IELTS リーディングの注意点 3
TOEFLとIELTSの違いを知って、試験に役立てよう!
IELTSリーディングの3回目です。前回の記事で、英語の長文を速くしかも正確に読むコツとして、意味の切れ目で文を区切るのが良いと述べました。今回は、実際にひとつの例文を区切ってみましょう。
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文を区切って構成を明らかにする
次の文はどのように切れるでしょうか。
Thinking it was another dog with another piece of meat, he made up his mind to have that also.
文を区切るには、S+Vを掴むことが必要です。
冒頭のThinkingですが、これは主語でしょうか?ThinkingやThinking itが主語だとしたら、be動詞wasの後のanother dogが補語のはずです。
しかし、「それを思うことはほかの犬」ではおかしいですね。
文全体を見ると、コンマの後にhe made upというS+Vが見当たります。その直前に接続詞も分詞もないため、コンマ以下が主節だと分かります。だとすると、コンマの前は従属節です。
コンマ前の節には活用したbe動詞であるwasがあるため、従属節中の動詞がwasであることは明らかです。補語であるanother dogにマッチする主語はitであり、it was another dogというS+V+Cが見えます。
ここまで来れば、Thinkingが動名詞ではなく分詞であることが明確になります。つまり、この文は分詞が文頭にある分詞構文です。「~だと考えて…」という意味になり、itの前に接続詞thatが省略されています。
S+Vが見えてくると、with another piece of meatが直前のdogを修飾していることも気づきやすいでしょう。主節のmade up his mindは「決心した」という熟語です。
to have that alsoは何を決心したかという内容です。前後の文がないので分かりにくいかもしれませんが、thatはanother piece of meatを指しています。
意味:それを、他の肉をくわえた別の犬だと思って、彼はその肉も取ろうと決心した。
こちらの文は、イソップの「犬と肉」の一文でした。
「別の犬だ」と勘違いしたのは、犬自身が水に映った姿だったのですね。
英語の長文を読むとき、切り方を間違えたばかりに意味が取れなくなるということが往々にして起こります。今回の例文のような構造が、2回読み返したくらいで分かるようになれば、速く、しかも正確に長文を把握できるでしょう。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |