外国語学習と外国暮らしが教えてくれるもの【13】

子どもをバイリンガルにしたかったら

子どもにバイリンガルになってほしいと思っている親は多いようです。すでにバイリンガルな環境で暮らしている場合とそうでない場合があるわけですが、どちらにしても、子どもは育ち、変化していく存在だということを忘れるわけにはいきません。子どもが成長しても英語を使い続けるにはどうしたらいいのでしょうか。

幼い時に覚えても、使わなければ忘れてしまうのが外国語

前にフランス人の友人のことについて書きました。お父さんがフランス人、お母さんがイギリス人の彼はフランスで育ち、子どものころは自然にバイリンガルでした。しかし思春期になり、友達との世界が優先されるようになると、周囲の友達と話せない英語は使わなくなり、やがて英語がしゃべれなくなってしまったそうです。

日本人の知人でも、子どものころ親の仕事のために海外で暮らし、バイリンガルになったという人はけっこういます。日本に帰った時の年齢によって、帰国後も覚えている場合もあれば、使わないで忘れてしまう場合もあります。幼い方が習得するのが速いですが、使わないで忘れてしまうのも速いようです。

 

幼いころからの英語学習

今、幼稚園や小学校の子どもに英語を習わせる親が多いようです。外国語、特にリスニングや発音は、若ければ若いほど楽に身に着けることができるのですから、子どもに良いスタートを切らせることができるというわけです。

ただ、レースはスタートだけでは決まりません。幼いころは親がやりなさいと言えばやるかもしれません。しかし、健全に育てば、やがてめでたく反抗期がやってきて、強制すればするほどやりたくないということになります。

小学生でもちっとも言うことを聞かない子もいますね。そんな場合は、この子は将来大物になるかもしれないと、ゆったり構えていた方がいいでしょう。

 

子どもが成長しても英語を使い続けるために親ができること

では、どうすれば思春期以降も英語を使い続けるようになるのでしょうか。そのためには、子ども自身が英語に興味を持ち続けることがカギとなります。英語でコミュニケーションをとる友達がいたり、英語を使って何か楽しいことができれば、英語をやめられなくなります。

友達というのも強制して作れるものでもないですし、引っ越しなどで別れがやってくることもあります。ですから、一番安定しているのは、英語でできる楽しいことを持ち続けることでしょう。

 

英語を「しなくちゃいけないこと」にしちゃいけない

アニメ、スポーツ番組、歌、映画、ドラマ、その他のサブカルチャーは英語に触れ続ける良い理由になります。幼いころから本に親しむことができれば、英語の絵本から始まって童話、SF、ファンタジー、そしてノンフィクションや文学へと進んでいくこともできるでしょう。英語が子どもの世界の一部となればしめたものです。

我が家の子どもの場合は、ゲームでかなり英語を覚えました。ゲームの中で英語を使い、海外の子どもたちと英語でコミュニケーションを取っているうちに、英語圏以外の文化や料理にも興味を持つようになりました。

 

決まりを作るときは子どもと一緒に

英語学習にも便利なインターネット。とはいえ、インターネットに潜む危険について、親はあらかじめ子どもに教えておく必要があります。パソコンを使う時間について一緒に規則を作っておくことも大切でしょう。その時、親から一方的に与えられた規則より、自分も参加して作った規則の方が、子どもにしてみれば守りたくなるようです。さらに大切なのは、なんでも話せる雰囲気を普段から作っておくことですね。

年齢に即した安全策を取った上で、子どもに自由や選択の余地を与えること。英語を「お勉強」ではなく、「してもいいこと」、「したいこと」にしていくことが大切です。

 

資格試験をモチベーション維持に使う

大人もTOEIC®や英検®を目標にしてモチベーションをアップするわけですが、子どもも小学校高学年くらいから、英検®やTOEFL®ジュニアに挑戦してみるといいでしょう。目標に向かってがんばること、成功して達成感を知ること、失敗して悔しさを味わうこと。どれも英語に限らず、子どもの成長にとって不可欠なことですね。少しでもがんばりを見せたら、「がんばってるね」と認めてあげてください。

いつか子どもがさらに成長し、自分の夢のために英語が必要だとなれば、幼い時から培った基礎が役立つにちがいありません。

 

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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