英検®はここに注意しよう! 1級の傾向と対策9

攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ

今回から、英検®1級のリスニングについて解説します。4部から成るリスニング試験の構成については、「英検®はここに注意しよう!1級の傾向と対策 2」にありますので、ご参考になさってください。今回の記事では、特に第1部の会話問題の注意点について書きます。

準1級から加わるイギリス英語

英検®準1級を受けた方はご存じの通り、準1級と1級はアメリカ英語のほかに、イギリス英語のナレーターが加わります。

2級までリスニングが得意だった人でも、イギリス英語に慣れていないことで勝敗が分かれる可能性もあります。

日本英語検定協会の公式ホームページで過去問を確認する、BBC Learning Englishやイギリスのドラマを視聴するなどして、イギリスの発音を把握しておきましょう。

 

話しの要点を掴む

個々の単語や表現に反応するより、話の大切な流れを掴むようにしましょう。細かい事実を聞き分ける問題はあまりありません。要旨さえ掴めていれば解ける問題も多いです。

他の級もそうですが、本文に出てきた単語がそのまま入っている選択肢が誤答の場合もあります。本文と同じ内容を違う表現で言い換えているものが正解の場合も少なくありません。

それを「ひっかけ」と捉えるのではなく、話の内容を聞き取るリスニング力を試されているのだと理解してください。単語だけ聞き取れても英語は使えないのです。

 

リスニング第1部 会話問題

リスニング第1部には、慣用表現もたくさん出てきます。そのため、慣用表現を覚えるために多くの時間を割く人もいるかもしれません。

しかし、実際に問題を解いてみると、会話表現も前後の繋がりから理解できることが多いです。

英検®1級の会話問題では、5回から8回の発言が交わされます。長ければ長いほど、ヒントは多くなります。

例えば2021年第2回の第1部(4)には、解答に関わる部分で次のような表現が出てきます。

come off it
(「ばかなこと言わないで」「いいかげんにしろ」などの意)

では、この表現をあらかじめ知らないと正解が出せないかというと、そんなことはありません。

まず対話の冒頭で、話しているふたりが求人に応募してきた候補者たちの面接を済ませたところだということが分かります。

続く会話から、ふたりとも最後に面接した人を高くかっていることがわかります。
そこで男性の方が

Are you sure you can stand the competition?
(君は競争に堪える自信ある?)

と聞きます。
これに対して女性は

Come off it. He wasn’t that good.

と答えます。
もし”come off it”を知らなかったとしても、He wasn’t that good.(彼はそこまで良くはなかった)で、女性が自分の方が有能であると自負していることは充分にわかるでしょう。

 

直接的で具体的な情報を問われることは少ない

第1部は10問あり、2021年第2回では、そのうち6問でimply(ほのめかす、暗に示す)という動詞が使われていました。
例えば、

What does the man imply about …?
(男性は・・・について暗に何と言っていますか。)

implyという単語が入っていなくても、話者の意図を問う問題が多いようです。つまり、話の流れを把握することが、それまでの級にも増して重視されるというわけですね。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

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