Dear B,

Tronto Writer
佐賀出身。アメリカ留学から帰国後、佐賀で出会ったカナダ人旦那と結婚しトロントに移り住んで5年。執筆、翻訳、通訳、リサーチなどの仕事に取り組みながら、ドキュメンタリー映画制作の冒険中。カナダの文学、音楽、自然が大好き。ブログA Kitsune on the Wavesでは留学生活、英語学習法、トロント現地情報、国際結婚事情など幅広くシェアしています。
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WORLD
2015.09.19

人生の待ち時間もプラスに変えて!

佐賀の田んぼからトロントへ飛んだ私の理由

IKUMI from Tronto

Hi, Bumble Bee! 旅は順調?手紙ありがとう。トロントは最近急に気温が下がって秋めいてきたよ。4年前の今頃、私はカナダに移民として入国したの。佐賀の田舎からカナダのトロントに住むことになったわけを聞いてくれる?

「知りたい」気持ち

私は生まれも育ちも佐賀県佐賀市。21歳まで修学旅行以外で海外に出たことはなかったんだけど、物心ついた時から、心の中に強くあったのは「知りたい」という気持ちだったの。知識として歴史や文化を知りたい、というのももちろんあったけど、色んな人に会ったり、色んな経験をして、人として感じられるたくさんのエモーションを知りたいって思ってた。

 

「貧しさ」を言い訳にしない

だから、ずっとひとりで海外に住むという経験をしてみたかった。短期の旅行じゃなくて、どっぷりはまって、見えてくるものって何かなって。英語はもともと得意教科。だけど、母子家庭で金銭的に留学は現実的なチョイスじゃなかった。悔しくて泣いている私に母が「いつでも飛べるように、力を蓄えておきなさい」って背中を押してくれたから、 毎日3時間ずつを目標に英語を勉強したよ。

 

アメリカへー恩師との出会いと奨学金

転機が来たのは、佐賀大学に進学した時。恩師から、「留学したいなら、行けばいいじゃない。まずはTOEFLをのばして奨学金を取りなさい。」って声をかけてもらった。母が言っていた「飛べる時」って今なのかもしれないと思って、猛勉強したよ。ありがたいことに佐賀大学には本当に留学の役に立つクラスがいっぱいあったの。その結果、ロータリー国際親善奨学生というプログラムで留学費用を全額支給してもらい、ついにアメリカ留学が決まったんだ。家族も、先生も、友達も私以上に私を信じて応援してくれた。だからまず、ひとつの夢を叶えられた。

 

先住民ラコタの人たちとの出会い

留学先では飛び込んでくるもの、怖くても何でもまずは挑戦してみようって決めてた。その挑戦のひとつが、カナダ移住までつながる決定的な経験になったの。それはサウスダコタ州のパインリッジリザベーションにボランティアに行ったとき。先住民のラコタの人たちが暮らす居住区で、私は人生で初めてアメリカ社会の闇を目撃した。世界で一番裕福な国の中で「第三世界」と呼ばれるカウンティ。十分な食料、水もなく、高い自殺率、アルコール依存症にコミュニティが蝕まれていた。ラコタの中でもリーダー的な存在のエド・アイアンクラウドさんが、焚き火の前で私にこう言ったの。「知る力と環境を与えられた人たちには、真実を知り、伝える義務があります」その旅のあとから、「知ること」の方向性が私の中で変わり始めたんだ。

 

学生国際結婚

コロラドで先住民の歴史や文学を学び、様々な経験をして、かけがえのない仲間を得て、ずっとコロラドにいたいって思った。コロラドでの生活があまりにも馴染みすぎて、佐賀に帰ってから、逆カルチャーショックで少し道が見えなくなってた。 北米の大学院で勉強したい気持ちが強くて、ひとりで焦ってた。そんな時、今の夫となる人と佐賀の居酒屋で出会ったの。彼はカナダ人だったけど、熱心に私の話を聞いて、カナダの先住民の本をたくさん紹介してくれた。一緒に勉強したり、時間を過ごす中で、ふるさとが大好きになり、優しい気持ちになったよ。この人とずっと一緒に歩いていきたいと思った。だから、私からプロポーズしたよ。結婚したのはまだ大学生の時。

 

二人で一緒に歩ける場所、トロント

そして、ふたりが一緒にしたいことを追求できる場所、カナダのトロント大学の大学院に合格したから、トロントに移住したの。もうトロントに住んで5年。とても気に入ってるけど、ずっと住むつもりはあんまりないんだ。色んなところで挑戦してみたいことがたくさんあるよ!

 

これから

トロントにどうして移住したのか、っていう質問を簡単に答えるとね、

 

まずは夢があって、

私を信じて応援してくれる人との出会いと支えがいっぱいあって、

努力ができる環境があって、

一緒に歩いていきたい人が側にいてくれたからだよ。

 

これからどこに行くのか全然分からないけど、どこにいても、正直な気持ちと大好きな人たちと出会いを大切に、色んなことを知り、伝え続けていきたいな。Bとも世界のどこかでまた会えるの、楽しみにしてるよ!

 

TAG: WORLD  |  CANADA
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