TOEFL Junior®のABC【21】総称のyou, we, they
世界中の中高生が受験する英語資格試験のひとつ
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前回は代名詞itの日本語にはない用法についておさらいしました。今回はyou, we, theyの使い方のうち、日本語にはないものについて見ておきましょう。読解問題では代名詞がとても大切です。同じ代名詞でも文脈によってどう変わるか押さえておいてください。
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youが「あなた」ではないとき
If you run after two hares, you will catch neither.
この文はどういう意味でしょうか。hareは野ウサギを指すので、直訳すれば「二匹の野ウサギを追えばあなたはどちらも捕まえられないだろう」となります。
日本語でも「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言いますね。
ちなみに、このことわざは古代ギリシャが起源だそうです。ヨーロッパの言語は主語を省略しないのが普通なので、英語でもyouという主語を置いています。しかし、特定の「あなた」または「あなたたち」を指しているのでないことはすぐにおわかりでしょう。
知っていることわざならすぐピンと来ますが、長文の中に「一般の人」を指すyouがあるときも、それが総称のyouだとすぐ理解できることが大切です。
weが「私たち」ではないとき
We eat with chopsticks.
これも直訳すれば「私たちは箸で食べます」となりますが、weが誰を指すかは文脈によって異なります。
話者が箸を使う国の人で自国の習慣について話しているとすれば、weはその国の一般的な人々を指します。例えば、日本の人が
We eat with chopsticks in Japan.
と言ったら、「日本では箸で食べます」ということですね。
しかし、例えば話者がモロッコ人カップルだったらどうでしょうか。
We love east Asian food and we always eat with chopsticks at home.
意味:私たちは東アジアの料理が大好きで、家ではいつも箸で食べているんです。
ここではweは特定の「私たち」を指しています。
theyが「彼ら」ではないとき
「日本では箸で食べます」という同じことを、日本の人ではない人が、日本の人ではない人たちに向かって話すとしたら、次のようになります。
They eat with chopsticks in Japan.
直訳すれば「日本では彼らは箸で食べる」ですが、このtheyは一般的な日本の人を指します。総称とはいえ、自分が日本の人ではないのにweを使うわけにはいきません。
今「日本の人」と書きました。「日本人」と言うと書類上の国籍が日本人となっている人に限定されてしまいます。お役所での国籍にかかわらず、日本で生まれ育って日本の習慣が自分の習慣なら、この場合theyはやはり不自然で、weの方が自然だからです。
では、「日本の人」ではない人が「日本の人」に向かって「日本では箸で食べるの?」と聞くときはどうなるでしょうか。
Do you eat with chopsticks in Japan?
文脈にもよりますが、このyouは「あなた」個人や特定の「あなたたち」を指しているのではなく、一般的な日本の人を指しているわけですね。
次回はその他の代名詞、othersやsomeを押さえておきましょう。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |