映画で学ぶ|ゲット・アウト Get Out

I couldn’t bear it to の
ネイティブ的使い方

日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。英語フレーズや表現、日本との文化の違いなどのワンポイントの解説から、すべての英語のセリフと翻訳も掲載しています。

今回はアメリカのお笑いコンビ、キー&ピールのジョーダン・ピールと、世界的ヒットメーカーと大人気コメディアンが異色のタッグを組んだ『ゲット・アウト』です。

作品情報

『ゲット・アウト』

原題:Get Out

日本公開:2017年 11月3日(金・祝)

 

あらすじ

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。
そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが……。 

 

あっと驚く結末に、米大手批評サイト「Rotten Tomatoes」で驚異の99%評価を獲得した作品

本作の製作を手掛けたのは、『インシディアス』『ザ・ギフト』『ヴィジット』のジェイソン・ブラム。そして、監督・脚本を務めたのは、なんとアメリカのお笑いコンビ、キー&ピールのジョーダン・ピールと、世界的ヒットメーカーと大人気コメディアンが異色のタッグを組み、 じわじわ迫る「恐怖」とあっと驚く「結末」が待ち受ける、 今まで誰も観たことないオリジナリティ溢れる作品を作り上げました。

低予算ながらも全米初登場でNO.1大ヒットを記録し、 監督デビュー作にも関わらず米映画レビューサイトで大絶賛された、 映画の常識を覆すサプライズ・スリラー。背筋がスッと寒くなるような、迫真の演技にも注目です。

 

 

知っておきたい英語・文化のワンポイント

I couldn’t bear it to… の使い方

人種に関わる社会的な映画かと思いきや、サスペンスに満ちてスリル満点の今回の映画『ゲット・アウト』。その中でも異様な存在感を醸し出している、主人公の彼女ローズの実家で働く使用人たち。彼らのことを紹介するローズの父ディーンが、主人公クリスにこう言っています。

 

Dean:

We hired Georgina and Walter to help care for my parents. When they died, I couldn’t bear it to let him go.

ディーン:

我々は両親の世話のためにジョージ―ナとウォルターを雇ったんだ両親が亡くなったとき、どうしても彼を手放すことができなかったんだよ

 

使用人のウォルターは両親を一生懸命お世話してくれたのかな、とか、ディーンの感情が入るような何かが彼にあるのかな、などど想像できるセリフです。

 

今回ご紹介したいI couldn’t bear it to「どうしても〇〇できなかった」、これは、対象となる人や物に感情が入ることで、どうしても何かができなかった……、という場面で使える表現です。例文を見てみましょう。

 

例文①

A: My move out date is almost here, I have to get rid of stuff I don’t need.

A: 引っ越しの日が近づいてるから、いらない物をどんどん捨てなきゃ!

B: You said a long time ago that you’d throw away that dirty blanket.

B: この汚い毛布、ずっと前に捨てるって言ってたじゃん

A: Yeah, but I couldn’t bear it to lose it, because I’ve used it since I was a baby

A: うん、でも、どうしても捨てられなかったの、だって私が赤ちゃんの頃から使ってるものだから……

B: Wow!  That’s a durable blanket!

B: へえ! すごく強い毛布なんだね!

 

毛布に感情がこもってしまって捨てられない……、こんな風に「物」に対しても使えますし、

 

例文②

A: Today my son Tony dropped my phone and cracked the screen!

A: 今日ね、息子のトニーが私の携帯落として、画面を割っちゃったのよ!

B: And?  Did you scold him?

B: で?怒ったの?

A: I wanted to scold him… but I couldn’t bear it to scold him when he said, “Sorry Mommy!  I’ll buy you a new one…”

A: 怒りたかったんだけど、「ごめんねママ、新しいの買ってあげる!」って言ってきて、どうしても怒れなかったの

B: Yeah. You can’t stay mad at a 3-year-old if they say something that cute.

B: そうだよね、3歳の子にそんなかわいいこと言われたら、怒れないよね

 

もちろん、例文の3歳の息子さんのように「人」に対しても使えます。感情がこもってしまって怒れない、捨てられない……日常会話でもよく出てくる話題ですよね、例えば年末にむけての大掃除などなど。

ぜひみなんも、掃除をしながら、「これは捨てられないな~」と思う物があったら、この表現を思い出してください。でも、この表現ばかりが続くと、なかなかお部屋がスッキリしないかもしれませんけど!

 

日本語なしの予告編動画でチェックしよう 

上のフレーズを聞き取りながら、予告編を見てみましょう。「あらすじ」も参考にするとさらに理解度も違ってくるので、わからないところはもう一度チェックしてみましょう。

 

 

 

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