お客様は神様でいてはいけない

気をつけたい欧米のビジネスマナー

日本人の知らない 海外就職で本当に必要なスキル

日本では儒教の影響か、自分より年齢が上の人には敬語と気を使うべしなど「目上の人を敬え」という文化がありますが、欧米では会社でもプライベートでも日本のような厳しい縦社会はめずらしいです。まず敬語という文化がありませんから。だからといってマナーを知らないとはまってしまう海外ビジネスの落とし穴! 今回は欧米のコミュニケーションマナーをご紹介いたします。

欧米ではお客様は神様は通用しないと心得よ

 

日本独特の年上は誰ともなく敬えという厳しい縦社会が存在しない欧米海外のワークカルチャー。能力と世間渡り力によって新人に先を越されるというパターンも多くあるので、日本のような先輩と後輩の関係はいつまでも続きません。英語に敬語は無いので、外国人上司とのコミュニケーションは日本より気が張らず楽、という方も多いのでは。

その反面自分がクライアントである場合のコミュニケーションは、きちんとマナーがあるのです。「お客様は神様」とクライアントを崇める日本的マナーのままで接してしまい、失礼な態度を欧米人に白い目で見られている日本人を良く目にします。日本人は世界的にもがとても礼儀正しいと世界的にも有名ですが、発注先に威張ってしまっては欧米での尊敬を勝ち取ることは難しいのです。

 

敬語がなくても立場関係なく礼儀は忘れずに

 

相手の地位や立場で態度を変える人で仕事を上手くまわしている人、好かれている人は今までお会いしたことがありません。偉そうにしている人ほど欧米のビジネス界では確実にれます! そして何万人という人のリーダーシップを握っている人ほど、自分より立場が下の人にも丁寧に接するのです。仕事の発注先や部下に威張っていいのは、日本だけです。

もちろん契約した仕事がきちんとなされて無い場合など、発注先が強めに要求を申すこともちろんあるのですが、そんな場合でも冷静に丁寧にという姿勢を絶対崩さないことが鉄則です。

日本では「下請けいじめ」なんていう言葉もあるようですが、海外で「マイナスになる客」はあっさり断られることが多いです。これは金額によって変わるわけでもなく、最近では米大統領トランプ氏就任式にて妻メラニアに着られては困ると多くのデザイナーが着用を拒否していたニュースも記憶に新しいかと思います。

もちろん人それぞれなので、少々無理があってもなんらかの価値が見出されると、融通がきくところはあります。ただ、日本語圏に比べてとてつもなく広い英語圏では、損になるような客と付き合うよりも新しい顧客を探すほうが簡易なのかもしれないですね。何があってもこの会社と付き合うというようなロイヤルティは海外ではなかなか珍しいものです。

  

デキる人ほど威張らないが鉄則

 

他の人では対応できない問題を解決する能力、人をまとめる才能、黙っていても海外の社会ではデキる人の地位が確立されるものです。デキる人は威張っていても見逃されますが、得は無く、マイナスの要素になります。まあ、威張っていてもある日突然立場が変わったりするので、威張った相手に親切にされるのも情けないですし、威張り返されても空しいですね。

 

敬語さえありませんが、立場関係なく、レストランでオーダーしている時でもウエイターにPleaseやThank youをどんな状況でも使う「丁寧な」コミュニケーションがマナーです!

恐そうな人にもきちんと求められたサービスをしますが、良い人には求められた以上のサービスをするものです。丁寧に人として接していれば期待以上の成果が出たり、親切にされると相手は喜んで動くものです。見返りを期待しての親切さではありませんが、雰囲気が良いほど良いことが起こりやすいのは世界共通です。

 

多くの会社では、仕事場以外での対人対応も意外とチェックされているところなので、気をつけてくださいね。

 

最近のビジネス英語おススメの一冊

 

日本の本屋の棚を埋め尽くす何百という英語関連の本。よく○○分で簡単に英語を完璧マスターする、これであなたもネイティブ、のような本が出ていますが、たいてい内容のツッコミどころがたくさん。

その中でも優秀でお勧めしたい英語本といえば

中山裕木子著「会話もメールも英語は3語で伝わります」

もう世間では話題になっているようですが、手が届かない日本人の英語のかゆさを見事まとめてくれましたという一冊です。なぜか英語のコミュニケーションがうまくいかないと悩んでいる方、日本人の英語から卒業したい方にはお勧めの1冊です!

 

 

伊勢 音亜(いせ・おとあ)

英国在住暦22年。社会人暦10年。元コンサルタントの英国人起業家に付き添いVC、スタートアップ、飲食業界、ブランディングなど幅広い業界にて幅広い経験を持つ。現在はロンドン、LEON社にてエンゲージメント、ブランドコミュニケーション、社内報の編集を担当。

「人を動かす英語術」紹介しているブログもチェック→  http://ameblo.jp/otoa-ise/

 


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