セクションごとに比較して分かったIELTSとTOEFLの違い
一見似たような存在のIELTSとTOEFL、希望校/就職先/留学先などの目的がどちらの基準を求めているかということもありますが、どちらの試験を受けるか迷う方も多いと思います。それぞれ大まかな構成は同じで、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4セクションから成り立っています。どちらも多くの国で認められる英語力の証明になりますが、ふたつの違いは何なのでしょうか?セクションごとに見てみましょう。
リスニング
大きな違いがIELTSはイギリス英語、TOEFLはアメリカ英語という事です。アメリカ式に慣れている日本人にとってイギリス式は聞き取りづらいところも多く出てきます。
問題形式は、TOEFLは長い会話や講義を聴き、内容の全体を理解してからの多項選択式です。IELTSは特定の単語などを穴埋め形式で書き込むので、聞きながら答えを導きだす事ができます。問題の区切りごとに少し時間が空くのでその間に問題を先読みできます。考えながら回答できるという点でIELTSの方が簡単という方もいますが、複雑な問題構成のものも含まれるのとスペルチェックもされるので侮らないように。
リーディング
TOEFLは1パッセージ約700語に対して、IELTSは900語になり速読力と読解力が求められます。IELTSの方が長文なので難しいという方も多いですが、問題は3パッセージと決まっています。TOEFLはテスト時にならないと何パッセージか分からないので心の準備が必要です。
ライティング
IELTSもTOEFLもふたつのトピックについて書くのですが、IELTSはグラフや表を説明するもので、問題のタイプにより回答パターンが異なりテンプレートに乗せにくいという点があります。TOEFLはリスニング力とリーディング力を用いてトピックの内容をまとめ上げるもので、ある程度はテンプレートに乗せれば形になります。リスニングとリーディングが得意な人はテンプレートに乗せやすいTOEFLの方が簡単に感じるかもしれませんが、苦手な人ですとその力を必要としないIELTSの方が高得点を期待できるかもしれません。
スピーキング
ここも大きなポイントです。TOEFLはコンピューターとの対話ですがIELTSは面接官と1対1の対面式です。対面も緊張するものですが、コンピューターとの独特の雰囲気に慣れない方にはメリットになると思います。対面ですと、面接官が相槌をうってくれますし、質問を聞き返す事もできます。
IELTSとTOEFLの点数比較、CEFR(セファール)との点数換算については、こちらの記事を参照してください。
基本的にTOEFLはコンピューターでの回答、IELTSは筆記になります。スピーキングとライティングでこの違いが大きく左右しますので回答形式に慣れておきましょう。
両者共、英語力の証明になりますがTOEFLの方がアカデミックな能力を求められるため、読み書きと喋りが一体となった複合的な出題になります。試験時間も4時間~4時間30分と長いです。IELTSの試験時間は約2時間45分で、文法やボキャブラリーなど基本的な英語力に焦点をあてた出題です。IELTSの方がスコアを取りやすいと言われていますが、回答方法や出題傾向を比較し、どちらが自分に有利か検討しましょう。
Photo by David Fulmer