カナダからハワイへの方向転換で実感
思わぬ所で開拓する人生の旅も面白い!
SAYURI from Hawaii
アロハ、B!
今Baliを旅してるのね!私は変わらずハワイに住んでるけど、実はそうなることは全く予想外だったんだよ。私がどうしてハワイに住むことになったか、聞いてくれる?
まずは私が子供の頃にまで話はさかのぼるんだけど、両親がね、英語教師の母親と、警察官でありながら、カントリーウエスタンのセミプロ歌手っていう父親だから、子供の頃から英語を聞く機会がたくさんあったみたいなの。
そんな環境で育てられているから、自然と自分でも英語を話せるようになりたいと思って、高校生の時に、カナダの学校への留学試験を受けたのね。でも、結果は落選だったの・・・。
それがすっごく悔しくて、大学に入ってから、両親に頼み込んでカナダへの語学留学をさせてもらってね。
そこでもう、カナダの大ファンになってしまって、「絶対に将来カナダに住むんだっ!」て。そこから、カナダに住む夢を叶えるための、「人生の旅」が始まったんだ。
その夢を叶える第一歩として、大学では北米の歴史と文化を専攻したよ。それから、英語を使えるようになりたいってことで、就職先は英会話学校にしたの。それも全部カナダにいずれ住むために。
その職場では、世界各地からやってきた外国人講師達とも一緒に仕事をしていたから、英語を使う環境はばっちり整っていたし、実際に日常会話は緊張しないでできるようになっていったんだ。
そこで出会ったのが我が夫。
でも彼は、北国カナダとは全く方向の違う・・・南国ハワイ育ちのアメリカ人。
ついに日本で結婚ということになって。「ハワイに住んでみる?」と聞かれて、「カナダじゃないけどどうしよう・・・」と相当悩んだのは本当。だって、人生をかけてカナダの為に準備してきてたんだよ。でも、場所はともかく海外で生活するチャンス!と思って、「オッケー。」と軽く答えたことが、私の人生の旅先を変えることになったんだよね。
家族旅行で1度訪れたくらいで、私には「住む」というイメージが全く湧かない場所だったハワイ。
実際に移住した時も、もちろん住む所もないから、ワイキキの安いホテルに住みながらの家探し。観光で訪れるのと、住む為にやってきたのとでは、心構えが全く異なるのを、最初の数ヵ月は強烈に感じていたよ。
「カナダに住みたかったのに、なんで私はこの暑い日差しと、ワイワイ楽しそうに歩く観光客の人達をかき分けながら、必死に、ただ生きていく為に走り回っているんだろう・・・。」
こんなに美しい海がそこにあり・・・
こんなに美しい夕日が毎日私を照らしているのに・・・
そんな大自然の美しさなんて気付く間もなく、ただただ毎日、ハワイという場所で生きる為に必死でいたのが、移住当初の頃だったんだよ。
いろんな葛藤があって、いろんな諦めがあって、それでもこのハワイから逃げ出さずにいられたのは、ハワイの歴史を教える先生との出会いがあったから。その先生がガイドしていたツアーに参加していて、言われた言葉が「あなた、日本語でこの歴史のツアーを手伝ってもらえないかしら。」
その時ようやく、自分の居場所が見つけられたような気がしたんだ。
英会話の講師の経験も活かしながら、ハワイの歴史や文化を紹介するツアーを主宰し始めたことで、このハワイという場所で果たす「私の役割」がようやく見つかったんだ。ハワイを深く深く知るようになって、いろんな発見があって、ハワイがどんどん好きにもなっていったしね。そしてこの仕事も、ついに12年目に入ったよ。
こうして、私の人生の旅の目的地はカナダの「はず」だったのに、結婚を機に目的地がハワイになってしまったわけだけど、自分の居場所を見つけてからは、知らない世界を少しずつ開拓していくような毎日が、すごく面白く思えてきたんだ。
と、そんな感じで、ハワイを伝える仕事で忙しくなったこんな私の息抜きがこれ!
ハワイの真っ青な海と空、ダイヤモンドヘッド、そして、私が移住当初、必死な思いでいたワイキキ・・・全部を一度に眺めながら、カナダでも思いっきり食べたクロワッサンをパクッとね!いろんな思いが駆け巡る瞬間なんだけどね。
Bも世界を旅しながら、いろんな発見をしながら、素敵な人生を作っていっているんだよね。
次にBに会う時には、世界の旅の話と一緒に、Bの「人生の旅」の話も聞かせてね!
さゆり ロバーツ
Hawaii Historic Tour LLC. 社長、兼、ツアーガイド
http://www.hawaii-historic-tour.com/wp/
ブログ「さゆり in Hawaii」
東京生まれ、茨城育ち。筑波大学比較文化学類にてアメリカの歴史と文化を専攻、英会話学校勤務から英会話学校講師を経て、結婚を機にハワイへ移住。2004年より、ハワイの歴史と文化を伝えるツアーガイドとして勤務。のちに独立し、現在に至る。「分かり易さと楽しさ」をモットーに、ワイキキとダウンタウンにてハワイの歴史や文化を伝えるうちに、ネットや口コミでツアーの存在が広く知られるようになり、ハワイ情報番組やラジオに数々出演、各種雑誌等に取り上げられるなど、活躍の場を広げつつある。『お母さんが教える子供の英語』(はまの出版)著者。
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