美髪の秘訣はシナモンだった

美容師が教える髪に良い食べ物

原宿の美容室VIRGO（ウィルゴ）店長スタイリスト橋元リョウイチが、髪に良い食べ物についてお話します。髪の毛に対して良いとされる食物は様々な意見がありますが、いろんな角度から解説したいと思います。

Q1　髪の毛に良い食べ物って何があるの？

食事は体内に入ると吸収しやすくするために、ブドウ糖や果糖に分解されてエネルギーとして吸収しますので、髪の毛に影響のありそうな食物や成分であっても細かく分解されることによって、髪に直接影響を及ぼす食物はないという見解をされる方が多いです。ですが、飲み薬のように口から吸収するもので身体に影響を与えるものがあることも事実です。

1.シナモン

髪の毛に対して食べ物の中で医学的に唯一良いと言われているのは「シナモン」なんです。資生堂が発表した内容によると、シナモンの中に含まれるケイヒエキスが体内のTie2（タイツー）を活性化させるのに適しているといいます。Tie2とは体内の毛細血管を活性化させるもので、受容体といわれるものです。加齢により、機能が低下するのですが、シナモンは頭皮の毛細血管を活性化させ、髪の毛に栄養を行き渡りやすくするのに適した食べ物のようです。スティックタイプやパウダータイプがあります。１日の食事のなかにシナモンを含めると効果が期待できそうですね！

2.よもぎ・ひまわり油・紅花油・ごま油など

大量摂取は身体にあまり良くないといわれていますが、「リノール酸」と呼ばれる成分が髪の毛に対して良いとされており、多くの食べ物や食用油に含まれます。リノール酸は必須脂肪酸で、体内で生成することができない成分になるので、食べ物で補うことが必要になります。体のエネルギー源になったり細胞組織や生理活性物質（ホルモンなど、体の働きを調節する役割をもった物質）の材料になります。ほかにも悪玉コレステロールや中性脂肪の量を減らすなどの効果もあります。

さらにリノール酸は体内で「アラキドン酸」に変換されます。アラキドン酸は生理活性作用を持つため、リノール酸を接種すれば免疫力や記憶力、認知力、血液凝固作用や炎症作用などの効果も得られるとされています。

3.大豆・大豆製品

髪の毛はケラチンと呼ばれるたんぱく質でできています。豆腐などの大豆の加工製品には植物性たんぱく質が多く含まれています。髪の毛に限らず体質改善において、植物性のプロテインは大豆のたんぱく質が多く使用されています。

医療関係者の方々は、結局「バランスの良い食事」が身体や髪の毛に対して良い事だと言います。その定義はBMIによって体重と身長で計算され、筋肉量によっても多少異なりますが、1日に必要な適正摂取カロリーや、摂取すべきたんぱく質・脂質・炭水化物の比率バランスを指し、炭水化物：約50~60%脂質：約20~25%　たんぱく質：約15~20%が良いバランスだと言われています。ここからは必須アミノ酸のような人にとって必要なエネルギー成分をしっかり摂取するというポイントに着目して、アミノ酸の効果が更に高まる成分をご紹介します。

4.玄米 ・マグロ・バナナ(ビタミンB1・B2・B6)

以上の食べ物には、ビタミンB1・B2・B6が含まれており、体内でアミノ酸が細胞を作ったり、酵素やホルモンの材料になってタンパク質がエネルギー源になるのを助ける働きがあります。

5.ブロッコリー・小松菜・ピーマン・キウイフルーツ（ビタミンC)

コラーゲンの生成を助け、細胞と細胞をつなぐ組合組織や骨を丈夫にし、免疫力を高めます。

6.いわし・ほうれん草・かぼちゃ・アーモンド(ビタミンE)

抹消の血液循環を良くし、アミノ酸が身体のすみずみまで機能するのを助けます。

Q2　髪に良い食べ物を摂取したら髪の毛は増える・太くなる・伸びるのが早くなるの？

薄毛で悩んでたり細毛で悩んでいる方は様々な原因があるので、食べ物で改善されるとはかぎりません。薄毛や細毛には様々な原因が考えられますので、その原因を追及することが大切です。

髪が伸びる速度は細胞分裂のスピードで個人差があるので、スピードUPを図る食べ物があるとするならば上記でお答えしたシナモンなど、毛細血管を活性化させる食べ物が良いでしょう。

細毛に関して美容でできることは頭皮環境を整えることです。毛穴に詰まったシャンプーでは落ちにくい汚れをしっかりと落とし、頭皮をきれいな状態にします。これは、髪の毛が毛穴に沿って生えてくるので、汚れが詰まっていると毛が細くなるというイメージからくるもので、毛穴の掃除をしっかりしておくと毛が太くなる可能性があり、頭皮に栄養を与える頭皮用化粧水や育毛剤・発毛剤も浸透しやすくなります。頭皮環境を整えるためにご自宅でもしっかりと地肌を洗うようにシャンプーすることをお勧めします。

食生活の乱れがあるのであれば、食べ物を変えると大きな改善が期待できるでしょう。とはいえ、髪の悩みは人それぞれで原因も様々です。食事に気を使いながら、食事以外で効果のあるものを併用していきましょう。