「あなたの幸福度は何%ですか」
幸福度調査30回突破!まとめ
ついに本幸福度調査も30インタビューを突破しました。まさかまさか、ここまでたくさんの方々にインタビューに答えていただけるなんて! 思ってもみなかったので、驚きと喜びでいっぱいです。
さて、本記事ではインタビューを一旦休憩させていただいて、今までのインタビューで見えてきた幸福論を分析し掘り下げてみようと思います。幸福な人とそうでない人、何が違うのか。幸福になりたいという気持ちは絶対に万人共通に持っているものなのに、どこで差が出てしまうのか。人類の永遠のテーマですが、人々の思想や現実を読み解いていくと、見えてくるものがありました。
幸福度の基軸について
筆者が本幸福度調査で参考にしているWORLD HAPPINESS REPORT。まずそのランキングは国民の健康や国への信頼度、GDPや社会保障などの項目が分析基準となっています。人がひとり生きていく人生には、それぞれに必ず大なり小なり幸せに感じる瞬間と不幸せに感じる瞬間があるでしょう。幸福度調査を続けてみて感じたのは、インタビューで答えてくれるのは一個人であり、長い人生の今この瞬間幸せかどうか、についてが話の焦点になることが多いという事です。もちろん、公的なアンケートとは違いインタビュアーが友人(筆者)なので、世間話も含め込み入った思想に触れる事が多く、こういった結果になるのだと思います。だからこそ、幸福の基軸に経験や個人のタイミングなどが反映されます。その点で、WORLD HAPPINESS REPORTとは相反する結果が出ることがあるのでしょう。感情の入っている各国の生の声を聴くことができるのも、この幸福度調査の醍醐味であり使命なのかなと感じました。
→2017年世界の幸福度ランキングが発表 日本はG7で最下位の51位! 1位は……
ランキング上位の国が幸福度が高い理由
幸福度ランキング上位に北欧諸国が名を連ねているのは、みなさんも予想通りだったのではないでしょうか? これらの国々の国民の幸福度が高いのは、安定した経済と社会制度が成因になっているのは明らかです。インタビューをしていてもそれらの国の方々は、個人的な幸福論の違いこそあれ、人生観や仕事観、恋愛観など何にしても余裕を感じました。教育が行き届いているという点や経済的に諸外国より優位である点でも、選択の自由度があります。そういった意味で、情勢が安定しなかったり貨幣価値が低い国というのは、どうしても幸福度が低い結果になってしまうのでしょう。
→「あなたの幸福度は何%ですか」世界幸福度調査~デンマーク人編~
→「あなたの幸福度は何%ですか」世界幸福度調査~アイスランド人編~
では、世界的に見ても大国とは言われないような国がランキング上位に入っているのはなぜなのか。筆者が訪問したことがある、例えばグアテマラやブラジルはランキング上は日本より大幅に上位です。本幸福度調査でも幸福度が高いというインタビュー内容でした。しかし、国として経済的、社会的に日本より発展している国だとは思えないのです。それでも、それぞれの国を歩いてみると、活気があり日本より人との関わり合いに温かみや感情があるなと感じるのです。一口にこれが理由だと示すことはできませんが、幸福度と関係性が深い様ですね。
→「あなたの幸福度は何%ですか」 世界幸福度調査~グアテマラ人編~
→「あなたの幸福度は何%ですか」世界幸福度調査~ブラジル人編~
ランキング下位の国の幸福度は本当に不幸せ?
国民の幸福度が高いと有名なブータン。国の方針として、経済発展よりも個々の精神の豊かさを重視しているのだそう。じつはブータンはインタビューには至っていない国です。なぜなら、観光するにも現地のツアーガイドをつけなくてはいけなかったりと、旅行者にとって少々面倒で自由度が低く、筆者は訪問していないから。つまり、国民と外国人との接点が非常に低い国なのです。日本人は西洋文化に憧れをもち、生活に取りいれ現在の文化が成り立っています。だからこそ便利な暮らしがあると同時に、劣等感が生まれるのではないでしょうか。日本に限らず、そういった国は非常に多いです。そこから考えると、ブータンの人々の他国の文化をあまり『知らない』という、幸福が存在するのではないかと思います。その仮説を元に考えてみると、国としてはランキングで下位でも、国民個人の思想としては一概に不幸せであるとは言い切れないのではないでしょうか。
→「あなたの幸福度は何%ですか」 世界幸福度調査~キューバ人編~
→ あなたの幸福度は何%ですか」 世界幸福度調査~スワジランド人編~
→「あなたの幸福度は何%ですか」 世界幸福度調査~ニカラグア人編~
どうしたら日本人の幸福度はあがるのか
足るを知ること。これが一番必要なポイントだと思います。将来に安定的な国づくりをしてほしいとか、自然災害が少なければとか、物理的な問題点もありますが、やはり幸福度とは精神的な部分が深く起因すると感じます。現在の日本人の暮らしは、便利ではありつつも、物もサービスも飽和状態で十分すぎると感じている方は多いはず。それでもなにか、不安で。自分が持っているもの、そばにいてくれる人、それらを今一度見回してみたらきっと沢山のものがあるはずです。調査をしてみて、今の私たち日本人は、発展に人々の心が追いついていないのでは、と感じました。
幸福度が高い人、低い人の特徴
視野が狭いと自分の事しか見えなくなってしまい、眼前で起きたちっぽけな悲しい出来事やトラブルにも目を奪われてしまいがちです。幸福度が低いと感じる人は、そんな暗い夜道のような思考から抜け出せない人ではないでしょうか。自身と同じような状況になった時に先人たちはどんな乗り越え方をしたのか、それに照らし合わせて客観的に物事に対応することができれば、風向きを変える事ができるでしょう。幸福度が高い人は、常に未来の明るい展望に目を向けていて、何かにつまずいても、常に次にどんなアクションをとろうか考えている印象でした。また、彼らは一貫して、感情のセルフコントロールに長けていました。
幸福ってなんだ?
大前提として、紛争地域や独裁国家のような国は間違いなく、不幸せと言えるでしょう。しかしそれ以外の国、特に比較的に豊かなのに幸福度が低い国はなぜなのか。上記にもあるように、人と比べる事、これが不幸せという思考の入り口なのだと思います。発展している国にあるスラムでは、貧富の差が激しく治安も悪くなる。なぜなら、富める人々の生活を横目に貧しい暮らしを強いられるからです。
同じ国の中でたとえ経済状況が同じでも、田舎の方で時間や生活に余裕のある暮らしをしていれば、個人の幸福度が高い人が多くなります。生活の不便さや、医療教育の水準が同じだったとしても、です。状況はきっかけに過ぎず、そこから人と比べ羨む気持ちが、人々を追い詰めていくのだと思います。インタビューで幸せだと答えてくれた方々は、価値観は様々でも、みな確固たる『自分』を持っていました。自分にとって何が大切で幸福をもたらしてくれるのか、これを見極め守ることができたら。……言葉でわかっていても、ほんとうにほんとうに難しい事ですね。
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