IELTS ライティングの注意点 6
TOEFLとIELTSの違いを知って、試験に役立てよう!

今回は、IELTSライティングの4つの評価基準のひとつ、lexical resources(語彙の豊かさ)について理解を深めておきましょう。単に単語をたくさん知っているという以上のことがライティングには必要です。どんな準備をしたらいいのでしょうか。
単語の意味を覚えるだけでは正しい英文は書けない
語彙の勉強をするとき、単語の意味を覚えるのは大切ですが、日本語の訳を覚えておくだけでは足りません。なぜでしょうか。
まず、ひとつの英単語にひとつの日本語の意味が対応しているわけではないからです。
たとえば日本語の「引く」は、英語ではpull, tow, withdraw, tug, trigger, そして場合によってはcatchなど、いろいろに訳されることがあります。
ドアを引いて開ける:pull the door open
壊れたボートを引く:tow a damaged boat
手を引く:withdraw one’s hand
引き金を引く:pull the trigger
ロープを引く:tug a rope
風邪を引く:catch a cold
英語でエッセイを書くとき、「引くだからpullでいいかな」と思うと意味が伝わらなくなる可能性があります。
次に、使った動詞や名詞の意味が正しかったとしても、一緒に使う前置詞や副詞がそぐわない場合もあります。ですから、単語の意味だけではなく使い方まで学習しておくのが大切です。
語彙を豊かにするための勉強法とは
いわゆる「単語帳」でたくさん数を覚えたとしても、文脈や組み合わせを間違えると、妙な英文になってしまいます。
単語帳が悪いとは言いませんが、使うとしたら、良い用例がたくさん載っているものを選んでください。そして、IELTSを受けるなら、IELTSで使える用例でなければ意味がありません。IELTSアカデミックを受けるのに、ビジネス文書に出てくるフレーズばかりでは役に立たないのです。
IELTSアカデミックのライティングの勉強をするのなら、自分の意見を書くのに役立つ言葉と現代社会の諸問題に関する言葉を覚えておくのが必要です。覚えておくばかりではなく、使えるようにしておきましょう。
そのために具体的にどうしたらいいか、次回の記事でご紹介します。
ライタープロフィール●外国語人 | |
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英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |