t we …?などもほぼ同じニュアンスで使うことができます。
効率のいい打ち合わせをするなら! 会話の流れを変える便利なフレーズ
商談の最中、会話の流れを変える時に便利なフレーズをご紹介します。
□ I need to talk to you about something else.
別件の話をしなければなりません
□ Now let’s talk about the schedule.
それではスケジュールの話に移りましょう
□ Okay, so that clears up the labor cost. Let’s now move on to the materials.
さて、これで人件費の問題は解決ですね。今度は材料の話に移りましょう
今回のボキャブラリー
セールスポイント、英語で正しく言える?
Sales pointは和製英語。英語ではselling pointやstrong pointになります。たとえば、「この商品のセールスポイントはその軽さ(重さ)です。従来品の3分の1になっています」なら、The selling point of this product is the weight. It’s one third of the conventional product.のように言えます。英語の分数は、分子を基数(one, two, three…)、分母を序数(first, second, third…)で表せますよ。
構成・文/デイビッド・セイン