E雑学【5】海外ってやっぱり治安が
悪い? 海外で身を守るコツは?
海外行き慣れていない狙われ
やすい若者にぜひシェア下さい

留学や旅行、海外に行く時や海外にいる時に知っておきたい情報、さらには英語の上達法などさまざまな情報をケンブリッジ大学認定講師であり、海外滞在、留学経験のあるライター、ケネス宮本がご紹介します。海外に行く時や現地で知っておくといいお役立ち情報などをご紹介します。
自転車の駐輪、カフェでの席取り…治安に見られる日本と西洋捉え方の違い
海外に旅行や長期滞在する人々が増えて久しい昨今ですが、日本が安全なだけに、海外の治安の悪さはなかなか想像しにくいものですよね。
結論から言いますと、よく言われる通り、日本ほど治安のよい国はないと言えます。
もちろん日本でだって事件などが起きますが、西洋、東洋の諸国と比べても群をぬいて安全な国のひとつだと思います。
例えば、僕がアメリカに行ったばかりの時に知ったのが「自動車のアラーム」です。
自動車に振動があったりすると鳴るヤツですが、日本でも一時期だけ出回ったと思います。
初めてアラームが鳴るのを聞いたときは、「ああ、いいアイデアだなあ」と思いました。
でも、いつでもどこでも、盗まれてるわけでもなく鳴るので、誰もアラームを気にしなくなっちゃうんですよねー。めっちゃウルサイですし。苦笑
スーパーのひろ~い駐車場で、3台ぐらい鳴ってることもありました。
それから、外国の方々が日本に来て驚くことのひとつが、「自転車の駐輪」のし方です。
車輪にバーを突っ込むかたちのカギがひとつ、これで路上に放置。担ぐか、軽く持ちあげるかしたら、鼻歌まじりで持って行けます。
それが数え切れないぐらいあるわけで、その光景に、「自己防衛がなってない」、「この治安の良さは素晴らしい」と、どちらの感覚もあるようです。
諸外国では、ワイヤーないしチェーンのロックで、ガードレールや街灯などに固定しますが、それでも切られて盗まれるのは時間の問題です。
僕も何台の自転車を盗まれたか分かりません。(車輪だけ盗まれたことも。苦笑)
あとに残っているのは、スッパリ切られたワイヤーロック…。工具のワイヤーカッターを持ち歩いてるコソドロがいるんですよー。
自転車に乗り慣れているサイクリストの方々は、駐輪している間はサドルを抜きとって持ち歩きもします。
あと、持ち物について。
例えば大手の喫茶店などでは、入店すると、テーブルにつく前にカウンターで注文しますよね。
そこで、席を「予約」する、と言って、空いてる席にカバンを置いてから注文しにいく方もいらっしゃると思います。
これには欧米の方々が驚いてました。放置されているカバンを誰も盗まないからです。
もちろん、これは日本が誇るべき安全性!
でも、絶対盗まれないわけではないですし、諸外国でならまず自分が泣きをみることになるので気をつけましょう。(「爆弾だと思うからやめてくれ」と迷惑がられる可能性も)
あちらの国々では、座っている自分のイスのわきにカバンを置いていても、音もなく、いつの間にかなくなります。
持ち物は、自分の足のあいだ、席を囲んでいる人たちの間、もしくは目に見える位置などに置いておくようにしてくださいねー。
ほとんどのトラブルは未然に防げる
このように欧米は、日本と比べて治安が悪いのです。でも、なんだかんだ言って、人が暮らしているところなんだから大丈夫、と僕は考えちゃいます。
要は「意識の持ち方」ってやつで、危険の可能性を意識していれば大抵は大丈夫です。
先ほどの持ち物の話もそうですが、それなりの注意を払っていれば、盗難などは未然に防げます。隙を見せない、ということですねー。
あと、防犯意識の違いが見える例として、例えば女の子の友達と会っていて、辺りが暗くなりました。
その子は車で来ていて、じゃあ帰るね、となった時、車が建物のすぐ前に止めてあるとしても、僕は一緒に外に出て、その子が乗車して出発するまで見送ります。
建物から車までの数メートルの間に、何かが起こらないとも限らないからです。
その場所が人通りの多い繁華街なら必要ないかも知れませんけれど、住宅街や夜に静かな界隈だったら絶対見送りますねー。
女の子のほうからも聞いてくるはずですよ。
Can you walk me to the car?
クルマまで一緒に歩いてくれる?
女性ならいちおう知っておいていいフレーズかも知れませんね^^
クルマじゃなくても、「バス停まで」と言いたければ、
Can you walk me to the bus stop?
と言えばいいわけです。
男性としても、
I’ll walk you to the car / to the bus stop.
クルマまで・バス停まで一緒に歩くよ
と言ってあげてください。
絶対とは言えませんけれど、「カップルは襲われにくい」という統計結果がある、と聞いたこともあります。
カップルの場合は、男性が必死に女性を守ろうとするからでしょうね。トラブルメーカーのほとんどは、闘うことを目的にしてはいません。
力が弱い・隙がある、と判断した者を狙いますから、ちょっとでも面倒そうな相手は避けるわけです。
彼を知り己を知れば百戦危うからず
なんにしても大事なのは、都市部や地方に関係なく、「自分がいる界隈」での「安全でない場所や時間帯」を知ることです。
旅行など短期の滞在では、そんなことを見定める時間も持ちにくいですが、その土地を知る人、旅行代理店やホテルのスタッフさんなどに早くから聞いておくとよいでしょう。
また、ビクビクせず威嚇的にもならず、「自然かつ堂々と歩く」ようにしてください。そのほうが小悪党を遠ざけやすいですし、いざというとき冷静に対処しやすいですよー。
ちなみに、日本人観光客はファッションだけでなく、物腰や歩き方などからも「日本人」の「観光客」であることがすぐ判ります。動き方や、集団でのお互いとの距離の保ち方などに、微妙な細かさで、土地カンのなさが表れてるんです。
この特徴は、ある程度の長期滞在をしている人や、旅そのものに慣れている人にはまず見られません。無意識的に気後れしていない、ってことなんでしょうねー。
海外で日本人が狙われる話は、90年代初頭まではよく聞きました。
でも、それが起こった理由は「日本人だから」ではなく、不安そうな、もしくは隙がある日本人が多かったからです。
バブル経済でお金を持っていた多数の日本人が海外に行って、不安そうな空気を漂わせていたり、隙だらけだったら、当然のごとくカモになったでしょうね。
そんなわけで、ご自分の安全のためにも、自分らしく堂々と歩きつつ、安全に気をつかってくださいねー。^^
ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。