

日本の年金指数は最低レベル!
最低加入年数がない国も! 世界の年金制度
日本国民の義務として20歳から将来のために国に年金を積み立てるルールがあるけど、本当に払った分回収できるのか不安に思うよね。世界ではどのような年金制度が成り立っているかざっくり調べたよ。
世界にも日本の年金制度に似た制度がある
先進国ではほぼどの国も年金制度を持っているよ。日本と同様、国民年金だけでなく、障害年金、遺族年金などを兼ね揃えて国民が生活に困らないように税金で皆支えあっているんだ。今回は公的年金に絞ったランキングを発表。
年金指数ランキングトップ10
(マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング2016参照、カッコは年金指数)
1位 | デンマーク (80.5) | 6位 | スイス (68.6) |
2位 | オランダ (80.1) | 7位 | シンガポール (67.0) |
3位 | オーストリア (77.9) | 8位 | カナダ (66.4) |
4位 | フィンランド (72.9) | 9位 | チリ (66.4) |
5位 | スウェーデン (71.4) | 10位 | アイルランド (62.0) |
このランキングは年金の十分性、持続性、健全性を評価して格付けしたもの。デンマークとオランダは常にツートップを争っており両国ともAランクで、年金に関しては“十分な給付を提供し、年金制度が持続可能であり非常に優れた年金制度”と評価されているわ。デンマークでは、退職年齢の前に同国に少なくとも40年間在留している人に年間満額の72,756クローネ支払われる(1クローネを17円と計算すると、123万6852円)よ。オランダは年金回収率がとても優れていて、最低加入年数がないため、外国人でも数年駐在経験があればその分だけでも年金が受給できるの。
ちなみに日本の年金指数ランキングは27ヵ国中26位で指数は43.2(Dランク)であり、“長期的な持続可能性が疑問視されている”と評価され年金制度の破たんが危惧されているよ。
各国の年金制度
G7(アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・カナダ・イタリア)の年金
年金支給年齢 | 月々の徴収額 | |
アメリカ | デンマーク(80.5) | 所得の12.4% |
イギリス | オランダ(80.1) | 所得の25.8% |
ドイツ | オーストリア(77.9) | 所得の18.7% |
フランス | フィンランド(72.9) | 所得の17.65% |
カナダ | スウェーデン(71.4) | 所得の10.5% |
イタリア | スウェーデン(71.4) | 所得の23.1% |
どの国もお給料の中から年金を積み立てていって、同額を会社が支払う労使折半の仕組みがほとんど。受給金額は、アメリカは60歳までの平均賃金で調整され満額支給金額は月2,640ドル程度、イギリスは基本年金が週119ポンドで扶養家族がいる場合は週71.50ポンド、ドイツは個人所得総額×年金係数×年金価値で最低5年年金を支払えば受給でき月平均750ユーロ、フランスは被保険者の基準所得の50%+付加年金で最低年金は7,555ユーロ、カナダはOASとCPPの2階立てで平均月2,500カナダドル、イタリアは過去5年間の被保険者の平均年間収入、最大40年間の拠出年数、年間収入水準で計算され月955ユーロとなっている。
日本と他のG7国が違うのは、日本の場合は年金支給条件として25年間の支払い義務があるものの他の国は比較的短い。アメリカとイギリスとカナダは10年間、ドイツは5年間、フランスは特になし、イタリアは20年間という条件なんだ。ただ、これらの先進国にならい日本も2017年8月から年金支給条件の年数を10年間に短縮する予定といわれているよ。このほか、日本は全国民が年金強制加入だけど、他のG7国は働いている人(被雇用者および自営業者)のみ強制加入なんだ。これにはネガティブな面があり、男女では所得格差があるため年金受給額においても男女格差がでてくる。そのため、アメリカなどでは401Kと呼ばれる確定拠出年金という制度が盛んで、国民は株や投資信託など資産運用するなどして個人資産を増やしているよ。
北欧(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の年金
北欧諸国は高い税収で年金がまかなわれているよ。受給金額は、ノルウェーの年金基本額が90,068クローネで単身者は100%、配偶者がいる場合は185%受け取れる。スウェーデンは月平均7,000クローネ、デンマークは年金基本額が72,756クローネ、フィンランドはこれまでの給与所得の60~66%支給。意外と年金は日本と変わらないのになぜ北欧の人たちが将来を心配せずにいられるかというと、高齢になるにつれて支出の多くを占める医療費・入院費の無償化などが徹底しているから。北欧の場合は燃料資源や鉱物資源に恵まれているため平均賃金が高く男女平等思想のおかげで女性も社会進出しているため税収が期待でき、充実した社会保障制度が可能になっているんだ。最近では、フィンランドなどでは社会保障の新たなカタチとして、将来は年金制度を廃止してすべての国民にベーシックインカムを導入するなどの意見もでている。幸福な国が多い北欧では国民から徴収する税金は日本の何倍もあるけど、税金の使い方にセンスがあるのが特徴よ。
現在の日本の状況は
現在の日本の状況は少子高齢化と平均寿命が伸びたことによる影響で、年金受給開始年齢を70歳にする議論も展開されているわ。貧困の若者も増えて未納率も高いほか、いまの若者が高齢になる頃にはさらに子供が少なくなっていることが予想されるため年金は期待できないと懸念されている。そのため、政府は無年金機関に対する準備として国民に対してNISAで確定拠出年金を積み立てていったり、コツコツ投資を勉強して資産を作ったりすることを推奨しているんだ。年金がもらえたとしても特にフリーランスは月数万円の国民年金だけなので死ぬまで働く必要がでてくる可能性も……。
将来年金がもらえるかわからないけど成人の国民全員が支払う義務があるのは日本のみ。アメリカをはじめとするG7国はなんかあったら自己責任なので自助努力で老後のお金を積み立てていってくださいねというポジションで、北欧諸国は税金は高いけど老後は安心して国に任せてくださいというポジション。どちらがいいとは言わないけど、最低加入年数がない国はうらやましいね。
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