リモートワークと何が違う!?
デジタルノマドの意味を徹底解説
「ノマド」という言葉を一度は聞いたことがある人はきっと多いのではないのでしょうか。ノマド(nomad)とは英語で「遊牧民」という意味の単語です。海外ではすでに「Digital nomad」や「Hyper nomad」といった呼称でも知られており、日本では2010年を過ぎたあたりから広く認知されるようになってきました。
Contents
1.デジタルノマドってどういう意味?
デジタルノマドを一言で表すと、
「PCやスマホなどのデジタル機器を仕事道具に、自分の住みたい場所へ移動しながら働くスタイルの人たち」です。
IT技術の躍進によって、いつでも、どこでも、そして誰とでも仕事ができる時代になりました。そうした中でひとつの場所に留まり、働き続けることに疑問を感じた人たちが、場所の制約を受けずに働くというライフスタイルを実践し始め、海外ではすでにそういったデジタルノマドたちによるコミュニティができあがっています。
日本でもノマドワーカーとして生活する人たちが増えてきています。近年はコワーキングスペースが次々にオープンしていることや、大手企業がリモートワーク制度を導入したことで、徐々にオフィス以外で働くという考え方が一般に受け入れられるようになってきました。
さて、「ノマドとデジタルノマド、いったい何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ノマドとは自宅をはじめ、カフェやコワーキングスペース、シェアオフィスなどで仕事をする人たちのことを指します。彼らはオフィス勤めの会社員と比べ、異業種の人との接点が多い環境で働いている場合が多く、そうした刺激のある出会いや新しいビジネスの着想を求めてノマドワーカーとしてのキャリアを始める人も多いです。そして会社という団体に属していないので、働く場所だけではなく、服装や髪型、そして働く時間というのも自分で決めることができます。
一方、デジタルノマドですが、彼らはノマドとしての性質も兼ねつつも、より「住む場所を変えながら仕事をする」ことに重点を置いています。ノマドは都会の喧騒から離れ、地方に移住してそこで仕事をするというスタイルが多いですが、デジタルノマドの場合は旅行をしながら仕事をするといった感覚ですね。より仕事をする場所の制約を受けずに生きることができるのがデジタルノマドです。
自由に生きられる分、常に仕事の依頼を受け続けるだけのスキルや人脈、そしてタイムマネージメント能力が必要になりますが、旅行先のカフェや観光名所で仕事をする……なんて魅力的なことも可能なのがデジタルノマド。世界中どこでも、インターネットがあれば、あなたの仕事場になりうるのがデジタルノマドの最大の魅力といえるでしょう。
2.デジタルノマドはどんな仕事をしている?
それではデジタルノマドはいったいどんな仕事をしているのでしょうか。オフィスにいないとできない仕事がぐんと減ってきたこの時代、さまざまな職種のデジタルノマドがいます。
2.1起業家
会社勤めの経験を活かし、独立後に会社を起業し、デジタルノマドとして働く人は多いです。エンジニアやアプリのディベロッパー、Webデザイナーなど、場所を選ばずにできる仕事はまさにデジタルノマドにはうってつけの職種です。
こうした業種で会社を興し、世界中を旅しながら仕事をするスタイルの人もいます。また、クラウドファンディングなどのサービスによって事業が興しやすくなったことも起業家デジタルノマドの追い風となっているでしょう。
2.2フリーランス
デジタルノマドと聞いて、思い浮かべるのがフリーランスとして働く人たちではないでしょうか。日本で言われるノマドはフリーランスというニュアンスで使われることが多いかもしれません。職種はやはりプログラマーなどのIT系が多いですが、ライターや編集などの仕事をする人も数多くいます。
2.3会社員
もちろん会社に在籍していても、オフィス通いでなく自由に場所を選んで働くデジタルノマドもいます。特に海外では一般的になっており、社員全員がデジタルノマド……なんて会社もあるのです。日本国内の会社も個人のライフスタイルを尊重して勤務時間や場所を自由にしているところが増えてきました。例えば東京の会社に在籍しているが、長野県の実家でPCを使って働くことだって可能です。また、育児で毎日の出勤が難しい人でも、子どもを家でみながら仕事をすることができますよね。こうした働き方が可能になることで、様々な状況の人が仕事選択をできるようになるのは、まさにITの恩恵といえますね。
3.会社員ノマドが実践するリモートワークとは
最近になって、デジタルノマド言葉のほかに、「リモートワーカー」や「テレワーカー」と呼ばれる人たちも増えてきました。彼らはオフィスに出勤しないで主に在宅で働く人たちのことを指します。
コミュニケーションツールも発達してきている今、日本であればチャットワーク、海外ではスラック(Slack)というビジネス版のスレッドを使いながらプロジェクトを進めることが多いようです。
生産性を重視し、結果が出るのであれば個人が働きやすい環境で仕事をすればよい、という考え方が主流になりつつあります。
4.デジタルノマドのライフスタイル
さて、デジタルノマドはふだんどのような生活を送っているのでしょうか。
インターネットさえあれば、ロンドンのカフェでもミラノの図書館でも、どこでも仕事ができるデジタルノマド。最近になって、そうしたノマドワーカーに向けたコワーキングスペースやシェアオフィスなどが増え、デジタルノマドにとってはより働きやすい環境になってきました。
4.1仕事しながら旅行をする?
デジタルノマドたちは「場所からの自由」を何よりも大切にします。ですので、自分のベースとなる家を拠点に1年の間に場所を変えながら、仕事をしています。自分が行ってみたかった場所に訪れ、昼間はコワーキングスペースで仕事をし、夜は街を散策したり、週末にちょっと遠出をしてみたり。また海辺の近くに滞在し、仕事の間にサーフィンやスキューバ・ダイビングを楽しむデジタルノマドも多いのです。時間の制約を受けないので、自分のスケジュール次第で観光を楽しむことができるのです。
4.2デジタルノマドに人気のある国
デジタルノマドが好む国とはどんな国なのでしょうか。以下に特徴をまとめてみました。
-インターネット環境や生活に必要なインフラが整っている
-コワーキングスペースなどが充実している
-物価が安い
-さまざまな観光スポットがある
-デジタルノマドのコミュニティがある
-色んな国の人が集まっている
まず、デジタルノマドにとって生命線といえるWi-Fiなどのインターネット環境が整っているのは必須ですね。コワーキングスペースなどの施設が充実していれば、毎回カフェで仕事場を探す必要がなくなります。
物価も重要な決め手となります。ヨーロッパではハンガリーのブタペストが人気です。観光地としても有名ですが物価も安いのが理由です。
アジアではタイのバンコクやチェンマイ、インドネシアのバリ、ベトナムのホーチミンやハノイは他のアジアのエリアに比べ治安もよく、食事などの生活費も日本の半分以下の出費に抑えることも可能なため、非常に人気です。温暖な気候なのでレジャーも楽しみやすいのも魅力ですね。
何より、上で紹介したようなデジタルノマドワーカーの土壌があって、世界中からデジタルノマドが集まってくる国は人気が高いですね。
→世界で最もデジタルノマドに愛される街“チェンマイ”でのノマドな1日
4.3デジタルノマドにかかる予算は?
訪れる国の物価や通貨レートの影響もありますが、あなたが思っている以上にデジタルノマドライフを送るのにコストはかかりません。
滞在場所はAirbnbなどの民泊を利用すれば敷金礼金などもかかりませんし、アジアであればホテルや賃貸物件を借りても安く抑えられます。例えばAirbnbを利用すればプーケットのビーチから1時間もかからないプール付きの物件を1泊5,000円前後で借りることができます。
デジタルノマドに人気のタイのチェンマイではジムやプールが付いてなんと1ヵ月1万円台から借りられるドミトリーもあり、生活コストを安く抑えることが可能です。特にアジアでは地元の人もマーケットで食事をすませることが一般的な国が多いため、1食200〜300円ほどで満腹食べられる屋台も多いですよ。 東南アジアの物価が安い国であれば、生活費を10万円以下で収められるので、日本で暮らすより生活コストはかからないといえます。
4.4デジタルノマドの実践者が多い国
専門家によると2035年までに世界のデジタルノマドは10億人を超えるだろうと予想されていますが、その中でもどの国にデジタルノマドの実践者が多くいるのでしょうか。
基本的に欧米はもともとノマドワークの土壌があるので、実践者は多いでしょう。例えば、アメリカは国土が広い分、全米の企業と取引をし、全米から優秀な人材を集めるためにオンラインでできる仕事を充実させてきました。その結果、今ではデジタルノマドとして仕事をする人は全米の全労働人口の30%にものぼります。
4.5デジタルノマドが参考にするnomad list
デジタルノマドとして世界を廻りたい人なら参考にしておきたいのがnomad listです。
このサイトではデジタルノマドに最適な街が紹介されています。世界中のデジタルノマドのコミュニティサイトとしても機能しており、チャット機能を使って現地に住んでいるデジタルノマドたちと交流することができます。
また、それぞれの街を生活コスト、治安、天候、働きやすさ、観光スポットの多さなどさまざまな観点から評価をしているので、とても参考になります。英語版ではありますが、求人情報などもあり、まさにデジタルノマドであれば常にチェックしたいサイトですね。
5.デジタルノマドを支えるサービス
社会的にもワークライフバランスの考え方が徐々に浸透してきているのもあり、自由な働き方を応援するサービスが数多くあります。その中でも代表的なものを紹介します。
5.1求人サイト
まずは、どうやってデジタルノマドとしての仕事を見つけるかが何より大切ですよね。 「クラウドソーシング」というスタイルが主流になってきている今日、インターネット上であなたのスキルを求めているクライアントは数多くいます。例えば、ランサーズやクラウドワークスとったサイトではプログラミングやライティング、翻訳などを中心に幅広い案件が随時紹介されており、自分のスキルに合わせて仕事を選び、応募できます。
クラウドワークス
ランサーズ
「スキルや経験がない!」という人でも初心者向けのブログライティングや文字起こしなどの案件もあるので、だれでも始めることができます。
他にもクラウドソーシングサイトはありますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
5.2仕事管理のサービス&アプリ
離れたところにいる人たちと仕事をすることの多いデジタルノマドにとって、コミュニケーションツールは非常に重要です。スケジュールやタスクの管理、データ共有ツールなど、デジタルノマドを目指すのであれば必ず知っておきたいサービスとアプリを紹介します。
<コミュニケーションツール>
チャットワークス(Chatworks)…日本発のビジネス向けチャットサービス。海外にも展開している。タスク管理機能やメッセージ検索機能が付いている。
スラック(Slack)…海外発のサービスで英語での使用になる。(2017年6月7日時点) すべてのデバイスやOSに対応しているため、ストレスフリーに作業をすすめることができる。
<タスク管理>
Wunderlist…リマインダー機能はもちろんTo Doの共有ができるアプリ。プライベートからビジネスまで幅広い用途に使える。ハッシュタグを使って、詳細説明ができる等、かゆいところに手が届くアプリ。
Google drive (その他Google サービス)…言わずと知れたGoogleの無料サービス群はこれだけでビジネスが出来てしまうほど。無料クラウドや翻訳、マップもさることながら、Google スプレッドシートはオンライン上で複数の人が同時 に編集できるためとても便利。
Evernote…オンライン上で保存&同期ができるノートアプリ。共有することでプロジェクトノートとしても活用が可能。
まだまだデジタルノマドを助けるサービスやアプリは多々あります。自分のスタイルにあったものを探しておきましょう。
5.3生活を支えるサービス(保険、滞在先、航空券)
Expedia…ホテルとあわせて予約ができる大手格安航空券サイトです。ホテルと航空券を同時に予約するとAir+割が適用でき、大幅に割引されることが多い。口コミ情報がしっかりしていて信頼できる情報がゲットできるのでおすすめ。
Airbnb…世界最大級の民泊サイト。192ヵ国の国で80万以上のホストが宿を提供しており、長期宿泊を受け入れているホストも。
Uber…現地でのちょっとした移動に重宝するのがUber。一般のドライバーが目的地まで連れて行ってくれる。行き先をアプリで設定すると、近くにいるドライバーが来てくれる。料金もクレジットカードから引き落としされ、現地通貨での支払いがないので乗り降りがスムーズ。
World Nomads…出発した後でも加入ができる海外保険サービス。オーストラリア人バックパッカーが設立した会社なので、さまざまなところを訪れるデジタルノマドにとっても手厚い保険。
MAPS. ME…オフラインでも地図と現在地の表示ができる優れモノ。
NOMAD SOULMATES…あなたのデジタルノマドライフを一緒に楽しむパートナーを見つけられるマッチングサイト。旅好きな人たち専用のデートアプリなので、きっと刺激的な出会いがあるはず。
最後のNOMAD SOULMATESは旅をしながら、素敵なパートナーを見つけることができるので、とても夢のあるサービスですね。デジタルノマドというとひとりで各地を転々とするイメージがありますが、こうしたアプリを使ってコミュニティに参加したり、旅の仲間を見つけたりすることができるのですよ。
いかがでしたでしょうか。世界各地を次から次へと移り住み、そこで仕事をしながら現地の生活を体験するというデジタルノマドについて解説しました。彼らのようなライフスタイルの人たちがこれからどんどん増えていくと予想されます。まずはあなたもデジタルノマドへの第一歩を踏み出してみませんか。
→デジタルノマドになりたい人必見! 日本人でも応募できる!? リモート職10
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