TOEIC®学習法の勘違い
『大人の英単語学習法その2』

TOEICのスコアアップを目指すなら
英語力を上げる、これ当たり前

英語は単語だけ覚えれば何とかなるというものではありません。とはいえ、TOEICなどの試験にしても、会話にしても、語彙が少ないとなかなかうまくいきませんね。一般に記憶力は歳とともに衰えるということですから、大人が英単語を学習するにはそれなりの工夫が必要でしょう。前回は記憶力以外の能力を動員する方法についてご説明しました。今回は、効率的な英単語暗記のアイデアをいくつかご紹介します。

大人が効率的に英単語を覚えるには

大人が英語の語彙を増やすには、次のふたつが鍵となります。

1. 記憶力以外の能力を動員すること
2. どうしても暗記しなければならない時には工夫をすること

今回は「2. どうしても暗記しなければならない時には工夫をすること」について書きたいと思います。

 

どうしても暗記しなければならない時には工夫をすること

なぜか何度見ても忘れる
ーそんな単語もあるものです。語源を調べても、例文で覚えても、やっぱり忘れてしまう…

そんな時はどうしたらいいのでしょうか。

 

単語カードや付箋を使う

生活があまりにも便利になって、アナログな方法を忘れてはいませんか?
覚えにくい単語を単語カードにまとめてみましょう。
自分でまとめることで、頭の中が整理されます。
ポケットにでも入れておいて、短い隙間時間に取り出しましょう。
30秒あればふたつは見られるでしょう。

付箋に書いて、目につくところに貼っておくのもおすすめです。
冷蔵庫や洗面所の鏡に貼っておくのです。
歯を磨きながら5個くらいは覚えられるのではないでしょうか。

 

複数の感覚を動員しよう

筆者は中学校の時、勉強時間をなるべく短縮したくてある方法を作り出しました。
ひとつの単語を覚える時、一字一字書きながら、そのアルファベットを言い、書き終わったら自分が書いたものを見て単語を読み、日本語訳を言うのです。

例えば

「ピー、アール、オウ、エイチ、アイ、ビー、アイ、ティー。
prohibit(プロォゥヒィビィトゥ)
禁じる」

書くという動作、見るという視覚、発声、自分が言ったことを聞く聴覚。
この4つを動員するということで四倍効率が上がったかどうかは分かりませんが、よく覚えられたのは確かです。

カフェや図書館で勉強するときはちょっと出来ません。

それでも、見るだけではなく聞く、呟く、など複数の回路を動員することで、覚えやすくなります。

 

ただひたすら何度も見る

中には天才的に記憶力が優れている人もいるでしょうし、いわゆる暗記術を利用している人もいるでしょう。しかし、大抵の場合、単語をたくさん覚えている人は人より繰り返した人です。英語が得意な人とは、一度覚えたら忘れない人ではありません。忘れたらまた覚え直す人です。忘れるのは当たり前です。せっかく覚えたのに忘れてしまったと言ってがっかりすることはありません。がっかりしている暇にもう一度覚えましょう。

例えば、1週間に70個の単語を覚えたいとします。1日で70個の単語をチェックするのはそんなに大変なことではありません。毎日同じ70個を見て7日間繰り返せば、大抵覚えられます。1日10個の単語を確実に覚えようとしても、翌々日には忘れてしまうものです。7日間で70個覚えたかったら、毎日同じ70個を7日間繰り返した方がうまくいくようです。日を追うごとに覚えている単語が増え、あやふやだった単語が確実になっていきます。時間がかかると思われるかもしれませんが、単語は隙間時間を利用してちょこちょこ覚えるのがおすすめです。

 

単語を覚えられないと言って心配することはありません。後になってみると、覚えるのが大変だった単語の方がよく覚えているものです。何度見ても忘れてしまうから何度も見た、それでしっかりと頭に刻み込まれているのですね。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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