TOEIC®学習法の勘違い『英語の長文読解力をつけるには9』

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

英文の意味を正確に理解するには、文の構造を見ることが不可欠です。英文を読むのに時間がかかり過ぎるという悩みをお持ちの方も多いようですね。今回から二回に渡って、正確に、そして速く読むにはどんな練習をすればいいか、具体的に見てみたいと思います。素早く文の構造を掴むことができれば、素早く理解できるはずですね。

単語ごとではなく、数語のカタマリごとで意味を捉えよう

英語は単語ごとにスペースが空いています。その他にコンマやピリオドなどの句読点があります。コンマやピリオドがあれば、誰でもそこで文を切って理解しようとするでしょう。

長い文になると、その他にも意味の切れ目があります。主語と主語を修飾している部分でひとかたまり、助動詞と動詞でひとつ、前置詞に導かれた部分、関係詞に導かれた部分など。普段から意味のカタマリごとに理解する習慣をつけましょう。

 

スラッシュリーディング

意味の切れ目でスラッシュを入れていく練習もおすすめです。最初は、比較的小さなかたまりで切ってみます。

Our language school will hold its annual open house on Saturday, December 7.

これを意味のカタマリごとに切ってみましょう。正しい切り方はひとつではありませんが、例えば次のように切ることができるでしょう。

Our language school/ will hold/ its annual open house/ on Saturday, December 7.

私たちの語学学校は 行うでしょう 例年の学校開放を / 127日土曜日に

解説

Our language school - 主語のカタマリ
will hold - 動詞のカタマリ
its annual open house - 目的語のカタマリ
on Saturday, December 7 - 時を表す前置詞句

実際にスラッシュを書き入れなくても、入れたつもりで読むことができるようになるといいですね。TOEICなど、問題用紙に書き込み禁止のテストもありますし、現実の生活の中でも、大切な本や資料に書き込むことはできません。

 

大きなカタマリで切れば速く読むことができる

長い文は構造を見分けるのが難しいので、適切なところで切るということが特に大切になります。切るところを間違えたばかりに意味が取れなくなることも多いですね。次の文をみてみましょう。

Their efforts including working closely with other departments, recognizing customers’ emotions and sending personal apologies ensure exceptional customer services.

どう切りますか?どこまでが主語でしょうか?

Their efforts/ including working closely with other departments, / recognizing customers’ emotions/ and sending personal apologies/ ensure / exceptional customer services.

彼らの努力は / (次のこと を含んでいる)他の部門と密接に協力すること / 顧客の感情を認めること / ひとりひとりに合わせたお詫びを送ること / (それが)確かにする / すばらしい顧客サービスを

解説

ensureまで動詞は出てこないので、その前のすべてが主語と主語を修飾する部分です。
include, work, recognize, sendも元々動詞ではあります。
includeは現在分詞としてTheir effortsを修飾していると考えるか、現在分詞から派生した前置詞だと捉えられます。
いずれにしても、他の単語を修飾する役割を担う動詞は、その文の要となる動詞ではなく、修飾語として理解しましょう。

working, recognizing, sendingはそれぞれ動名詞で、この文の中では「~すること」という意味になり、名詞のような役割を果たしています。

 

慣れてくると、だんだん大きなカタマリで切れるようになります。大きなカタマリで切れるということは、理解するスピードも上がり、速く読めるようになるということです。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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