毎日Eトレ!【1559】紛らわしい「比較」の表現

デイビッド・セイン先生が教える
大学受験対策でおさえておきたい文法のポイント

セイン先生が大学受験対策で役に立つ英語をご紹介します。受験までの空き時間、ぜひこちらのコラムをご覧ください!今回は、紛らわしい「比較」の表現、です。

 

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She is no more responsible for the problem than her teammate.

彼女はチームメイトと同じく、その問題に対して責任がありません。

 

二人ともその問題には責任がありません

否定語を伴う「比較」の表現にはややこしい面がありますので、しっかりと理解しておきましょう。

上の例文は、no more A than B という形になっています。これは「(主語は)B と同様、A ではない」という意味です。つまり、She も her teammate(=B)も、どちらも問題への責任(=A)がない、ということを表しています。

どうしてそういう意味になるのかと言うと、この no more A than B という形は、まず「B は A ではない」(=チームメートには責任がない)という前提のうえで、「主語は B と同程度にしか A ではない」(=彼女はチームメートと同じくらいの責任しかない)と述べているからです。主語が A ではないことを強調した表現ですね。

よく似た形の not more A than B と区別しておきましょう。こちらは「主語は B ほど A ではない」と単に主語と B を比べているだけですが、no more A than B のほうは「主語も B も、どちらも A ではない」と両方を否定しています。no と not のわずかな差で大きな意味の違いとなりますので、要注意ですよ。

 

一緒に覚えよう! 他の言い方・関連表現

He carried a bag that cost no more than $50.


彼はたった50ドルのバッグを持っていた。

 

▶もう一つ、「比較」の表現で no と not の違いを見てみます。上の no more than ... は「わずか~にすぎない」という only のようなニュアンスです。一方、これが not more than ... になると、単に「~より多くない」と客観的に述べているだけです。こうした点は紛らわしいのですが、きちんとおさえておきましょうね。

 

 

講師プロフィール●デイビッド・セイン David Thayne

日本で約30年の豊富な英語教授経験を持ち、ベストセラーの英語の書籍を数多く刊行。英会話イベント・セミナーも精力的に開催している。

 

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