夫婦のサンタ? 主役はトナカイ?
世界のおもしろクリスマス事情

構成・文・撮影/金明香

 

Merry Christmas! 街も一気にクリスマス仕様になりました。ラストスパートとばかりにイルミネーションが光り輝き、カフェやバーで流れるクリスマスソングはロマンチックな気分を盛り上げてくれます。クリスマスというと、ここ日本では「恋人と過ごす日」というイメージがありますが、海外では必ずしもそうではないよう。今回は、日本とはまた少し違った、海外のクリスマス事情と、エピソードにまつわる英語のワンポイントレッスンをご紹介します!

 

カナダ:準備に追われるミセス・サンタ

トロントの伝統的なイベント“サンタクロースパレード”。カラフルな山車やマーチングバンドが街中を練り歩く北米最大級のパレードで、毎年多くの観光客で賑わいます。1905年に始まって以来、今年で109回目となったイベントですが、2011年度は初めて“ミセス・サンタ”が参加するということで話題になりました。面白いのは彼女が今までパレードに参加したくなかった理由。

「この時期はクリスマスの準備に追われているの! 」

どの国においても年末の女性は忙しいのですね。しかし夫のサンタクロースたっての願いでパレードの先頭を飾ることになったそう。それからというもの、彼女は毎年パレードに参加するようになりました。サンタクロースが夫婦だったというのも驚きですよね?

Mrs. Miss Ms. 何度覚えようとしてもややこしいのがこの3つの単語。簡単に説明すると、Mrs. (既婚女性)、Miss. (未婚女性)、 Ms. (未婚既婚関係なく女性)。既婚未婚がわからない場合はMs.を使うのが無難かもしれません。またこれらの敬称はファーストネームには付かないのでご注意を!

 

 

アメリカ:かける意気込みはケタ違いです

アメリカのクリスマスは家族と過ごすのが主流。日本で暮らすアメリカ人も年末は家族に会いに帰国する人が多いですよね。リビングに飾られる巨大もみの木、七面鳥を焼いて家族みんなで囲む食卓、クリスマスモーニングにはうれしそうにプレゼントを開けるパジャマ姿の子供たち……。海外ドラマでよく目にするあのほのぼのとした雰囲気そのままです。

もっとも、アメリカ人がこの日にかける意気込みとスケールは日本とはケタ違い。写真は大学でのフットボールゲームの様子。マスコットも試合そっちのけでクリスマスを楽しんでいます。

“Belated Merry Christmas & Happy New Year!”
(遅ればせながらメリークリスマス、そして明けましておめでとう!)
belated: 遅ればせながら。
クリスマスを少し過ぎてしまった後にも使える便利なフレーズです。

 

 

イギリス:トナカイ想いのクリスマス

イギリス人にとってクリスマスは国を挙げての一大イベント。そのためクリスマスホリデーも長いんです。一般的な企業はクリスマス直前から約2週間のお休みを取ります。クリスマスにはツリーを飾りますが、その傍にはお水とニンジンをセッティング。これはソリを引いてサンタさんを連れてきてくれるトナカイのためにと、子供たちが用意します。25日の朝に目を覚ますと、お水は飲まれて半分減り、ニンジンにはかじられた跡が残っているそうです。なかには、庭に積もった雪の上にトナカイの足跡をつけておく家庭もあるのだとか。優しくて温かい、夢のあるクリスマスですよね。

クリスマスホリデーを日本語では「冬休み」と言いますが英語では直訳でWinter Holidayとは言いません。正しくはChristmas Holiday、この言葉から彼らにとってクリスマスがいかに重要なイベントであるかがわかります。

 

 

オーストラリア:波に乗ってやってくる

一方、オーストラリアのクリスマスは真夏。元来クリスマスの文化は北半球で発祥したため、全てが冬仕様です。しかし、オーストラリアのサンタクロースは夏を満喫。「波乗りサンタ」なんて言葉をよく耳にしますが、こちらのテレビコマーシャル(オーストラリアのスーパーマーケットALDI)を観ればわかるように、特技はサーフィンのようです。日本では見ることのない意外な一面!


一方ビーチではクリスマスBBQを楽しむ人々の姿も。暑いのでレッグハムやシュリンプカクテルなどのコールドフードがよく売れるとか。

Santa Claus goes surfing.” 覚えておきたいのがgo ~ing形のフレーズ。 go surfingでサーフィンをしに行くという意味になります。他にも go skiing (スキーに行く), go camping (キャンプに行く), go cycling (サイクリングに行く)などがあります。

 

世界のクリスマス事情、いかがだったでしょうか? 日本から飛び出して、海外の少し変わったクリスマス文化を味わってみるのも楽しいかも!

 


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