ポルトガルの⺠族歌謡
ファドってどんな歌 !?
日本でもここ最近、じわじわと人気が出てきている旅行先のひとつ、ポルトガル。 現在、首都のリスボンで生活している私ですが、夏が過ぎたというのに街はまだまだ観光客でにぎわいを見せています。特に私が住んでいるアルファマ地区は、リスボンでもっとも古いエリアのひとつとされているので、毎日世界中から来たツアーリストたちでにぎわっています。
ファドの歴史は200年前にさかのぼります。 ポルトガルが植⺠地ブラジルにアフリカ人奴隷を連れて行ったときに生まれた音楽が、ポルトガルの大きな港町だったリスボンに逆輸入され、独自のポルトガルスタイルに変化を遂げ今のファドになったといわれています。ファドの由来はラテン語のファラム(運命)という言葉が原語とも言われており、運命や宿命を歌にしているのだといわれています。
貧しい人々が集まる下町で生まれたファドは、⺠衆による⺠衆のための音楽として多くの人々に親しまれていました。彼らの苦しい生活の憂さ晴らしとして、とても人気があったのです。しかし、そんな大衆ファドを世界中に知らしめたのが、アマリア・ロドリゲスという 女性歌手でした。彼女はポルトガルから世界に、時代とともに洗礼された現在の形となったファドを届け、その彼女のすばらしい歌唱力に世界中が魅了されました。 現在リスボンでは主にアルファマまたは、バイロアルトのふたつのエリアでファドを楽しむことができます。
まずはお店のシステムをご紹介したいと思います。ファドのお店は全部で3種類あります。
1.格式高い、ファド プロフェッショナル
プロの歌手・奏者が演奏する音楽レベルが高いレストランです。レストランのランクも中〜高級です。22時頃よりショーが始まり、数人の歌手が3〜4曲歌い、休憩を挟みながら楽しむスタイルとなります。
2. 一般的なファドレストラン ファド アマドール
お店の方や、若手歌手が歌う親しみやすいファドレストランです。お料理もおいしいところもあるので雰囲気を味わってみたい方にお勧めです。22時を過ぎると飲み物の注文だけで入店できるアマドールもあります。
3.誰でも気軽に楽しめる ファド ヴァディオ
ファド好きならだれでも歌うことのできる参加型のファドヴァディオ。老若男女問わずに楽しめます。地元の人のエネルギーを感じることができる、まさにローカル行きつけの場所です。
こちらに私がおすすめするお店を一挙ご紹介します。ほとんどのお店は英語でも予約ができますので、事前に電話またはホームページより予約されることをおすすめします。
Casa de Linhares (アルファマ)
住所 Beco dos Armazéns do Linho 2, 1100-037 Lisboa
営業時間 20時00分〜0時00分
電話 910 188 118
O FAIA (バイロ アルト)
住所 R. da Barroca 54-56, 1200-050 Lisboa
営業時間 20時00分〜2時00分
電話: 21 342 6742
ADEGA MACHADO (バイロ アルト)
住所 Rua do Norte, no 91, 1200-284 Lisboa
営業時間 19時30分〜2時00分
電話: 21 342 2282
私の経験上、静寂な雰囲気の中で歌手(ファディスタ) がファドを心のそこから全身で歌っている姿を目の当たりにすると、ポルトガル語が理解できなくとも、心が揺さぶられる不思議な感覚に陥ります。 今の時代は簡単にインターネットで聞くこともできますが、やはり生の歌声・演奏に勝るものはありません。リスボンにお越しの際は、ぜひその力強い魂の叫びと、美しいポルトガルギターの音色を楽しんでみてください。
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