【海外NEWS13】イタリア地震、
消防士の手紙や現地での報道とは?
9歳少女に向けた消防士の
手紙、英語で何て書いてある?
イタリア中部の町で8月24日午前3時30分(日本時間同日午前10時30分)すぎにマグニチュードM6.2の地震が発生しました。倒壊した建物の下敷きになるなどして300人近くが死亡したと報じられています。今もなお救助活動が続いていますが、行方不明者も多く、死傷者は増える可能性もある地震となりました。日本は地震大国と比較して、ヨーロッパでこれだけの死傷者が出る地震はめずらしいと感じた方も多くいるかと思いますが、新婚旅行先として人気のイタリアということ、日本も頻繁に地震があることから、決して他人事ではありません。どのように報じられているか見ていきましょう。
覚えておきたい、英単語
まず、災害に関する単語をいくつか見ていきましょう。
earthquake「地震」
epicenter「震源地」
disaster「災害」
catastrophe「大惨事」
evacuation「避難」
funeral「葬式」
relief goods「救援物資」
rescue「救出」
歴史ある町が強い地震に見舞われ、建物が崩壊や死亡報道も
出典:BBC
Almost 300 people are now known to have died after a 6.2-magnitude earthquake struck central Italy on 24 August. The devastating quake caused the collapse of numerous buildings with the historic town of Amatrice the worst hit.
8月24日にイタリア中部を襲ったマグニチュード6.2の地震で、300名近くが亡くなった事がわかりました。壊滅的な地震で被害が最も大きかった歴史ある町アマトリーチェは、多くの建物が倒壊しました。
6.2-magnitude earthquake struck central Italy「マグニチュード6.2の地震がイタリア中部を襲った」
➡struckはstrikeの過去系で使われていますが、よく会話で使われるのは「叩く」「打つ」「叩き落とす」などと言いたい時。野球でもstrikeと使われるので馴染みある単語かと思います。ここでは、主語が「地震」となっており、直訳すると「イタリア中部を叩き落す」というニュアンスですが、「地震が町を襲った」という意味になります。物理的に何かを「叩く」以外にも、「心を打つ、心に響く」といった心理的感情にも使えます。
<例文>
The big earthquake struck east part of Japan in 2011.
2011年に大きな地震が東日本を襲いました
Your advice struck my heart.
あなたのアドバイスは私の心に響きました
devastating「壊滅的な」「痛烈な」「すさまじい」「素晴らしい(すさまじいほど)」
➡devastatingは何かかなり強い力が働いたりする外的なものを修飾する時に使われる形容詞です。例えば、地震や台風などの自然災害や、リオオリンピックで話題となったジカ熱などの流行性のウイルスなど、ネガティブな要因の時に使われる一方で、何かものすごく素晴らしいものを指すときにポジティブなニュアンスで使われることもあります。
<例文>
The devastating typhoon just struck Tokyo yesterday.
すさまじい台風が昨日東京を襲いました
She looked devastating in the blue dress at the wedding party.
結婚パーティで彼女が青いドレスを着ていてものすごく素敵だった
合同葬儀が行われ、悲しみに包まれています
A mass funeral has taken place in Italy for some of the 290 people killed in Wednesday's powerful earthquake.
水曜日の強い地震で亡くなった290名のうち、数名の合同葬儀がイタリアで行われました
A funeral has taken place「合同葬儀が行われた」
➡take placeは「行なわれる」「催される」「起きる」という意味で、主に何かの行事が行われる時に使われます。今回、合同葬儀をイタリアが国葬として執り行ったため、take placeが使われています。ちなみに普通は「葬儀」と言う時はfuneralのみですが、今回多くの方の葬儀を合同で行ったため、「集団」を意味するmassが付いてmass funeral「合同葬儀」と言います。
<例文>
The first Olympic Games in South America has taken place in Rio.
南アメリカ初のオリンピックがリオで開催されました
Where does your wedding ceremony take place?
あなたの結婚式はどこでやるのかな?
9歳の女の子にあてた、消防士が贈った手紙の全文がこちら
An Italian firefighter has written a heart-wrenching letter to a little girl who died in the earthquake.
Giulia Rinaldo, 10, was found lying on top of her little sister Giorgia when rescuers arrived.
イタリアの消防士が地震で亡くなった小さな女の子に対して悲痛な手紙を書きました。救出された妹のジョージアちゃんの上にかばうようにして見つかった10才のジュリア・リナルドちゃんです。
heart-wrenching 「心が捻じ曲がるほど」
➡この形容詞はheart「心」とwrenching「捻じ曲がる」を組み合わせたもので、「心が捻じ曲がるほど」や「悲痛な」「胸が痛む」という意味で、この記事では妹をかばうようにして亡くなった9才の姉のジュリアちゃんに対して、消防士が棺に手紙を添えた様子を表した際のものです。
<例文>
It was such a heart-wrenching moment to see the disaster.
その災害を見るのは悲痛な時間でした
Hello, little darling. I only managed to lend a hand to pull you out of the prison of rubble. Forgive us if we arrived too late. However, you had stopped breathing by then, but I'd like you to know that we did all we could to pull you out. When I return to my house in l’Aquila, I will know that there is an angel watching me from the sky.
You will be a shining star in the night.
Bye Giulia, I love you even though you never got to know me.
こんにちは、お嬢さん。僕は、がれきの牢獄の中から君を引っ張り出そうと手を貸したんだ。僕たちが来るのが遅くなったとしたら、許してください。残念だけどもう君は息をしなくなっていた。でも、天国にいる君には、僕たちが君をそこから引っ張り出そうとできる限りのことをしたのを知っていて欲しい。僕がラクイラ(被災地近くのイタリア中部)の自宅に戻ったら、空から僕を見ている天使がいるのを知るだろう。夜には、君は光り輝く星になっているだろう。じゃあね、ジュリア。君は僕と知り合うことはなかったけれど、大好きだよ。
Pull you out of the prison of rubble「がれきの牢獄から引っ張り出す」
➡pul you out of「~あなたを引っ張り出す」という意味で、今回はジュリアちゃんを瓦礫の中から救出することを指しています。一般的にpull outで「引き出す」という意味で紹介します。pull「引く、引っ張る」+out「出す」が合わさった動詞です。
<例文>
I have a toothache and I think I need to pull out the tooth next time.
歯が痛くて、もしかしたら次行ったときに抜歯しなくちゃいけない
Pull out all your belongings from your jacket when you pass the security gate at the airport.
空港のセキュリティーゲートをくぐる時には、ジャケットに入ってる全ての物を出してね
forgive us if we arrived too late「僕たちが来るのが遅かったら許してね」
➡forgive「許す」という動詞で、相手に対して「許して」と言いたい時に使う一般的な単語ですが、今回残念ながら息を引き取っていたジュリアちゃんに対して「間に合わなくてごめんね、許してね」と「間に合わなかった」という事に対して許しを請いている文章になっています。forgiveの後に文章を加えて、「~に対してごめんね、許してね」と使われるのが一般的です。
<例文>
Please forgive me for not being able to get it done on time.
期日までに終わることができなくで、ごめんなさい、許してください
I will forgive you this time, but please be careful from next time.
今回は許すけど、次回から気をつけてね
地震といった災害は予期せず起こるもので、非常に悲しいものです。日本でも東京直下型地震や南海地震といった事が予測されているようです。またここ最近は大型の台風で北海道をはじめ、多くの被害が出ています。日頃から災害グッズなどをそろえておき、いざという時に対応できるようにしておきたいですね。
ライタープロフィール●Cinnamon Roll
高校で米国へ留学し、外語大で英語を専攻。卒業後に日本のメーカーで海外営業を担当し、その後外資系メーカーでキャリアを積み、現在は語学研修コンサルタントとして活動。これまでの経験を生かし、日常英語に加え、グローバルビジネスでも通用する英語も少しずつ紹介していきます。