ガンも糖尿病も…あらゆる病気が治る!?
DNA編集ツール"CRISPR"とは
DNAというのは私たちが生まれる時に両親から受け継ぐもので、そのDNAの内容によって容姿、性格、病気へのかかりやすさなどが左右されるんだ。DNAを編集できたらいいのにと思ったことはない? そこで、「CRISPR」という新たなDNA編集ツールがバイオの分野を一変するのではないかと近年騒がれているんだよ。このツールは、DNAの二重らせんをカットして、指定した場所を削除したり挿入したりすることができる遺伝子改変技術なんだ。
コンプレックスを一瞬にして解消してくれそうで夢のようだよね。
しかし、前例にないほど精度良く柔軟に遺伝子改変が容易にできてしまうため、人間への使用に対して待ったがかかっていたの。
ある中国の科学者は、患者の遺伝病を治癒するためにCRISPRの可能性を示唆している一方、将来お金持ちたちが不都合な遺伝子をカットして、デザイナーズベイビーを作るのに躍起するんじゃないかって不安視の声も挙がっているんだ。
CRISPRはそもそも1980年代にある細菌に見つかった防御機構で古来自然に存在するもの。危険なウイルスを認識して次にアタックしてきた際にそれらを切り刻んで防御するという画期的な作用があり、その役割を担っているのがCRISPER関連たんぱく質、通称Casと呼ばれる酵素なんだ。
この切り刻んで防御する作用にヒントを得て開発されたのがCRISPRによるDNA編集ツールなの。
現在このツールは、実験用ラットの作製に使われていることが多いわ。工程としては、一部の健康的な遺伝子をカットして任意の病気モデルを作っているの。例えば、糖尿病研究のために糖尿病ラットなどを作って病気の解明に役立てているんだ。
このCRISPR編集技術を使えば、太陽の下に存在するあらゆる生物のDNAを編集できるため、将来的にはマラリア感染を起こさない蚊やウイルス感染を引き起こさない豚を作ることが可能になるそうよ。そうすればこうした問題で悩む発展途上国での寿命が延びて、経済発展にもつながりそうよね。
実はここ最近、人間のがん治療でこのCRISPR/Cas9を使って治療することが承認されたわ。医療界ではビッグニュースよ。
もし今後、誰でも自由にこのツールを利用できるようになれば、オンラインツールを利用して、標的の配列を指定し、そこに一致するRNAを注文したのち、CRISPR/Cas9で該当配列を切り出し、そこに正常なコピーを注入し、障害のある遺伝子を修復するという工程になりそうよ。
それこそ本当に、人口知能を超えて医者いらずの世の中になるね。
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