外国語学習と外国暮らしが教えてくれるもの【39】
語学学習の壁にぶつかったら
外国語の学習は、始めた頃は進歩が分かりやすいかもしれません。知らなかったことをひとつ覚えれば、それだけ前に進んだ気がします。ところが、中級くらいになると、なかなか進歩が見えないことがあります。そうすると、やる気も落ちてしまいますね。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。これから2回にわたって壁の向こうに行く道をいくつかご案内したいと思います。
誰でも壁にぶち当たることがある
外国語を教えていると、今まで楽しそうに勉強していた人の顔が曇ることがあります。ほかに思い当たることがなければ、「壁にぶつかったのかもしれない」と考えてみます。
勉強を始めた頃、課題は明白でした。するべきことはそこにあり、問題は、自分がやるかやらないかだけ。やればやっただけ伸びる気がします。
それまで順調に伸びてきた人ほど、壁にぶつかるショックは大きいようです。
自分はこれ以上伸びないのだろうか?
勉強の仕方が間違っているのか?
今まで通りやっているのに、どうして進歩しないんだろう?
これ以上やってもしょうがないのかもしれない…
壁にぶつかるのは進歩した証拠
壁というのは、通常レベルアップしてから現れるものです。中には、最初のところで苦労したが後は順調に行くという人もいるかもしれません。しかし、たいていの場合、進歩の坂は上に行くほど急になっていきます。
分かりやすくTOEICのスコアで言えば、250点から200点上げるには勉強しさえすればいいが、700点から200点上げるには意識を変えなければいけないということです。
今までの進歩を振り返ろう
そんなきつい坂は登りたくないという人もいるかもしれませんね。
一度悩むのをやめて、今まで登ってきた道をちょっと振り返ってみましょうか。前には見えなかった景色が開けていますか?
もしそうなら、今まで辿って来た道は正しかったということですね。学習の成果は現れているのです。
進歩が即スコアに反映されるわけではない
前より英語がよく理解できるようになっているのに、テストで正解が出せないという人もいます。そんな場合は、正しい道を歩んでいると思って大丈夫です。「分かるようになる」から「スコアが上がる」までは、少しタイムラグがあるのが普通です。そのまま進んでいきましょう。
もう少し複雑な「壁」もありますね。それについては次回触れたいと思います。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
外国語人の英語学習コラム一覧はこちら≫