TOEIC®の勉強を効率よく進めよう・パート5の注意点2

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

TOEIC®も英語のテストのひとつ。英語の基礎を固めることが何よりも大切です。その上で、TOEIC®特有の傾向を知れば効率的に対策をとることができるでしょう。今回はパート5の注意点の2回目です。

本文をどこから読みますか?

パート5は、文を主語+動詞+αに分けてみて、どの部分がどの単語を修飾しているかを見極めれば解ける問題が多いです。

複文や重文で「主語+動詞+α」がふたつある場合も同じです。

 

文の半分を見れば答がわかる場合

Ms. Li was promoted shortly after her ( ) presentation had inspired all of us.

A. stun
B. stunned
C. stunning
D. to stun

この文には節(主語+動詞)がふたつあります。Ms. Li was promoted という受動態の節とher ( ) presentation had inspired all of us. の部分です。この問題で答えを見つけるのに必要なのは後半だけ。後半の主語はpresentationで、her ( )は主語を修飾しています。

AからDの中で、文法的に前から名詞を修飾できるのはB. stunned「驚かされた」とC. sttuning「驚かせるような」。「驚かされたプレゼンテーション」と日本語で言うとなんだか意味が通じそうですが、実は人ではなく「プレゼンテーションが驚かされた」ということになり、シュールな世界となってしまいます。

Cを選べば、「彼女の驚くようなプレゼンテーションが私たち皆を鼓舞した」となり、意味が通じます。文全体の意味は次の通りです。

Ms. Liは驚くようなプレゼンテーションで私たち皆を鼓舞した少し後、昇進した。

因みに、promoteも「~を昇進させる、~を促進する」という他動詞。「~が昇進した」と言いたければこのように受動態で表すのが普通です。

 

ひとつの単語からたくさんの単語が派生する

動詞stun, stunning, stunnedの関係はsurprise, surprising, surprisedと似ています。どちらも元々は「~を驚かせる」等の意を持つ他動詞で、よく現在分詞や過去分詞として使われます。あまりにもよく使われるので、stunning, stunned, surprising, surprisedはそれぞれ形容詞として辞書に載っているくらいです。stunningは「(驚くほど)素晴らしい」という意味でよく使われます。

stunと聞いてピンとこなかった方も、stun gunという言葉はご存じかもしれません。電気ショックを与える銃のことですね。本番で知らない単語が出たときも、「もしかしてstun gunのstunかな?だとすると、surpriseのように分詞として使われるんだろうな。」と素早く考えることができればしめたものです。

考える量を増やすことで暗記しなければならない量は減り、英語学習の時間も短くて済むはずです。

 

文全体を見ないと答えが出ない場合

Because Mr. Mori ( ) sick, we have to reschedule the budget meeting.

A. be
B. is
C. was
D. get

選択肢には動詞が並び、文の前半も「主語+動詞+α」、後半も「主語+動詞+α」の節となっていることがわかります。空所は前半にありますが、前半だけみるとBとCのどれを入れたらいいかわかりません。Aは原型を使う理由がありません。Dは三人称単数の主語と合わないので、絶対に入りません。

後半の「私たちは予算会議の日程を変更しなければならない」は今の状態を表しています。Becauseが文頭にあるので、その理由となる節を作る必要があります。現在「病気である」からミーティングに来られないと考えると意味が通るため、答えはBになります。

 

パート5で早合点しないこと

たいていの人はパート5、6を素早く終わらせてパート7に時間をかけたいと思っているでしょう。パート5で文の最初の方だけ読んでサッと答えを選び、次に行く人も多いようです。ただ、文全体を読んだら違った!ということもあり得るので、長めの文でも後半まで目を通すのがお勧めです。

パート5で時間をかけても意味がないのは、知らないとどうしようもない問題で迷うことです。これはもったいないですね。単語の意味を問う問題は、構文や修飾関係を理解しても解くことができません。知らない場合は仕方がないのでどれか選び、さっさと次に行きましょう。

構文を見抜くだけの時間はかける、ただし知らないと解けない問題には時間をかけない。そうすれば、現在の実力に見合った良いスコアが出るはずです。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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