「たぶん」Maybeの可能性は50%?
確率で使い分けるネイティブの法則は?
デイビッド・セイン先生が教える
ヘンな日本人ビジネス英語

ビジネスシーンでも使いたいのは、英語が母国語でない相手とやりとりすることも多いから、シンプルでわかりやすい簡単な英単語や英語表現ですよね。簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現があるんです。
そんなビジネス英語表現を連載で、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションしてみましょう。
第1回 オフィス編
ネイティブは「たぶん」を可能性の割合で言い換えている
イマイチ英語 Maybe. たぶんね
イチオシ英語 Could be. / I guess (so). たぶんね
Maybe.の乱用に物申す!
多くの日本人にとって、Maybe.はお気に入りの答え方のようです。私の経験上、Really?とMaybe.をやたらと多用するする人が多いような気がします。もちろん、これらは英語としては間違ってはいませんので、どんどん使っていただいてOKな英語です。ただ、どんな会話にも毎回、Maybe.で答えるというのは芸がありません。また、「さあ……」「そうなんじゃないの?」という、そっけない返事に聞こえてしまう場合もありますので、使いすぎには気をつけましょう。
そこで今回ご紹介するのは、Could be.とI guess so.です。これらはMaybe.とほぼ同じ意味を表します。あえて「ほぼ」と言ったのには理由があって、ネイティブは、「可能性」について言及するときに、これらの「たぶん」をその度合いによって使い分けているのです。
maybeが指し示す可能性はほぼ50%といったところです。Could be.が30%、I guess so.は60%くらいなので、Could be. → Maybe. → I guess (so).の順で可能性は高くなります。
実現度のまとめ
では、ついでに可能性10%や70%の言い方も確認していきましょう。以下のようなリストができあがります。
Probably. | 70% |
I guess (so). | 60% |
Maybe. | 50% |
Could be. | 40% |
Perhaps. | 30% |
Possibly. | 10% |
可能性が高いとき、絶対ないときは?
なお、可能性100%の「絶対そうだね」はDefinitely.やThat’s for sure. や、I’m 100 percent sure.のように言えます。
逆にゼロならThat’s impossible. やThat’s unlikely.、No way.のような表現があり、しかもこれらは「まさか!」という驚きのリアクションに使うこともできます。
ただし、この微妙な違いを意識し過ぎるのは考えものです。まずは、Maybe.ばかりに頼らず他の言い回しも試してみようという気楽な気持ちで使ってみてはいかがでしょうか?
また、maybeは、「イエスともノーとも言いたくない」というときにも使うことができます。Are you going to go drinking with me tonight or not?(今夜一緒に飲みに行けるの?それとも行かないの?)などと聞かれたときに、Maybe yes and maybe no.(行くと言えば行くし、行かないと言えば行かない……)と答えたりします。このような優柔不断な態度は、相手をイライラさせることもあるので、あまりおすすめはしませんが。
関連表現
Maybeを使った便利な表現を見ていきましょう
□Maybe later.
あとにしようかな
*忙しいときの誘いなどに対してやんわり断るときに使われます
□Maybe we need to think this over some more.
ちょっと考え直す必要があるかもしれません
*Maybe we need to ...なら、強く主張するのではなく、「私はこう思うけど」と提案できます
□Maybe you should skip the meeting and work on your report instead.
会議には出ずに報告書に取り組んだほうがいいと思うよ
*You should ...では少し語調が強すぎてしまうことがあります。そんなときにMaybeを文頭につけるだけで、かなりソフトな言い回しに変身します
今日のボキャブラリー
肘掛けイス
英語で言うとすると、悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。これは、a chair with arms、あるいはもっとシンプルに1語でarmchairとも言えます。確かに、「腕」を乗せるところなので、armでいいのです。日本語の「肘」に囚われないことがポイントですね。ちなみに、「肘」はelbowで、「(テーブルに)肘をつく」はput one’s elbows on the tableです。