映画で学ぶ|LION/ライオン~25年目のただいま~ LION

What if「もし~ならどうする?」

現在形と過去形の違いって?

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知っておきたい英語・文化のワンポイント

What if (現在形)… と What if (過去形)… の違い

 

映画の中で、家を探し続けるサルーに向かってルーシーが尋ねます。

What if you do find home and they’re not even there?

「あなたが家を探し出したとして、もし家族がそこにいなかったら?」

 

ここで使われているWhat if…and/but….「~したとして、~ならどうする?」。

将来のことを予想して話す場面で使われる表現です。今回は、What ifに続く動詞に現在形を使うか、過去形を使うかによって、少し意味合いが違ってくることに注目してみます。

 

次の例文を見てみましょう。

A: Could you buy some spaghetti on the way home?

A: 帰りにスパゲティー買ってきてくれる?

B: What if I find spaghetti but it’s not on sale?

B: スパゲティーを見つけたとして、もしそれがセールじゃなかったらどうする?

A: We need it for tonight, so buy it anyway.

A: 今晩必要だから、それでも買ってきて

 

What if I find...と現在形で答えるBさん、買い物には行き慣れているようです。スパゲティーを見つけられることを前提に、その後に「もしセールじゃなかったら?」と尋ねている状況です。

 

では、過去形にして文章を作ってみましょう。

B: What if I found spaghetti but it’s not on sale?

B: もしスパゲティーを見つけたとして、それがセールじゃなかったらどうする?

 

この時のBさんは、買い物に行き慣れていない様子で、スパゲティーが探し出せるかどうかがまず心配なよう。この文章には、スパゲティーを見つけられない可能性も含んでいるんです。

 

このように、What ifに続けて現在形の動詞を使う時は、その行動は実現する可能性が高い時、過去形の動詞を使う時は、その行動は実現する可能性が低い、あるいは五分五分かなといった、そんな違いがあります。日本語訳の「もし」の位置に注目すると、分かりやすいですね。

 

映画では、家を探す為に一生懸命になるサルーを見て、家を実際に探し出せるかもしれないとルーシーは考えている、と読み取ることができますね。

 

それでは、いくつか例文を見てみましょう。

 

A:  I can’t stand my job! I’m gonna quit today!

A:  仕事、もうやってらんない! 今日辞めてやる!

B:  What if you get to work and they give you a promotion and a big raise?

B:  仕事行って、もし昇進する上に給料もすごく上げてくれるとしたら?

A:  Hmm…then I guess I’ll give it a second thought.

A:  んんん・・・それだったら考え直してもいいかな

 

A:  I wanna ask my girlfriend to marry me.

A:  彼女に結婚してくれるか聞いてみたいんだよね

B:  What if you ask her and she says no?

B:  聞いてみて、もし彼女が嫌だって言ったら?

A:  Well, then, I’ll ask my other girlfriend.

A: じゃあ、その時は、もう一人の彼女に聞いてみる

B:  You’re loser!

B:  お前ゲスだな!

 

「もし~ならどうする?」・・・たった一語の形を見るだけで、実現の可能性まで見極められるこちらの表現。かっこよく使いこなせるようになりたいですね。

 

予告編のセリフとその英訳はこちら!

A woman:

Let’s, uh, start with where you’re from.

女性:

それでは、あなたの出身地から始めましょうか

 

Saroo(Dev Patel):

Calcutta.

サルー(デヴ・パテル):

カルカッタです

 

A man:

Which part?

男性:

どの辺りですか?

 

Saroo:

I’m adopted. I’m not really…Indian.

サルー:

僕は養子なので、インド人・・・というわけでもないんです

 

Saroo:

I’m starting to remember.

サルー:

思い出し始めてるんだ

 

Sue (Nicole Kidman):

Saroo…our beautiful boy.

スー:

サルー、私達のかわいい息子

 

John (David Wenham):

We’re very proud of you, son.

ジョン(デヴィッド・ウェンハム):

誇りに思っているよ

 

Saroo:

A life I’d forgotten…

サルー:

僕が忘れ去っていた人生・・・

 

A boy:

Saroo!

男の子:

サルー!

 

Lucy (Rooney Mara):

You OK?

ルーシー:

大丈夫?

 

Saroo:

I had another family.

A mother, a brother…I can still see their faces.

サルー:

僕には他に家族がいたんだ

母親、兄・・・今でもはっきりと顔を覚えてる

 

Lucy:

What happened?

ルーシー:

何があったの?

 

Brother:

Don’t go anywhere, I’ll be right back.

サルーの兄:

どこにも行くなよ、すぐ戻るから

 

Saroo:

I have to find my way back home.

サルー:

家に帰る道を探さないと

 

Copy:

     Based on a true story

 

実話に基づくストーリー

 

Bharat (Sachin Joab):

How long were you on the train?

バラット:

どの位電車に乗ってたんだ?

 

Saroo:

Couple of days.

サルー:

2、3日かな

 

Bharat:

Couple of days?

バラット:

2、3日?

 

A man:

It will take a lifetime to search all the stations in India.

男性:

インドの全ての駅を調べるなんて、一生かかるぞ

 

Saroo:

Do you have any idea what it’s like…

サルー:

どういうことか君に想像できるのか?

 

How, everyday, my real brother screams my name?

毎日、僕の本当の兄が、僕の名前を叫び続けているのを。

 

Sue:

I always thought that I could keep this family together.

スー:

私達家族はいつも一緒にいられると思っていたのに

 

A woman:

I need you Saroo.

女性:

サルー、あなたが必要なの

 

Lucy:

What if you do find home and they’re not even there?

And you just keep searching?

ルーシー:

あなたが家を探し出したとして、もし家族がそこにいなかったら?

それでもまだあなたは探し続けるの?

 

Saroo:

I don’t have a choice.

サルー:

そうするしかないんだ

 

Copy:

  The unforgettable story

 

心に残る―

 

Lucy:

What was she like?

ルーシー:

お母さんはどんな人だったの?

 

Saroo:

 

Beautiful.

サルー:

美しい人だった

 

Copy:

   Of one man’s search

 

   For home

 

      家を探し出すために一歩を踏み出した青年の物語

 

Saroo:

Every night I imagine that I’m walking those streets home, and I know every single step of the way…

サルー:

毎晩、あの道を家に向かって歩いているんだと想像するんだ、そう、僕がその全てを知っているあの道・・・

 

Copy:

  Dev Patel

 

デヴ・パテル

 

Academy Award nominee

Rooney Mara

 

アカデミー賞候補

ルーニー・マーラ

 

David Wenham

デヴィッド・ウェンハム

 

And Academy Award winner

Nicole Kidman

 

そしてアカデミー賞受賞

ニコール・キッドマン

 

Saroo:

…and I whisper in her ear…”I’m here.”

サルー:

そして母さんの耳元でささやくんだ・・・「ただいま」って。

 

Lion

ライオン

 

LION/ライオン~25年目のただいま~』

原題:LION

日本公開:2017 47()TOHOシネマズ みゆき座他 全国ロードショー

全米公開:2016年11月25日
監督:ガース・デイヴィス
出演〔役名〕:デヴ・パテル(サルー)、ルーニー・マーラ(ルーシー)、デヴィッド・ウェンハム(ジョン)、ニコール・キッドマン(スー)、サニー・パワール(幼い頃のサルー)

 

配給:ギャガ

公式サイト:http://lionmovie.com/

公式Twitter:https://twitter.com/LionMovie

公式Facebook:https://www.facebook.com/LionMovie/

©2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia

 

ライタープロフィール●さゆり ロバーツ

英会話講師を経て、アメリカ人との結婚を機に2002年ホノルルへ移住。ハワイの歴史・ 文化を伝える「歴史街道ツアー」を立ち上げ、クイズを取り入れた面白ツアーが好評となり、各メディア で多数取り上げられている。『お母さんが教える子供の英語』(はまの出版)著者。

ブログ「さゆり in Hawaii」で、ハワイの日常・旬な情報を続々公開中。

 

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