visit to 訪問先は間違っている!
「A社を訪問する」英語フレーズはこれ
デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語
ビジネスシーンでもある、間違いだらけの日本人英語。ビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。今回は「A社を訪問する」という言いまわしです。ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションを目指しましょう。
第25回 出張
to 訪問先 ってつい会話で言ってない?
イマイチ英語 I’m visiting to XYZ Company next week.
来週、XYZ社を訪ねるつもりです
イチオシ英語 I’m visiting XYZ Company next week.
来週、XYZ社を訪ねるつもりです
私がよく耳にする日本人英語のケアレスミス「~を訪問する」
今回からは新テーマ「出張」に関する英語表現を取り上げていきます!
出張にはさまざまな目的があると思いますが、海外にある自社の支店や営業所、取引先を訪ねて行くことも多いと思います。さて、「訪ねる」という言葉、あなたならどの単語を使って言い表しますか? visitと言えれば、第一関門突破です! visitは「友人の家を訪ねる」や「沖縄を訪れる」はもちろんのこと、「田中さんを見舞う」や「ウェブサイトにアクセスする」といった表現にも用いることができます。
このvisitに関して私がよく出くわす間違いがvisitの後にtoと言ってしまうというものです。実際は、動詞のvisitを使って「~へ行く」「~を訪れる」という時、前置詞toなどは使わないのが自然な英語。おそらくgo toのイメージで「へ」や「を」をtoに置き換えたくなるのでしょう。
違いは動詞の種類。自動詞と他動詞を意識しよう
「visit toは間違い!」と言いましたが、こういった間違いについてあまり神経質になる必要はないということもお伝えさせてください。相手には問題なく理解されるからです。
ただ、ある「ふたつの動詞タイプ」を知っておくと、こういうミスを防いだり、新しい動詞の使い方を覚えやすくなることは間違いありません。それは「自動詞」と「他動詞」と呼ばれるもの。
「自動詞」は「目的語を必要とする(→動詞の直後に前置詞を置ける)」、「他動詞」は「目的語を必要としない(→動詞の直後に前置詞は置けない)」という違いがありますが、動詞によっては「どちらでもある」という場合もあります。visitもそのひとつなのですが、「~を訪れる」という意味で使われる時は基本的に「他動詞」の用法になります。一方、go「行く」は自動詞なので、「~へ行く」と言うときはgo to ...となります。
discussやapologizeも要注意
visitのように、誤って直後に前置詞を使いがちな動詞は他にもあります。たとえば、discuss。日本語で「~について話し合う」という言い方をするので、discuss about ...などと言いがちですが、discussは他動詞なので、この「この問題について議論する必要がありますね」なら、We need to discuss this issue.となります。
また、逆に、自動詞であるにもかかわらず、他動詞のように使いがちな単語もあります。たとえば、「~に謝る」の意味のapologizeの場合、You should apologize him.といった表現を耳にすることがありますが、正しくはYou should apologize to him.「(あなたは)彼に謝るべきだ」となります。
「自動詞」と「他動詞」の違い、ぜひ意識しながら勉強に取り組みましょう!
関連表現
代表的な出張の目的を言う英語フレーズを覚えておこう
さまざまな「出張の目的」について述べるときの表現をご紹介します。
□ I’m going to inspect their factory.
先方の工場の視察に行ってきます
□ I’m going to try to complete a deal while I’m there.
現地にいる間に契約を取り付けられるように頑張ります
□ We are going to open a new branch office in New York next year, so I need to visit there and conduct a preliminary survey.
来年ニューヨークに新支社を開設するにあたり、事前調査をしに現地に行かなければなりません
今回のボキャブラリー
接待交通費って何て言う?
いわゆる「接待交通費」はT&E expensesと言います。T&EはTravel and Entertainmentの略。travelが「交通」、Entertainmentが「接待」を表しているというわけです。ちなみに「接待交通費用の法人カード」は、corporate travel and entertainment cardなどと言えます。
構成・文/デイビッド・セイン