ジャズシンガー 青木カレンさん
「音楽と英語で世界は繋がります」
~英語を学んだ先輩からのメッセージ~ Vol.04
第4回のインタビューに、ジャズシンガーの青木カレンさんをお迎えしました。青木さんは、国内外でのライブ活動を中心にCDシングルやアルバムのリリース、話題の映画やドラマの挿入歌を歌われるなど、精力的にご活躍中。また、長く海外で暮らしていた青木さんは堪能な英語力を活かし、海外のライブでは英語でMCをされることもあるそう。そんな青木さんに、海外生活のことや英語学習の意義、ご自身の音楽活動に影響を与えた出来事について、たっぷりお伺いしました。
撮影/高嶋佳代 取材・文/甲斐真理愛(編集部)
――幼少期を香港やアメリカで過ごされた青木さん。小さい頃から英語を話せたのですか?
小さい頃、香港のインターナショナルスクールに通っていたのですが、その当時は、あまり英語を話せませんでした。しかもその後日本に帰ったので、英語力がゼロになってしまって。なので、英語を覚えたのは、アメリカで暮らしはじめた小学5年生の頃ですね。
――どうやって英語を覚えましたか?
アメリカの学園生活で覚えました。その学校には日本人がほとんどいなくて、会話はオール英語。当然、最初は同級生と会話できなくて……。そんな私のために、母が日本語を英訳する単語帳みたいなものを作って持たせてくれました。表に「私の名前は~です」とか「トイレにいきたい」とか日本語で書いて、裏にその英訳を書いてくれたんですね。それを常に首にかけておいて同級生に見せながら、少しずつコミュニケーションをとれるようになって、友達ができました。
――話せるようになるまでの1~2年の間に苦しい経験もしましたか?
しましたね。例えば、クラスでなにかしらトラブルが起きたときに「誰々がこれをした」とか「自分はしてない」とかの主張できなくて辛かったですし。あと、アメリカの生活を送るうちに、話せていたはずの日本語も曖昧になっていたので、自分の考えを日本語でも英語でも正確に表現できない状況は苦しかったですね。ただ、英語をマスターしてからは、自分の考えを主張できるようになりました。アメリカでは、自分の考えをはっきり主張する人が多いのですが、私も英語を話している時は、日本語を話すときよりも「言いたいことは言う」モードに切りかわっているかもしれません。
――アメリカ人と話すときは、主張のある態度をとったほうがいいですか?
なんでも主張すべきとは思いませんが、静かにしていると「シャイだね」とか、「何か心配ごとがあるの?」と、言われてしまうかも。私も日本人モードの時は、アメリカの方から“シャイな人”だと思われがちなので。日本では、どちらかというと活発と言われることのほうが多いのですが……。不思議ですね(笑)
――好意を伝えてくれる人とは仲良くしたくなります! 青木さんは、様々な人とのコミュニケーションを通じて英語を身につけられましたが、今の音楽活動に活かされていますか?
ジャズシンガーになってから海外で見聞きしたことや、英語にはすごく助けられています。ジャズの英語の歌詞の意味が、自分の血と肉にならないと深く理解できなかったりする部分もあるというか。あとは、ニューヨークやアジアのライブなどでは、英語でMCをすることも多くて。英語で観客や出演者とコミュニケーションできたときも、英語が話せて良かったなぁと思いますね。 今後も、日本以外の国でライブして、いろんな人と出会いたいですね。特に最近、アジアが気になっていて、韓国、中国、台湾、シンガポールなどをまわりたいと思っています。アジアの人は、みんなすごくフレンドリーで音楽が大好き。ライブをしているとみんな自然に踊ってくれます。ジャズってそんな、みんなで盛り上がれて共感できるジャンルだと思うんですよ。
――青木さんの今後のご活躍が楽しみです! では、最後にCheer up! English読者に、英語学習の励みになるような応援メッセージをお願いします。
■青木カレンさんの英語のキラキラフレーズ
Yesterday is history. Tomorrow is a mystery. Today is a gift. That’s why it is called the present.
現在この瞬間は、あなたへの贈り物。 だから、それはプレゼントと呼ばれているんだよ。 ▲ハワイで見かけた絵に書かれていた言葉です。プレゼントには「贈り物」という意味のほかに、「現在」という意味もある言葉だそう。この言葉を読んで、今、この瞬間を大切にしようと思いました。(青木カレン)