TOEIC®学習法の勘違い『大人の英文法はタイプ別で学習法を変えよう2』

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

学生時代英文法が得意だった人も、苦手だった人も、改めて英語を学習するとなると、文法を避けては通れません。文法の参考書や問題集はたくさんあって、選ぶのに困ってしまいますね。勉強法も色々言われていて、どれがいいのか判断に迷います。タイプ別英文法学習法の2回目は、勉強しても勉強しても文法が身につかない方のための方法です。

どんなに文法を勉強してもピンと来ない人のための英文法

まず、質問です。本当に勉強して勉強しましたか?ちょっと苦手なだけではないですか?ひとつの文法書やアプリを最初から最後まで1周したがサッパリ分からず、2周目でようやく分かり始めたという人も多いです。また、2冊の異なる文法書を仕上げたら理解できたという人もいます。1度で理解したつもりになっている人より、何度もやった人の方がよく身についているかもしれません。ひとつひとつの教材を最後まで仕上げてみましょう。

 

長文や会話の勉強でも文法は学べる

文法教材を何周しても進歩が感じられないという方。心配することはありません。母語を話すために文法を学習しましたか?しなくてもちゃんと文法的に正しく話し、書いているではありませんか。文法の勉強は、文法教材を使わなくてもできるということです。確かに少し時間はかかるかもしれませんが、長文やリスニング、作文をしながらでも文法の学習はできます。

そのためには、必ず主語と動詞を意識するようにしてください。英文は、どんなに複雑なものでも、S+V+αで成り立っています。αS,V以外のすべてです。αがゼロの場合もあります。αSVとどのように関わっているのか観察するようにしましょう。
命令文の場合、主語はありません。pleaseやlet’s も「命令文」の一種です。

実は、文法書で文法を学習した人も、必ずまた文脈の中で文法を捉え直した方が、理解が深まります。文法の勉強をしている時は文法のことだけ考え、長文やリスニングの勉強の時は文法のことは考えない、というわけにはいきません。意味を正確に捉えるために文法は不可欠です。

 

文法用語そのものがTOEIC®や英検の試験に出ることはありません。では、なぜ言語学者でもないのに文法用語を覚えなければいけないのでしょうか。それは、頭の中を整理するためです。部屋を片付ける時は、洋服は洋服、食べ物は食べ物、洋服の中でもトップスだのボトムだの、夏物だの冬物だの、誰のものだなど分類しますよね。文法用語もそんなものです。頭の引き出しにラベルを貼っているのです。きちんと片付けてラベルが貼ってあれば、必要な時すぐに見つけられます。

学習を効率的にするために最低限の文法用語を覚えることはお勧めしますが、それは目的ではありません。一般の学習者やTOEIC®受験者は、正しい言葉を選べさえすればいいのです。

 

最後に

人によって良い方法はさまざまです。神参考書、神授業といっても、すべての人に合うわけではありません。TOEIC®高得点の人はとかく自分のやり方を他の人にも勧めがちですが、その方法はその人にとって良かったというにすぎません。参考書やアプリを選ぶ時は、必ず自分の目で確かめましょう。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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