これがアメリカの未来!?
荒廃したデトロイトの今
デトロイトといえばアメリカの自動車産業発祥の地で、輝かしいモーターシティーとしてかつて1950年代には平均収入、住宅所有率ともに国内トップを誇り、アートや芸術も栄えて最も裕福で治安の良い都市であったのよ。しかし、ここ何年かは過去の栄光を見る影もなく、街自体が見事に荒廃しきってしまっている状況なの。
デトロイトの街が荒廃している
デトロイトはアメリカ・ミシガン州にある都市で、1960年代には200万人の人口を抱えて国内で4番目に大きな都市だったわ。この時、人口の85%は白人だったと言われているよ。現在のデトロイト市を歩くと、荒廃した空き家やビル、廃墟と化した工場や壁に落書きされた学校が並んでいてまるでゴーストタウン状態。外側の見た目だけじゃなく、内装もボロボロ。予算がないので暗い夜でも街灯のない通りもあるほどよ。現在は移民が人口の85%を占めているの。
なぜデトロイトは荒廃したのか?
米政府が自由貿易という関税撤廃を推し進めたことに起因して、人件費をローコストにせざるを得なくなり自動車の生産拠点をメキシコ等の国外に移転したことや、日本や中国の自動車メーカーが米市場に参入してきたことが原因のひとつよ。最終的に、デトロイトのかなりの数の自動車工場が閉鎖され→失業率が悪化→人口減少という負のループが重なって、税収がまかなえなくなり、米連邦破産法第9条が適用されて市そのものが財政破綻してしまったということわけ。
荒廃に伴う治安の悪化
デトロイトはセントルイスやメンフィスを抜いて、アメリカでいま最も治安が悪いと言われているわ。公表されている割合で言うと、1年あたりの暴力犯罪率が1,989/10万人、殺人率が44/10万人とのこと。移民が多くて働き口がなく、街も荒廃しているので治安の悪化は必然的なものなのかもしれないね。アメリカ人はデトロイトの荒廃ぶりをwar torn(戦争で破壊された街)と揶揄しているよ。
日本とデトロイトの関係
日本とデトロイトはどちらも車産業が発展しているため、かつてはフォード、GM対トヨタといったようなライバル関係であったものの、今はお互い協力者同士でもあるの。デトロイトのあるミシガン州では日本メーカー車の工場で約4万人のアメリカ人が雇用されているんだ。デトロイトの市長が日本を訪れて関係性を築き、トヨタが成功し続けている秘訣を聞いたりしているんだよ。
デトロイトの今
空きビルにレストランやショップを入れたり、地元のレッドウィングスというホッケーリーグの新アリーナを建設していたり、湾があるのでオシャレなリバーサイド通りを計画したりと、少しずつ綺麗な景観を取り戻そうという動きが広がっているわ。11月に行われた米大統領選挙ではトランプが選ばれたことにより、「MAKE DETROIT GREAT AGAIN(強いデトロイトを再び)」というさらなるムーブメントが期待されているのよ。そういえば、ミシガン州ではトランプが投票数で勝利を収めたんだっけね!
shares