旅行写真家トレイ・ラトクリフと切り取る
ザ・リッツ・カールトン東京
46歳の写真家が、たった10年で
世界を飛び回るトップフォトグラファーになった理由
アメリカ、カリブ海、東南アジア、中東、ヨーロッパと世界80ヵ所のザ・リッツ・カールトンホテルに滞在しながら、「フォトウォーク」と題し、世界各地の人々に写真の撮り方をレクチャーし、インスピレーションを与える写真家がいるとしたらあなたは少しの嫉妬を覚えるでしょうか? それもキャリア10年で掴んだ機会だとしたら……。そんな夢のようなライフスタイルをおくる旅行写真家がいます。彼の名はトレイ・ラトクリフ。「フォトウォーク」は、そんな彼とザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーが2015年からパートナーシップを組んで取り組んでいる「80 Stays Around the World~世界中で80の滞在~」の活動で、11月は東京、大阪、京都、沖縄と日本の4都市で開催し、それに伴いトレイ氏が来日しました。
アーティスト・フォトグラファー
トレイ・ラトクリフ
コンピューターサイエンスと数学の学位を取得し、35歳までエンジニアとして生計を立てる。写真が趣味で、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真を、HDR(ハイダイナミックレンジ)の加工をして掲載したブログ、StuckInCustoms.comをオープン。ブログは瞬く間に人気を集め、ブログに付随するFacebook、Instagram、Google+、Twitter、PinterestなどSNSの総フォロワー数は1,600万人を達し、世界で最も注目される写真家、マンモスインフルエンサーとなる。2015年からザ・リッツ・カールトンホテルカンパニーのブランドソーシャルインフルエンサーとしてパートナーシップを組み、「80 Stays Around the World~世界中で80の滞在~」と銘打った「フォトウォーク」を世界各地で開催している。
ブログ https://www.stuckincustoms.com
トレイ・ラトクリフ × ザ・リッツ・カールトン東京
フォトウォーク
今回、Dear B,編集部は、11月3日にザ・リッツ・カールトン東京で開催されたトレイ・ラトクリフ氏の「フォトウォーク」に潜入しました。当日の様子についてリポートしていきたいと思います。
集合場所はザ・リッツ・カールトン東京の正面に位置する檜町公園のオブジェの前。国内外のカメラ愛好家、約50名が集まりました。
フォトウォーク前に参加者と交流を深めるトレイ氏。
フォトウォークの冒頭では、自身のカメラ哲学を語ります。
「写真を撮影する時は、シリアス(真剣)になりすぎてはだめだ。童心に返ったように、固定概念を外して、撮影を楽しむこと。マニュアル撮影をしないとプロじゃないなんていうこともないし、カメラのセッティングについて詳しくないといけないなんていうこともない。なんて言ったって今のカメラはとっても優秀だからね。大御所の写真家の言うことを聞く必要もないし、ルールを守る必要もない。どんな写真が撮りたいか自分自身に問いかけるんだ。それが、ユニークな写真を撮る秘訣だよ。」
フォトウォーク開始。ザ・リッツ・カールトン東京の敷地の周辺を回り、トレイ氏にレクチャーを受けながら、カメラを首からぶら下げて各々写真を撮ります。
フォトウォークの開始時間は午後15時。
「なぜこの時間を選んだのですか?」と参加者が尋ねると、
「1日の中で、最もrare(貴重)なマジックアワーだからだよ」と答えるトレイ氏。
ミッドタウン敷地のオブジェの前でレクチャー。物体を撮影する時、人は普通写真の中央に対象物をおさめようとするがそんな必要はない。固定概念を外し、様々な角度から捉えて見ること。そしてそれを楽しむことが大事だと繰り返します。
ザ・リッツ・カールトン東京の周りをぐるっと一周。約2時間のフォトウォークは、参加者の好奇心と興奮が冷めやらぬまま終了しました。
愛用のハッセルブラッドのカメラを持って微笑むトレイ氏。
Dear B,読者はトレイ氏のような、自分の好きなことで独立し、世界を旅するライフスタイルに憧れる人も多いでしょう。トレイ氏に、数多く存在する写真家の中でも彼があっという間に注目されるようになった、成功の秘訣について聞いて見ました。
「うーん、ヘンテコでいること。普通じゃないことだね。僕は写真の勉強をしたことがないんだ。学校に通ったこともないし。だから変なルールとか固定概念がなかったんだよね。だから自由な写真を撮ることができて、多くの人がそんな僕のユニークな写真を好きになったんだと思う。」
35歳で写真のキャリアをスタートし、現在46歳のトレイ氏。写真の世界というと、学校に通い、師匠について何年も下積みを積んで、ようやく一人前のカメラマンとしてひとり立ちするというが従来の流れでした。しかし、SNSなど発信チャネルを持った人々のキャリア形成は変化を迎えています。
トレイ氏の写真が瞬く間に世界中の多くの人々を惹きつけるようになったのは、彼が何度もフォトウォークの中で主張した「既存のルールや常識に従うのではなく、自分らしさを見つけろ」という言葉に尽きます。さらに自然体で、気取らず、自分の感覚に正直である彼の人柄にもその秘訣があるような気がしました。
東京滞在中にトレイ氏が撮影した写真
六本木の街にそびえ立つ、ザ・リッツ・カールトン東京
ザ・リッツ・カールトン東京で迎える朝
東京の夜景は、ドラマチックな夜を演出してくれる
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