ラボ・パーティ連載【8】子どもの英語教育は何歳からはじめるといいの?
英語ができる子に育てるために、幼い頃から育てたいもの
近頃では幼児からの英語教室もたくさんあります。0歳からの教室や、就園前の乳幼児対象の教室もあります。2020年からは小学校でも、小学校3、4年生で英語活動が、5、6年生では英語の授業が始まりました。わが子に、何歳から英語を身につけさせたらいいのか、と悩まれている方も多いことでしょう。0歳からの英語教室を全国に展開している、ラボ・パーティに聞いてみました。
早くから学べば身につくって本当?
「英語は幼少期の早くから始めたほうがよい」という人がいます。本当にそうなのでしょうか。よく挙げらる理由について考え、それが正しいのか考えてみましょう。
1. 親である自分は中学校から6年間も勉強したが、英語は話せない
⇒ たしかに、これまでの日本の英語教育では、英語が話せるようになる人が多くは育ちませんでした。しかしそれは13歳から始めたことだけが、英語が話せない理由にはなりません。英語の習得は母語とは条件が異なりますから、どうやって学ぶかを考えずに、ただ「早くから学び始めればいい」ということにはなりません。
2. 海外に移住した日本人家族を見れば、大人よりも幼い子どもほど早くに英語を身につけられている
⇒ 子どもが日常的に幼稚園や学校という英語環境にいれば、大人よりも早くに英語を身につけられるでしょう。日本のように英語を使用する環境にない場合は、同じとはいえません。
3. 英語を身につけるには「臨界期」があり、ある時期を過ぎると習得がむずかしくなる
⇒ 大人になってから英語を学んで、流ちょうに英語を使っている人もたくさんいますから、臨界期という考えは意味をもちません。発音は幼い時期のほうが有利ということもありますが、日本語も同じですが、ことばはさまざまな要因とからみ合って身につけていくものです。音声以外の文法や構文に関してはある程度の年齢になったほうが早く身につけられます。
このようにみてきてもわかるように、「英語は幼少期の早くから始めたほうがよい」という明らかな理由はないのです。またそのような実証研究もありません。
幼い頃から育てたいものがある
では、幼い頃からどのような力を育てたら、将来、英語が使えるようになるのでしょう。
ひとつには、将来英語が使えるようになるためには、意外かもしれませんが母語(日本語)の力を育てる必要があります。わたしたち日本人は日本語で物事を考えますが、相手の言うことを理解したり、自分の考えを正しく伝えるためには、論理的に、分析的に考える必要があり、まずは日本語で考える力が重要なのです。この母語の力は英語だけでなく、人格形成やすべての教科の下支えとなるものです。
また、アメリカの教育心理学者によると、母語が上手く使えないと、外国語を学ぶのに不安をもつ、という研究もあります。たとえば母語で、自分の思ったことをきちんと言える、道案内がじょうずにできる、相手の言おうとしていることがきちんと理解できる、といったことはどうでしょう。このような母語の力が育っていないと、英語で同じようなことを言うことはできません。将来、英語を身につけるためにも、豊かな母語を身につけることは大切なのです。
幼い頃から育てたいふたつめは、異文化に対する柔軟な姿勢です。「英語はむずかしいものだ」などと感じる前に、「自分が使っていることばとは、違うことばがあるんだな」ということを知り、英語だけでなくさまざまな言語があること、そしてその言語に優劣はないということを知ることは重要です。
3つめには、英語の音声へのハードルが低い年代に、たっぷりと英語音声に出会うことです。子どもは音声から英語に出会うと、「自分の使っている言葉とはちがうけれどおもしろい」と感じることができます。古くから英語圏で子どもが歌っている「マザーグース」は、英語の強弱やアクセント、リズムを自然に身につけられるのでお勧めです。ラボ・パーティでは、たくさんのマザーグースを取り上げ、幼い頃から英語圏の子どもたちが楽しむのと同じように口ずさんでいます。
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人と対話し、協同するコミュニケーション経験を
英語が話せるようになる、使えるようになるためには、相手とのコミュニケーションが必要です。日本語の「察する」文化とは異なり、英語は「ことばで表現する」文化ですから、ことばでのコミュニケーション力がより重要となります。英語の単語や文法を知識としていくら知っていても、自分の言いたいことを相手にどのように伝えたり、相手のいうことを聞いたり、ときに断ったり、あいづちをうったりするには、どうしたらいいのか。コミュニケーションのスキルがないと、実際に英語を使うことはできません。
子どもは人と「対話」しながら、何かをいっしょに行う「協同」の経験を通じて、英語を使用する際にも必要なコミュニケーション力を身につけていくことができます。人と比べたり、競ったりではなく、対話したり、協同したりしてコミュニケーションしながら日本語、さらには英語を身につけていくことが有効でしょう。
将来、わが子が英語が使えるようになってほしいと考えるなら、単語や決まりきったフレーズを覚えることにのみ集中せず、実際にことばをやりとりするコミュニケーションをしながら、豊かな英語を身につけるようにしたいものです。そのように英語を身につけられたなら、子どもの人生も豊かになるはずです。
文/ラボ教育センター 広報 竹内美貴子さん | |
1988年、株式会社ラボ教育センター入社。営業職として首都圏、関西エリアを担当。ラボ・パーティ教室運営のサポート、指導者育成も行う。その後、教材研究・開発、広報誌編集などにも携わり、2006年より現職。言語習得、子どもの英語学習、絵本について詳しい。イベントやキャンプでは、⼦どもを対象としたワークショップも行う。中学生以上を対象とした海外ホームステイの引率経験は豊富。
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