残業は能力がない証拠!?
ウィーンの人々の理にかなった仕事観
ウィーンがQOL世界No.1と呼ばれる理由
「ウィーンの人々の仕事観」
日本人は世界的にも勤勉だと評価される通り、高度経済成長期には長時間働き成功と失敗を重ね、経済大国としての地位を築いてきました。しかし、物が溢れる現代では商品やサービスに付加価値をつけなければビジネスとして確立させることが難しく、そのためのアイデアやクリエイティビティが求められるようになっています。そんな我々がウィーンの人々の仕事観を知ることは、重工業中心の時代から引きずってしまっている長時間労働や精神主義がベースとなる日本式システムを抜け出し、頭脳労働の時代を賢く生き抜くためのヒントとなるでしょう。
「自分時間」を大切にするウィーンの人々
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が高いことでも証明されている通り、ウィーンの人々はライフワークバランスを重視します。仕事はあくまで「幸福」を得るためのツールで、必要以上に時間を消費することはありません。映画を見たり、散歩したり、美術館を巡ったりと「自分時間」を作ることを大切にし、自己投資の時間を毎日必ずもうけています。
日本社会では1分でも長く仕事と触れ合うことで成長ができると考えられている部分があります。もちろん、多くの時間を自分の仕事へ捧げることは素晴らしいのですが、新たな情報や価値観を得る時間を意図的に作らなくては、新たな発想は生まれません。頭脳労働時代に良い仕事をするためには、休息も遊びも必要なのです。
残業する人=仕事ができない人
ウィーンの人々はこの考えを実践しており、16:30には退勤し、自分や家族のために時間を使います。残業は生産性がないことであり、必要のないものと考えているのです。さらに、残業をする人は時間通りに仕事を終わらせることができない、能力のない人だと認識されてしまいます。
病気で出社は絶対NG
病欠に対する考え方も日本とは大きく異なります。日本ではちょっとした風邪で、会社を休むことは難しいでしょう。一方ウィーンでは少し風邪を引いただけでも休める環境にあります。もし風邪を引いた人が出勤して、周りに風邪をうつすと会社全体として生産性が落ちるため、出社するのはナンセンスと考えられています。
ウィーンの人々の仕事観は非常に合理的で理にかなっており、この心地よい労働環境こそが、QOLが高い生活を送る秘訣でしょう。
取材協力&写真提供:オーストリア政府観光局
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