映画で学ぶ|バトル・オブ・ザ・セクシーズ BATTLE OF THE SEXES
男女不平等だったころの70年代
実話を描いた作品から学ぼう
日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。
今回は男女不平等だったころの70年代の実話を描いた作品、「“バトル・オブ・ザ・セクシーズ」で学んでみましょう。
作品情報
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
原題:BATTLE OF THE SEXES
日本公開:2018年 7月6日(金)
あらすじ
1973年、全世界で9,000 万人の目をくぎ付けにした決戦があった。女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスの戦いだ。
女子の優勝賞金が男子の1/8 だったこの時代、男女平等を求めたビリー・ジーンは仲間と共にテニス協会を脱退し、“女子テニス協会” を立ち上げた。
ギャンブル癖のせいで最愛の妻から別れを宣告されたボビーは、この試合に人生の一発逆転もかけていた。
「女をコートに入れるのはいい。でなきゃ球拾いがいない。私を倒したら10万ドルだ。問題は挑む女がいるかだ」一度は挑戦を拒否したビリー・ジーンだったが、女性の期待を一身に受け、すべてをかけて戦う決意をする。
「もしボビーに負けたら彼を止められない。ベストを尽くすわ。そうすれば世界を変えられる」全世界が見守るなか、“バトル・オブ・ザ・セクシーズ=性差を超えた戦い” が幕を開ける──
みどころ
スポーツ界はもちろん、政治や社会、学校や家庭における女と男の関係までも変えた世紀の戦い―最高に爽快で痛快なラストが、真に自分らしくあるための勇気と希望をくれる感動の実話です。
実在した人物であるビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスを演じるエマ・ストーン(『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞®主演女優賞受賞)とスティーブ・カレル(アカデミー賞®主演男優賞ノミネート)が、それぞれ本人達によく似ていると話題の本作品。
出演者の髪型やファッション、車や食べ物、さらには画像の粗さまで、70年代の質感にこだわって作られているところにも注目です。男女同権のため、そして差別をなくすために、現在も精力的に活動するビリー・ジーン・キング。
図らずもまさに今、女性の立場についての議論がマスコミを賑わしている中で、タイムリーな内容の映画となりそうです。
知っておきたい英語・文化のワンポイント
The word is… ってどう使う?
男尊女卑思考の強かった70年代のスポーツ界。男女同権を一歩でも進めるために世紀の一戦に立ち向かうビリーは、その思考を変える様子のないテニス協会に背を向けます。
世紀の一戦が迫る中、ラジオに登場したビリーは、ラジオDJからこのように話を向けられます。
A radio DJ:
The word is you are a renegade.
ラジオDJ:
テニス協会を脱退したとのうわさですが
今回取り上げる表現は“The word is…”。
これだけ見ると、「その単語は…」「その言葉は…」と見えて、英文の穴埋め問題の答え合わせをしているように思えてしまいますが、今回の表現は「人々が ’うわさ’ していること」という意味になります。
さっそく、例文を見てみましょう。
例文①
A: She's changed her style recently, hasn't she? She changed her hairstyle and replaced her glasses with contacts.
A: 最近、彼女雰囲気変えたよね。髪型変えたし、メガネをコンタクトにしたし
B: The word is that she got boyfriend.
B: うわさでは、彼氏ができたんじゃないかって
A: Isn't she married?
A: 彼女、結婚してるよね?
B: Really? I wonder why she made the change.
B: 本当? じゃあ、なんであんなに変わったんだろうね
この例文で分かる通り、人々が「~じゃないかな?」と、まだ事実かどうか分からない状態で勝手な憶測をしているときに、今回の表現が使えるということになります。
さて、この The word is…は、The rumor is…や Rumor has it that…というように、直接「うわさ」を意味する単語 rumor を使って言い換えることもできます。
例文②
A: Recently our Sales Staff are really busy, aren't they?
A: 最近、うちの会社の営業さん、忙しそうだよね
B: Rumor has it that company is doing so well that we're gonna get a big summer bonus.
B: うわさでは、会社の経営がうまくいってて、夏のボーナスもすごくいいかもって言われてるよ
A: Really?! Well then, I'd given up on going to Hawaii but I'm going to book the trip right now. I'll call them right away!
A: そうなの!? じゃあ、今年のハワイ旅行はあきらめてたけど、さっそくツアーに申し込んじゃおう! 今すぐ電話しなくちゃ!
B: What?! Wait! It's just a rumor and we don't actually know for sure! Sales might have fallen and that might be why our Sales Staff are hustling.
B: ちょ、ちょっと待ちなよ! うわさだから、まだどうなのかわからないよ! 売上が落ちてるから、営業さんがすごく頑張ってるだけかも
インターネットが普及する前は、ひとつのうわさがとんでもなく大きな騒動になることがありました。その例が、中東戦争中の1973年(本作のテニスバトルが繰り広げられた年です)。
原油価格の急上昇で、原油とは直接関係ないにも関わらず「トイレットペーパーがなくなる!」といううわさが広がり、人々が必死でトイレットペーパーを買い求め、品切れでパニックになったというものです。
あくまでも、事実かどうか分からないことが「うわさ」なので、うわさ話を100%信じてしまうようなことは避けたいところ。
うわさ話は、友人が集まった時の話題のひとつとして盛り上がるくらいで収めておいた方が良さそうですね。
うわさ話をネットに載せてしまうと、それを信じてしまう人が瞬時にどっと出てきて、後で事実が分かった時に大変なことになってしまうのが今の世の中ですから…。
日本語なしの予告編動画でチェックしよう
上のフレーズを聞き取りながら、予告編を見てみましょう。「あらすじ」も参考にするとさらに理解度も違ってくるので、わからないところはもう一度チェックしてみましょう。