英検®はここに注意しよう! 準1級の傾向と対策 - リスニング1
攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ
前回まで、英検®準1級のリーディングについて解説しました。今回からはリスニング対策です。まずはリスニング問題の構成、そして第1部の特徴と対策を見ていきましょう。
英検®準1級リスニングの構成
リスニングは全部で約30分、29問で3部に分かれています。
第1部 対話を聞いた後、それに関する質問に答える問題 - 12問
第2部 説明文を聞いた後で質問に答える問題 - 6つの説明文に各2問 全12問
第3部 場面に関する短い説明を読んでからメッセージやアナウンスを聞き、質問に答える問題 – 5問
では早速第一部を見てみましょう。
英検®準1級リスニング第1部
対話は常に男性の声と女性の声になっているので、区別しやすいですね。
2級の対話が4行くらいだったのに対し、準1級は6行くらいと少し長くなっています。やり取りが増えるということは、その間の紆余曲折が増えるということです。
会話の最初ではふたりの意見が対立していたのに最後には一方が説得されて終わったり、最初の方で何かが提案され、後はそれに関する詳細を話し合うという流れになったり、内容はよりふくらんでいます。
次の点を意識しながら、しっかりと話の流れについていきましょう。
- そもそも何について話し合っているのか
- どちらがどのような立場なのか
その他、短い対話の中で次のようなことがわかる場合もあります。
- このふたりは誰なのか(ふたりの関係、どんな仕事をしているのかなど)
- ここはどこなのか
たくさんの情報に惑わされないこと
話の本筋以外にもたくさんの単語や情報が出てきます。普段の私たちの会話と同じですね!
例えば、今見た映画の話で会話が始まっていても、その後はどうやって帰るかという話題に移るかもしれません。また、いつ何をするかについて提案がされた後、結論は提案とは異なるものになるかもしれません。常に、話全体を聞くという態度を保ちましょう。
ふたりが異なる意見を持っている場合は、どの意見がどちらのものなのか、きちんと聞き分けるのが必須です。
直接的な情報と推測から分かる情報
問題によっては、解答が対話の中で直接発言されていることもあります。が、対話から当然推測されることが解答となることも多いです。
例えば、2020年第3回のリスニングでは、女性が新しい社員の資質について心配している会話があります。男性は
Let’s leave well enough alone for now. We’ve got too much on our plates as is.
と返事をします。この英語の言い回しの意味を正確に知らないでも、leave… alone for
nowという表現から「今は様子を見よう」という男性の意図はくみ取れるのではないしょうか。すると、次の質問に対する答えも自ずと出てくるはずです。
What does the man imply?
意味:男性は何を示唆していますか。
正解は
The woman is too concerned.
意味:女性は心配しすぎだ。
因みに XX on one’s plateと言えば、「しなければならない仕事」という意味です。
Let’s leave well enough alone for now. We’ve got too much on our plates as is.
意味:今は様子を見よう。そうじゃなくてもやることがたくさんあるんだから。
発言の意図をくみ取る
2020年第3回の対話には、温暖化に関する話題もありました。女性が暑さを温暖化のせいだとしているが、男性はそう思っていないというシチュエーションです。女性が科学者は環境汚染のせいだと言っているというと、男性はこう答えます。
They’ll all be proven wrong in another 100 years.
意味:もう百年もすれば、彼らはみんな間違っていたということになるさ。
Theyは科学者を指しています。
それに対して女性は
I hope you’re right!
意味:あなたの言う通りだといいんだけど!.
と返事をします。
日本語でもよく言いますよね。「そうだといいんだけどね!」
このセリフを本当に相手の言う通りだと思って言う人はあまりいないのではないでしょうか。
英語だって同じです。I hopeがミソです。話の流れについていければ、女性は猛暑が温暖化と関係があると思っているのは明らかです。
自分が対話に立ち会っていると思って聞いてみよう
文字通りではないコミュニケーションも、本当に目の前で人が話していると思って聞けば、理解しやすくなります。たとえ外国語でも、人間同士が会話をしているということを忘れないでください。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
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