あなたの幸福度は何%ですか」
世界幸福度調査~カナダ人編~
筆者が初めて海外長期滞在をしたカナダ。頼るものが何もない状態で自分がどれだけできるかを試してみたくて、意を決して短期間の語学留学に行きました。まだ10代で、海外の事は右も左もわからない状態の筆者は、常に不安いっぱいの滞在でしたが、そんなときにホームステイ先としてお世話になったのが、今回インタビューさせて頂いたアンドレアさんのお宅です。ホームステイと言っても、アンドレアさんには家族がいないのですが、たくさんの留学生を受け入れていて、家はさながら学生寮。アンドレアさんはみんなのビッグママという感じでした。大柄な彼女は笑い方も性格も大胆というか(笑)陽気なおばちゃんという感じなのですが、筆者が一時期ホームシックで自室に閉じこもっていた時は、一生懸命日本食を作ってくれたり、とても繊細で優しく包み込んでくれる心の大きな人です。ずいぶん長い期間連絡を取っていなかったのですが、今回のインタビューをきっかけにメールを送ってみると、すぐに筆者の事を思い出してくれて、とてもうれしかったです。ビックママの心の中を、ちょっぴり覗いてみましょう!
アンドレア/女性/62歳/カナダ人
ーあなたはどのくらい幸せですか(100%のうち何%幸せか教えてください)
70%
今の生活はすごく満足はしているけれど、若いころ特有のキラキラした生活っていうのはもう戻ってこないっていう寂しさはあるわね。
ーあなたを自分が幸せと思わせるものは何ですか?
最近身近なものでいうと、庭造りね! 元々、小さな木が生えていただけのスペースで、最初はもらったプランターがあったから、花を少しづつ植えていただけなんだけれど、やっぱりきれいに花を咲かせてくれると嬉しくてね。この頃はどんどん花を増やしていって、家庭菜園なんかもやっているのよ。もっと庭の広い家に引っ越そうかしらと思うくらい、熱中しているの。やっぱり、生き物が育つって、素敵ね。植物にも個性があって、寒さや虫に弱かったり、育て方によって色や味が変わったり。人を育てるのも、同じこと。愛情をかけて、大切にすれば、ちゃんと答えてくれるわよ。
ーあなたの人生でいちばん大切なものは何ですか?
なにかしらね。沢山あるけれど……一番って難しいわね。やっぱり、私の家に来て、巣立っていった世界各国の子供たちかしら…あなた(筆者)も含めてね。私は自分の血のつながった子供を持つことはできなかったけれど、私の家に来た子供たちは全員本当の子供と思って接してきたわ。ある程度の年齢の子たちが来るから、関係が難しい部分もあるけれど、みんな最終的には心を開いて接してくれるわよ。私もなるべく遠慮しないで色々教えようと心がけてる。でも子供とはいえ、一人の人間として尊敬をもってプライバシーや国柄、宗教なんかも尊重して接しているつもりよ。子供たちはどう思っているかわからないけれど、私のところを気に入って、予定よりずいぶん長く住んだ子もいるの。そして、みんなたびたび便りをくれる。そうそう、その手紙なんかもとても大切なものね。
ーあなたの国の人々は幸福度が高いと思いますか?
他の人のことはよくわからないわ。でも、私はメキシコ系の血が入っていて、メキシコに住んでいる親族もいるの。その人たちの話や、ニュースを聞く限りだと、カナダの方が住みやすそうって思うわね。まぁこれは言っても仕方がないけれど、カナダは寒いわ! 年中暖かい国にも憧れるわねぇ。
ーあなたの国の幸福度を上げているもの、下げているものは何ですか?
幸福度を上げているのは、自然!美しい自然が、たくさんあるわ! 私も、カナダ国内だけでも行ってみたい場所が沢山あるけど、人生の中で行ききれるかしら。ウィンタースポーツが好きだから、それらができる場所が国中にあるのはとてもうれしい事ね。子供からお年寄りまで、みんな楽しんでいる。間違いなく国の宝ね。幸福度を下げているものなんてないんじゃない?何事も考えようよ。この国を不幸にさせるものって……ないと思うけど。えーっと、ニュースを見ていると、犯罪なんかはあるけどね。それでも、アメリカに比べたら少ないでしょ。移民の多い国だからさまざまなことが日々起きるわ。でも、だからこそ人は人、自分は自分、幸せの価値観も人それぞれ、っていう文化が根付いていると思うの。比べてはいけないものかもしれないけど、幸福度を下げているものより、上げているものの方が、この国にはきっと多いと思うのよ。
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