美容師が伝授! 梅雨・雨の日のヘア対策
うねり・広がる髪をきれいにまとめる方法
美容師はしもとさんの
ワンランクアップヘアスタイル
雨の日や梅雨時期は、朝目が覚めると湿気で髪の毛が大変なことに……。シャワーを浴びてしっかりセットして出かけても、時間が経つとボサボサ、という経験はないでしょうか。お出かけ先でもできる、雨の日のヘア対策をご紹介します。
Contents
雨の日に髪が広がるのはなぜ?
髪が広がりやすい方とそうでない方がいます。これは髪質が「吸水性」と「撥水性」の2種類に分かれ、どちらかの性質によって異なります。
「吸水性」(きゅうすいせい)…水分を吸収しやすい毛質のことを指します。キューティクルの状態によって、水分を吸収しやすくなっている髪の毛です。猫っ毛やくせ毛の方は吸水性の髪質が多くなります。湿気による影響を大きく受けてしまうのはこの吸水性の毛質です。
「撥水性」(はっすいせい)…水を弾く毛質です。日本人の毛質としては本来、撥水性の毛質の方が多かったのですが、近年、日本人の毛質は吸水性が増えています。
広がりやうねりの原因は髪のダメージが原因
近年の日本人の髪質は昔に比べて変化がみられます。ヘアカラーを楽しめる時代になり、パーマや縮毛矯正などのシルエットコントロールも自由になりました。それによって多くの女性のヘアがケミカルダメージを負っています。
その他、ストレートアイロンやコテなどでセットすることによる熱ダメ―ジ、ブラッシングや寝ている時の枕との摩擦ダメージ、日差しによる紫外線ダメージ、海の塩分や温泉街の硫黄成分による外的要因のダメージなどが代表的なものになります。
それらによってキューティクルが損傷し、髪が吸水毛になってしまうことによって湿気の多い日に髪が水分を吸収し、まとまらない髪になってしまうのです。
髪は再生能力(治癒力)を持っていないため、ダメージはヘアケアで補うことしかできません。それによって日本の美容業界は90年代後半からヘアケアを重視するようになりました。
雨の日でも髪がうねらない! 自宅でもできるヘア対策
シャンプーはどんなものを使えばいい?
近年の美容はアミノ酸系のシャンプーが良いといわれています。化粧品登録されているシャンプーは内容成分が表示されていますので、そちらをご覧いただくと良いでしょう。シャンプーは成分配合の多い順に並んでいますので、必ず最初に「水」がきます。そのあとにシャンプーの主成分である界面活性剤と呼ばれる成分が書かれていますので、そこを基準にどのようなものかを判断することができます。代表的なアミノ酸系の成分は
「ココイルメチルタウリンNa」「ラウロイルメチルタウリンNa」「ココイルグルタミン酸Na」「ラウロイルグルタミン酸Na」「ココイルメチルアラニンNa」「ラウロイルメチルアラニンNa」「ココイルサルコシンNa」「ラウロイルサルコシンNa」。これらの成分はとても良いですが、すべての方にこの成分が合うわけではないことをご理解ください。
○ハシモトさんおすすめのシャンプー
ムコタシャンプーA/33
ベーダーレイヤーCMCケアシャンプー
トリートメントはなにがベスト?
ホームケアで仕様する市販のトリートメントはほとんどがコーティングになり、サロン等で売られているトリートメントの違いは内部補修成分に優れている所です。また、サロンで行うトリートメントにも様々な種類があるので美容師さんに特徴を聞いてみても良いと思います。基本的には内部補修できるトリートメントがお勧めです。
○ハシモトさんおすすめのトリートメント
ムコタコンディショナーK/53
ベーダーレイヤーCMCケアトリートメント
ヘアオイルは髪の広がりにいいの?
ヘアオイルは、髪をコーティングする効果があります。髪がパサついて広がってしまう方は水分を逃がさないようにするためにヘアオイルを使用すると効果があります。
○ハシモトさんおすすめのヘアオイル
パタゴニックオイル イセベルグ モイスト
ディーゼスエルジューダ サントリートメント セラム
くせ毛で広がる髪には「縮毛矯正」がベスト!
くせ毛の方は水分を吸収しやすく、雨の日や湿気の多い日に広がりやすい毛質になっています。くせ毛だと、朝しっかりセットしてもすぐに広がります。この場合はトリートメントのケアだけで収まりません。全体を縮毛矯正するか、広がりが気になるところにポイント縮毛矯正したほうが良いでしょう。また、髪の毛を巻きたい! という方は根元に縮毛矯正をかけて、毛先はデジタルパーマをやると根元のボリュームを抑えてかつ巻き髪の仕上がりになるので、朝の時短はもちろん、雨の日でもキープできる巻き髪ヘアスタイルになります。
雨の日のヘアセット
湿度の高い日はブローしてもアイロンしてもコテで巻いても崩れやすいので、髪の特徴を生かしてセットする方法がベストです。
時間がない雨の日の朝の簡単アレンジ
髪を「結ぶ」ことと「ピンで留める」ことができれば様々なアレンジができます。そしてみつ編みや編みこみができるようになるとさらにアレンジの幅が広がります。アレンジに関してもこちらの連載で紹介していきます。
巻き髪がとれにくくなる方法
髪を巻く前につける「巻き髪ローション」などもありますが、どうしても巻き髪がとれないようにしたいときには、巻く前にハードスプレーを少々つけます。あまり多くつけると固まってしまうので少量です。そこから髪を巻いて最後にもう一度ハードスプレーで固めます。湿気対策には多少効果がありますが、それでも雨に濡れてしまうと、とれてしまいますので濡れないように注意しましょう。絶対に巻き髪がとれたくない場合は出先でも巻けるようにコテを持参してください。海外で仕様する場合は電圧の違いがあるので、海外対応しているコテを買うようにしてください。
まとめ
今回は、雨の日や梅雨時期に湿気で広がってしまうヘアの原因と対策をご紹介しましたがいかがでしたか? その日だけどうにかしたいという人には、ヘアアレンジやハードスプレー、アレンジには時間をかけられないという人には、縮毛矯正が時短で効果的ですが、髪は根本的なケアが大事。健康で美しい髪は、雨の日でも広がり知らずということです。髪が「ダメージの毛」なのか「ダメージにみえる毛」なのかによってケアの方法が変わってきます。ハイダメージの毛は切るしかありません。切った後にしっかりとケアしてまとまる髪に育てていきます。また、ハイダメージでなくても、今後のためにしっかりケアしながら髪を育てていきましょう。
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