国際取引実務の英語力が身につく
『日商ビジネス英語検定』解説
『役立つ英語資格』徹底解説!【Chapter.3】
取材・文/甲斐真理愛(編集部)
英検やTOEIC®テストなど、英語力を証明する資格ってたくさんありますよね。ただ、それぞれの資格の違いやその資格が何に役立つのかいまいち分からず、「自分に合った資格を見つけるのは大変」と感じている方も多いのでは?
そこで、それぞれの運営団体の方に、試験の内容や特徴について詳しくお伺いしました。この機会に、自分にピッタリの資格を見つけて下さい!
『日商ビジネス英語検定』
国際ビジネスの現場で役立つ英語力が身につく資格として注目されている『日商ビジネス英語検定』。その試験の特徴などについて、運営団体の方にお伺いしました。
――『日商ビジネス英語検定』の特徴を教えてください。
「試験は主に、国際ビジネスに必要なコミュニケーション能力や、実務に関する問題が出題されます。受験者の割合は、社会人が8割~9割ほどで、キャリアアップのために受験することが多いです。また、企業が受験を推奨する場合もあり、キャリア査定に使われることも。そのほか、海外取引に関わる業種への就職・転身を目指す人も多く受験しています」
(日本商工会議所 事業部 担当部長 立松裕之さん・以下、同)
――では、試験の内容はどのようなものでしょう? 貿易の知識がないと合格は難しいですよね?
「試験はライティング能力を重視しています。英語で話すスキルも大事ですが、国際ビジネスでは“書いたもので確認しながら取引を進める”ことが重要ですので、試験でも文章を正確に理解できる、文章で意思を正確に伝えられる能力の測定に主眼をおいています。
国際取引の実務経験がない人は、英文レター(メール)のプロトコル(一般的な形式)や専門用語を覚える必要がありますが、日商ビジネス英語の公式テキストで勉強すれば大丈夫です。公式テキストでは、そもそも海外取引の流れってどうなっているの? という基礎から、コミュニケーションに欠かせない海外とのビジネスメールのやり取りの仕方や契約に至るまで、ひと通りの実務知識が学べます。
また、商慣習(商取引の過程で作られる慣習)や、文化の異なる海外との取引には注意すべきことが沢山あります。メールや書類などできちんと記録を残しておかないと、何かトラブルが起きた時に、「記録が残っていないものは知らない」というシビアな状況になることも、海外との取引ではごく当たり前のことです。
今は、多かれ少なかれほとんどの企業が海外とのやり取りをしているので、英語力プラス、これらのグローバルなビジネス実務知識を身につけておけば、重宝されること間違いなしです」
――転職やキャリアアップに有利な資格といえそうですね。海外とのビジネス感覚が磨かれるので、この試験を通じてグローバルに活躍する夢が広がるかも!
■『日商ビジネス英語』
※以下、受験日程等は試験会場により異なる。詳しくはHP参照
【受験予約】商工会議所検定HPで、試験会場を確認して会場に直接申し込む。
【申し込み期限】試験間際まで申し込み可能。※会場により日程は異なる。詳しくは、最寄りの試験会場に問い合わせ
【試験日・試験会場】各試験会場が日程を設定。ただし、1級は2月と10月の年2回
【受験代金】1級7,000円、2級5,000円、3級4,000円
【受験資格】原則誰でも受験可能
【必要な個人情報】氏名、性別、職業、生年月日、メールアドレス、住所、電話番号
【当日の本人確認書類】免許証など、顔写真入りの身分証明書
【試験時間】1級90分、2級40分、3級30分
【スコア】1級、2級、3級それぞれ100点満点で、70点以上で合格
【試験結果】2級と3級は試験後、会場ですぐに結果を発表。1級は試験後、約1ヵ月で結果をHP上にアップ。
【成績証明】1級、2級、3級それぞれ、1ヵ月〜2ヵ月で合格証明カードが発行される。
【有効期限】無期限
【公式ホームページ】●http://www.kentei.ne.jp/english/