TOEIC®の勉強を効率よく進めよう・パート4の注意点3
TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前
パート4の注意点の最終回です。今回は主に意図問題に関して解説します。パート3では、誰かが話すと他の誰かがそれに返答したり反応したりしますが、ひとりの話者で構成されているパート4では、聞き手の反応はわかりません。それでも、聞き手をイメージしながら話の流れを追いましょう。
パート4にも聞き手がいる
パート4で話をしているのは確かにひとりですが、そこには必ず聞き手がいるということを忘れないようにしましょう。話しているのは誰で、聞いているのは誰かを把握することが重要です。
プレゼンテーションやミーティングなら、聞き手は話し手の目の前にいます。留守番電話の伝言やラジオでは目の前にはいませんが、話し手は必ず聞き手を想定して話しています。自分の発言に対するリアクションも想定しながら話を進めるわけです。
パート4の意図問題
Why does the speaker say, “I know it’s not enough”?
(話し手はなぜ、「それでは十分ではないということはわかっています」と言ったのですか。)
という質問があるとします。いわゆる「意図問題」です。
話者がこう言ったとすれば、聞き手が「十分ではない。」と言いたいだろうと考えたからでしょう。話しているのは誰で、聞き手は誰か、Itが何を指すかがわかれば解けるはずです。
例えば、話しているのが店長で、聞いているのは従業員だとしましょう。この発言の前で「新しい従業員を3人雇った」とあれば、itが指しているのはその事実だとわかります。そうすると、「それでは十分ではない」というのは、仕事の質や量の割に従業員数が少ない、現場は忙しすぎるということが透けて見えます。
What does the speaker imply when he says, “The places are limited”?
(「席数は限られています」と言った時、話者は何をほのめかしていたのですか。)
やはり、誰が誰にどんな流れで言った言葉なのかを押さえておきましょう。例えば、セミナー講師が参加者に言った言葉だとします。この発言の前に、次のセミナーについて説明していたとします。すると、申し込みをためらっている人や、後で申し込もうと思っている人に、早めに申し込むよう勧めていることになります。「早く申し込んでください。」と言うと直接的すぎるので、このような表現にとどめているのですね。
意図問題にどう対処するか
意図問題はパート4特有のものではなく、パート3にもありますし、リーディングのパート7にも出てきます。意図問題に関しては「パート3の注意点2」で述べましたが、少し付け加えておきます。
一言一句すべて聞き取れたからといって、意図問題が解けるわけではありません。逆に、たとえ聞き取れていない部分があったとしても、話全体の流れを理解していれば解けることもあります。
シャドーイングやディクテーションはリスニング力アップに大変有効ですが、意図問題を解けるようになるには、それだけでは足りません。「話の要点を聞く」という意識で、たとえわからないところがあっても話全体をふわっと捕まえる練習を積みましょう。
意図問題は一般的にミスが多いところですが、他の問題より難しいわけではありません。細かいところを聞き取るのは苦手だが、話の全体をだいたい把握することができるという人にとっては、逆にチャンスだともいえます。ぜひここで点を稼いでください。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |