IELTSオンライン講座連載【2】IELTSスコアの目安は?自分の英語力を測る方法を紹介

 IELTSテストについて解説 | パート別に問われる英語力と学習ポイントを紹介

カナダで10年英語学校を経営し、現在オンライン完結型のIELTS対策サービス「IELTSオンライン講座」で講師をしているKumikoさんの連載シリーズ。第2弾はIELTS各スコアレベルでの英語力の目安と、自分の英語力をどうやって測るかについて説明して頂きます。

IELTSのスコアは0.5きざみで満点が9.0ですが、だいたいの人の現在地と目標スコアは5.0~7.0に集中しています。そのため、今回は5.0、6.0、7.0の3つのスコアに絞って説明したいと思います。5.5や6.5は、中間と思っていただければ大丈夫です。

 

IELTSスコア5.0の英語力とは?

スコア5.0は、IELTSで中級レベルの英語力を示すスコアです。たとえば、TOEIC®だとおよそ650点~750点、TOEFL® iBTでは約35-45点、CEFRではB1レベルに相当します。このスコアを持つ人は、一般的な日常会話や学習の場面で英語を使うことが可能ですが、特定の専門分野や複雑な議題については苦労するかもしれません。

 

IELTSスコア6.0の英語力とは?

スコア6.0は、TOEIC®でおよそ800~850点、TOEFL® iBTでは約60-78点、CEFRではB2レベルに相当します。これは一般的なビジネスの場面や学術的な環境でも英語を使いこなせるレベルです。なので、まだ難易度の高い文章などを理解するのは困難な場面もあります。また、TOEIC®で800点を取れたとしても、IELTSではスピーキングやライティングがあるので、これらが苦手な人にとってはIELTSで6.0を取るのに苦戦するでしょう。

 

IELTSスコア7.0の英語力とは?

スコア7.0は、TOEIC®で900点以上、TOEFL® iBTでは約94-101点、CEFRではC1レベルに相当します。これはかなり高度な英語力を持つことを示し、大学のレベルの教育、専門的なビジネス環境、そして高度な議論にも対応できるレベルと言えます。実際、IELTSをずっと勉強してきて7.0を取れた方が、TOEIC®を受けたら簡単に900点以上を取れてしまうことが多いようです。

 

IELTSTOEIC®TOEFL®iBTCEFR
7.0 900点以上 約94~101点 C1
6.0 およそ800~850点 約60~78点 B2
5.0 およそ650~750点 約35~45点 B1

 

自分の英語力をどう測るか

とはいえ、IELTSやTOEIC®を頻繁に受けることは、資金的にも時間的にも大変です。試験を受けることなく、「自分が今どれくらいの英語力があるのか」を把握する方法をご説明したいと思います。

 

第一に、自分の英語力を理解するためには、IELTSで問われる英語の四つの技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)の中で、どの技能が得意で、どの技能が苦手なのかを明確に理解することが大切です。まずは、前回の連載記事をお読みいただき、IELTSテストの概要を知ったうえで、自分の現在地を確認する作業を始めていきましょう。

 

リーディングとリスニングにおける英語力に関しては、ケンブリッジの「公式問題集」の活用をおすすめします。公式問題集には実際の試験に近い問題が1冊につき4回分含まれていますので、これを解き、正解数を数えることで、リーディングとリスニングでどれくらいのスコアを取ることができるか、かなり高い精度で判定することが可能です。私も、IELTS対策をこれから始める方へのアドバイスとして、まずは公式問題集でリーディングとリスニングを解いてみることをおすすめします。ちなみに、スコア目安を算出して満足せず、間違った部分がなぜ間違いであったのかを分析することのほうが、これからの対策をしていくにあたってとても重要なことです。

 

ライティングにおける英語力については、本番試験に近い問題文について実際に英文を書き、可能であればIELTS専門講師に添削してもらうことで進歩を確認できます。文章の流れや語彙、文法、そして論理的な展開など、自分が改善すべき点を把握しましょう。その他、日常的にライティング力を測るためには、英語でミニ作文や日記を書いてみることがおすすめです。ライティングスキルを伸ばしていくためには、書いたものを再度読み返し、文法や語彙、表現の問題点をチェックしてみましょう。チェックするときには、DeepLやGrammarlyといったツールの力を借りるのも良いです。

 

スピーキングにおける英語力を評価するためには、英語で自己紹介や日常会話を録音してみましょう。録音したものを聞き返して、発音やイントネーション、文法などの問題点を見つけることができます。しかし、IELTSの目安スコアを知るには、ライティングと同じく、やはりIELTS専門講師に見てもらう必要があります。フィードバックを受け取り、改善点を見つけましょう。スピーキングスキルを伸ばしていくためには、もし英語を話す機会が少ない場合は、シャドーイングや音読などで口を動かすのも有効です。

 

ライティングとスピーキングに関しては、IELTSで自分がどれくらいのスコアを取れるのか、ということをある程度正確に知るためには、やはり第三者(できればIELTS専門家)に見てもらうことが必要になってきます。そんなに高い頻度で受ける必要はなく、月1回程度でも大丈夫です。このことについては、次の連載記事にて詳しく書きたいと思います。

 

最後に、英語学習の内容を日々記録することをおすすめします。毎日の学習内容や達成した目標、自己評価などを記録することで、自分の成長を具体的に見ることができます。モチベーションを保つのにも役立ちますし、進行方向を明確にするのにも役立ちます。「やるべきこと」を書き出す人は多いですが、英語力のように進歩がなかなか見えづらいスキルに関しては「やったこと記録」を書くのが有効です。

 

ちなみに、学習を続けていく一番有効な方法を知っていますか?それは「他人を巻き込むこと」です。家族や同僚などに目標を宣言するのも良いですが、もっと良いのは「一緒に勉強する仲間」を作り、毎日報告することです。これにより良い意味でのプレッシャーがかかり、「今日は疲れたし、やめとこうかな・・・」という日でも「やろう」という気にさせてくれます。周りを気にする日本人には特に有効と言えるでしょう。私が指導しているIELTSオンライン講座では、受講生が毎日「学習報告」を書き込んでいます。これによりお互いに「みんなやっているから私もがんばろう」という気持ちにつながるようです。講座でスコアを達成された方は口をそろえて「学習報告もすごく役に立った」と言ってくださいます。ぜひ「他人を巻き込む」にはどうしたら良いか、皆さんも考えてみてください。

 


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/IELTSオンライン講座講師・Kumikoさん

カナダで10年英語学校を経営。

カナダで初めて日本人特化のIELTSコースを設立。 対面での個人・グループレッスン、セミナー、スカイプレッスン、通信講座とさまざまな形式で指導してきた。明日香出版社よりIELTS対策本を出版予定。

IELTS公式運営機関であるIDP Educationのセミナー講師。

 

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