英検®はここに注意しよう! 1級の傾向と対策8
攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ
英検®1級の長文内容一致問題は、確実に点を取りたいところです。前回は1級長文問題の構成と注意点について述べました。最後に特別長い長文が出題されますが、長さにめげることなく最後まで注意深く解き終えたいものですね。速く正解を見つけるにはどうしたらいいでしょうか。
長いから難しいわけではない
受験でも長い文章を出題する大学がありますが、長いから難しいというわけではありません。
むしろ、単文穴埋め問題のように重箱の隅を楊枝でほじくるような問題は出ません。また、ひとつの単語や文法事項を知らないばかりに問題が解けないという事態も起こりにくいと言えるでしょう。
たくさん丸暗記しないでも読解力さえあれば解くことができる長文問題は、むしろ良問ではないでしょうか。
付け焼刃では太刀打ちできないかもしれませんが、普段からていねいに英文の構造を見たり、文脈を追ったりしていれば、正解を選べるはずです。
英検®1級最後の長文問題
最後の長文問題は設問を含めて2ページにわたっており、一見すると他の問題の二倍あるかのような印象を受けます。
実際はそこまで長いわけではありません。1.5倍以上といったところでしょうか。
他の内容一致問題は設問が3問ずつであるのに対して、設問は4つあります。
楽に全文読める人は別として、「全部読まなければならないのだろうか。」という疑問を持つ人もいることでしょう。
設問に関係する段落を読み込む
実際に過去問を解いてみて言えるのは、必ずしも全文を読む必要はないということです。
では、どの程度読めばいいのでしょうか。
設問に固有名詞や年代が出ているときは、本文のどこに解答のヒントがあるのか見つけやすいですね。その言葉や年月日が出ている段落をしっかり読みましょう。
長文穴埋め問題と違って、前後2~3行読んだだけでは答えは出ません。ひとつの段落は、少なくとも110語くらいありますが、そのぐらいはしっかり読んでください。
設問のキーワードが本文にそのまま出ていないこともあります。普通名詞などは同じ意味の他の表現に置き換えられていることも多いですね。
そんなときは、解答のヒントが設問の順番通りに出てくるという暗黙のルールに従って、見当をつけましょう。
論旨を正確にとらえるため、文構造に注意
英単語をたくさん知っているのはもちろん良いことですが、文構造や文章の展開にも注意を払いましょう。
例えば、語彙から判断して裁判が起こったという内容が理解できたとします。しかし、どれが主語でどれが述語動詞なのか、能動態なのか受動態なのかなどを取り違えてしまったらどうでしょうか。
誰が誰に対して裁判を起こしたのか、起こされたのか、勝ったのは誰かということを間違えてしまう可能性もあります。
1級ともなると、長い文や複雑な構文も多いですね。修飾語が多くて構文が見えにくくなっている場合もあります。文構造を把握しながら読みすすめる習慣をつけておきましょう。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
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