「あなたの幸福度は何%ですか」
世界幸福度調査~ウズベキスタン人編~
ユーラシア大陸に跨るシルクロード。勉強が苦手だった筆者でも、シルクを輸送していた道だよね~程度には覚えていました。旅をするとき、日本⇔海外の往復航空券代がもったいないので、筆者はなるべく沢山の国を地続きに一気に訪問することが多いです。バックパッカーが出発前に必ずと言っていいほど出発前に読むであろう、永遠の傑作小説『深夜特急』の主人公も、中国からイギリスまでシルクロードを通って旅をしています。なので、昔々は交易の為に利用されていたシルクロードは現代では、世界中のバックパッカーの王道ルートにもなっています。今回の幸福度調査は、そのシルクロードの真ん中に位置する、ウズベキスタンです。かつて、貨物を持った商人たちの中間地点のオアシスとして、遠路の疲れを癒す場だったそう。青を基調とした美しいモスクなどがエキゾチックな雰囲気満載で、今でも歴史を垣間見る事ができるのですが、意外にも中心部はとても発展していて、新幹線のような高速鉄道もとても近代的で驚きました。イスラム教が多い国ですが、女性の服装も洋風な方々がほとんどで、中央アジアの他国と比べても、一歩進んでいる国なのかな、という印象です。さて、今回インタビューに答えてくれたのは、カウチサーフィンでお宅にお世話になったクドラドさんです。郊外にご自宅を構え、奥さんと子供3人の5人家族を持つ男性です。少しシャイで、亭主関白で、古き良き時代のお父さんというような方です。何気ないクドラドさんの言動ひとつひとつに文化を感じるインタビューとなりました。
クドラト/男性/41歳/ウズベキスタン人
ーあなたはどのくらい幸せですか(100%のうち何%幸せか教えてください)
80%。家族も健康で仲がいいし、友人らとも上手くやってる。
ーあなたを自分が幸せと思わせるものは何ですか?
自宅に受け入れている外国人たちと、家族でパーティしている時。私は、両親のおかげで若いころに外国に行かせてもらった。その時とても勉強になったし、自分の人生が変わったと思うから、自分の子供たちにも同じような経験をさせてあげたいと思っているんだ。見識を広げて、大きな世界を見てほしい。友人を増やすという事も、英語の勉強をすることも、たくさんの文化を取り入れるという事も、僕たち家族にとって幸せなことだよ。
ーあなたの人生でいちばん大切なものは何ですか?
新しい文化を取り入れるのと同時に、古い文化もとても大切だと思うんだ。私も年を取ってきて、ウズベキスタンの伝統は勉強してしっかりと後世に繋げる事がとても重要だと思うようになった。伝統だけではなく、自分の子供や孫に沢山の事柄を受け継いでもらって欲しいと思う。私が先祖から受け継いだ事のようにね。ウズベキスタンは沢山の民族がいる。そして、少しづつだけれど違った文化や伝統があるんだ。近年、現代化が進んできて色々うやむやになっている伝統行事なんかも多いけれど。世界に目を向けたときに、まあ思うところはあるけれどウズベキスタン人だという誇りがあるからこそ、重んじたいことに気が付いたんだ。
ーあなたの国の人々は幸福度が高いと思いますか?
幸福だよ。この国は美しい。妻は訪問してくる女性外国人たちの自由さを少し羨ましいと感じることがあるようで社会に少し不満があるようだけどね。でも、彼女も幸せだよ。僕らの国は決して女性軽視しているわけではないんだ。大切に思っている。でもやはり女性が参加できない事もあるし、男性女性で役割が分かれているから。彼女らがいるから、暖かく賑やかになっているのも感謝している。それは、ちゃんと伝わっているよ。
ーあなたの国の幸福度を上げているもの、下げているものは何ですか?
幸福度を上げているもの、資源が豊富でこのあたりの国の中では発展しているところかな。資源は贈り物だからね。政府には大事に上手に使ってほしいよ。
幸福度を下げているのは、海がない。湖はあるけれど……海を見たことがない人がとても多いよ。僕は幸福にも見たことがあるけど、子供達にはまだ見せてやれていない。海があるとないでは、国の発展度もかなり違うと思うな。あとは、近隣諸国の情勢が常に不安定だという事。そう思うと、この国の立地は過去には恩恵を受けてきたけれど、現代ではあまりいいことはないな。
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