映画で学ぶ|ドリーム Hidden Figures
You’re welcome.だけじゃない
使えるWelcomeの表現いろいろ
日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。英語フレーズや表現、日本との文化の違いなどのワンポイントの解説から、すべての英語のセリフと翻訳を掲載します。今回は1960年代のNASAの宇宙開発現場を再現した『ドリーム』です。
作品情報
『ドリーム』
原題:Hidden Figures
日本公開:2017年 9月29日(金)
あらすじ
1961年、ヴァージニア州ハンプトン。ソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げるNASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに必要不可欠な“計算”を行うために、優秀な頭脳を持つ黒人女性のグループがあった。そのひとり、キャサリンは数学の天才的な実力を見込まれ、宇宙特別研究本部のメンバーに抜擢されるが、白人男性だけのオフィス環境は劣悪そのもの。同僚のドロシーとメアリーも、それぞれ理不尽なキャリアの壁に直面することに。それでも仕事と家庭を両立させながら夢を追い求めることを諦めなかった3人は、NASAの歴史的な偉業に携わり、自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。
みどころ
1960年代初頭、アメリカが超大国の威信をかけて推進していた有人宇宙飛行計画を背景にした本作品。実在の主人公3人は、当時まだ色濃く残っていた人種差別に直面し、職場でさまざまな苦難に見舞われますが、“人間コンピュータ”とも呼ばれた卓越した知性、たゆまぬ努力、不屈のガッツで次々とハードルを突破します。等身大の共感を呼ぶ“お仕事ドラマ”としても、NASAの宇宙開発の現場をリアルに再現した“歴史ドラマ”としても一級の出来ばえを誇るエンターテインメント快作。1960年代の風俗を今に甦らせたカラフルなファッションにも注目です。
知っておきたい英語・文化のワンポイント
welcomeの使い方いろいろ
人種差別があからさまに行われていた1960年代のアメリカで、黒人女性という、当時は社会で差別を受けていた人々が大活躍する、実話に基づいた今回の映画『ドリーム』。人々の共感を呼ぶ、素晴らしい映画です。
さて、主人公にあたる3人の女性メアリー、ドロシー、キャサリンは、アメリカの未来を背負うNASAで働く才女ながら、通勤にはボロボロの車。遅刻して仕事を失うかもなんてメアリーが文句を言う中、どうにか修理しようと頑張るドロシーがこう言います。
You’re welcome to walk the 16 miles. 16マイル(約26㎞)を歩いてもいいのよ
この文には、とても見慣れたフレーズが入っていますね。You’re welcome. これだけだと、もうご存知「どういたしまして」となりますが、その後にto walkが付いています。You’re welcome to…という形になって「ご自由に~してください」という意味になっています。例文を見てみましょう。
例文①:
A: I’d like to try that hot sauce.
A: あのホットソースを試してみたいんですが
B: You’re welcome to try, but it is extremely spicy!
B: ご自由にお試しください、でも、ものすごく辛いですよ!
例文②:
A: I’m hungry…
A: お腹すいた…
B: You’re welcome to help yourself to anything in he fridge, except beer!
B: 冷蔵庫の中の物、何でも自由に食べていいよ、ビール以外はね!
You’re welcome. 「どういたしまして」、You’re welcome to…「自由に~してください」、それから、Welcome to…「~へようこそ」と、welcomeは様々な場面で大活躍する言葉ですが、どれをとっても人を明るい気分にしてくれる言葉ですね。
ちなみに、「通勤手段としてもうひとつ、バスに乗ったら?」と提案するキャサリンはこう言います。
Or, sit in the back of the bus. 「それか、バスの後部座席に座るとか」
当時は白人と黒人の間でバスに乗る位置も違い、後部座席は黒人専用となっていました。
日本語なしの予告編の動画はこちら
上のフレーズを聞き取りながら、予告編を見てみましょう。「あらすじ」も参考にするとさらに理解度も違ってくるので、わからないところはもう一度チェックしてみましょう。
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