TOEIC®の勉強を効率よく進めよう・パート2の注意点2

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

TOEIC®も英語のテストのひとつ。英語の基礎を固めることが何よりも大切です。その上で、TOEIC®特有の傾向を知れば効率的に対策をとることがでるでしょう。パート2は短い会話が並んでいます。前回は文頭に気を付けること、会話表現を押さえることについて書きました。今回は、それが出来てもなお間違えやすい問題について書きます。

直球ではない問答の場合

前回の記事で、リスニングが苦手でも疑問文の冒頭だけは絶対に聞き逃さないようにと書きました。
では、さらに勉強が進んだ人は、次の段階としてパート2で何に気を付けたらいいでしょうか。
圧倒的にミスが多いのは、ストレートに答えていない問答の場合です。

例えば

How many copies do you need?

と聞かれた場合、文頭のHow manyから予想すれば当然数字が答えに出てくるはずです。
しかし、リアルな世界では必ずしもそうではありませんね。

We don’t know yet.
(まだ分かりません)

と答える場合もあれば、

Can you ask Cathy ?
(キャシーに聞いてくれる?)

と言う場合もあります。

別に難しいわけではないのですが、こうした変化球の問答で間違える人が多いのは、テストだと思って構えてしまうからではないでしょうか。自分がその場にいるつもりで文全体を聞けば対応できるでしょう。

残りの選択肢は全く合わないので、消去法から正解にたどり着くこともできるはずです。

 

それらしい単語に惑わされないこと

文全体を聞くというのは、たまたま聞こえた単語に引っ張られないということでもあります。特にリスニングの場合、似た発音の単語が入っている選択肢を選んでしまう人も多いです。

例えば

Please put the vase on the table.

A)Our company is based in Boston.
B)Which one do you mean?
C)We are specialized in ceramics.

文字で見れば何でもないことですが、日本人の苦手なvとbで始まる単語が出てきます。Aにはvaseとよく似たbaseがあって、心惹かれてしまうかもしれませんね。Cはvase「花瓶」と関連性の高い単語ceramics「陶磁器」が入っています。しかし、個々の単語ではなく文全体から考えれば、Bが正解であることがわかるでしょう。

「花瓶をテーブルの上に置いてください。」というリクエストに対して

A)当社はボストンに拠点を置いています。
B)どれのことですか。
C)私たちは陶磁器を専門にしています。

Bを選べば会話がかみ合いますね。

vaseという単語が聞き取れたばかりにCを選んでしまったとしたら、vaseは聞き取れなかった方が良かったということになります。個々の単語より、「誰かが何か頼んでいる」、「テーブルに何かしてほしいようだ」とだけ分かった方が相手の意図を理解していると言えます。

 

フェイントに注意!

前にも書きましたが、TOEICは英検のようにレベル別にはなっていません。ですから、同じテストの中で難しい問題と易しい問題が隣り合わせになっています。

模試の採点をしていると、「この問題は難しいから間違えるのも当然だ」と思うミスもあれば、「なぜこの問題を落としたのだろう」と思うミスもあります。基本通りに考えれば取れるはずの問題なのに、多くの人が間違えていることもあります。もしかするとそれは考えすぎということでしょうか。スマッシュを待っていたらゆるい球が来て対応できなかったのでしょうか。それとも、案外基礎をちゃんとやっていないということでしょうか。

高得点の人はそうした「フェイント」もきちんと拾っているところを見ると、高得点の人ほど素直に考えて普通に答えているということかもしれません。

傾向と対策も見ておくに越したことはありませんが、何よりも英語の基礎力が大切だということは忘れないでおきましょう。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

外国語人の英語学習コラム一覧はこちら≫

 

 


「TOEIC®学習法の勘違い」連載記事一覧

続きを見る >>

おすすめ記事