

DIYを応援する人達
その方法もポートランド流
ポートランドのDIY
物づくりをシェアする
Crafty Wonderland はどちらかと言えば女性主体でクラフトも小さな物が多いけれど、ポートランドではもっと大掛かりなDIYも盛んで、それを支えるワークショップやスタジオ、材料店にもユニークなものが多い。
The ReBuilding Center はその名の通り家を修理したり改装するためのリサイクル資材を提供するNPO。約5,000㎡という巨大な倉庫スペースで扱っているのは、すべて取り壊しや改築家屋から出た物。不要になったドアや窓枠といった建具、廃材となった柱、パイプなどがカテゴリごとに分類されている。こうした中古資材を調達して、自分の家を少しずつ改良するのがごく自然に行われているのは日本ではなかなか想像しにくいことではないだろうか。
The ReBuilding Center では資材の販売だけでなく解体サービスも行う。リノベーションは手掛けていないがワークショップを度々開いてDIYをサポートしている。
運営母体のNPO「Our United Villages」は、元々ボランティアによる地域コミュニティの集まりからスタートした。今でも約30人のスタッフのほとんどは同地域内に住み、The ReBuilding Center の収益を基盤として、さまざまなコミュニティ活動や「Sharing Ideas」というイベントを推進している。
リサイクルDIYと、そのアイデアをシェアすることによるコミュニティ支援。まさしくポートランドのキーワードを体現するNPOだろう。
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例えばドアのコーナーに行くとあらゆるタイプのドアが雑然と、しかし色や形ごとに分けて並べられている。 |
一方、「DIYのデザインショップ」といった趣きなのが Hand-Eye Supply。一見してスタジオのような店内、実用一点張りになりがちな作業着や工房で必要なツール・雑貨などを、汗臭くない洒落たセレクトショップのイメージで提供している。こちらも定期的にゲストスピーカーを招いてレクチャーを開いたり、プロジェクトを企画したり、プロダクトを入口にしてシェアの範囲を拡げている。
最近、Hand-Eye Supplyはポートランドのオールドタウン地区に引越した。その真ん前にはやはりパール地区から移ったばかり美術学校 Pacific Northwest College of Art がある。その勢いの影響か、周辺の古いビルは次々にリノベーションを始めている。若者たちがストリートにあふれるようになるのも間もなくだろう。オールドタウンは昼でもガランとしたエリアだったのだが、もしかしたら物づくりが新しい潮流をつくり、大きく変わっていくのかも知れない。
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Hand-Eye Supply店内は木材を使ったエアリーなインテリアデザイン。大きな空間を効果的に演出している。 |
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洗練されたデザインのエプロンやワークウェアをブティックのようにディスプレイ。 |
ライタープロフィール
百木 俊乃 Toshino Momokiコピーライター、コンセプトデザイナー。広告代理店、メーカー宣伝部を経て、ニューヨークにて独立、企画・編集業を営む。2001年の同時多発テロを切っ掛けにポートランドに移住。以後、広告プロモーションの仕事を中心に、東京とポートランドを往復しながら日米をつなぐプロジェクトに携わっている。ポートランドの今をクリップする2つのブログ、「365Portland」及び「ポートランド自由生活」の編集人。
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