英検®はここに注意しよう! 準1級の傾向と対策 – ライティング3
攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ
「準1級の傾向と対策 – ライティング1」では最低限守るべきことを書きました。前回は、さらに得点アップするために、すぐ取り入れられることをご紹介しました。今回と次回では、内容のレベルアップについて、過去問を例にとって考えてみます。
英検®準1ライティング過去問
2021年第1回のライティングを例にとって考えてみましょう。
TOPICは次の通りです。
Agree or disagree: Big companies have a positive effect on society
意味:次の意見に賛成か反対か。大企業は社会に良い影響を与える。
このようなテーマを出されると、きちんと考える人ほど困ってしまうでしょう。簡単にどちらかに決められる問題ではありません。
企業によっても異なります。場合によっても違います。社会のどのような面に与える影響かという問題もあります。
考え方としては、今回のライティングでは大企業の良い影響について書くか、悪い影響について書くか、どちらかを選ぶつもりでいいでしょう。
理由から考える
どちらについて書くか決める前に、自分が英語でどんな理由を論じられるか考えてみます。論理的に筋が通っているかどうか確認するには、日本語で確かめるのもいいでしょう。
与えられた4つのポイントを見てみます。この中から2つ選んでまとめればいいわけです。今回のポイントは次の通りです。
●Products
●The economy
●The environment
●Work-life balance
●製品
●経済
●環境
●ワークライフ・バランス
どれを取っても、大企業の良い影響と悪い影響について論じることができるはずです。どんな論点で行くのが今自分にとって書きやすいか。例えば、次のような理由を考えたとします。
●大きな雇用を生み出すことによる経済効果(the economy)
●一般的には企業の規模が大きい方が休日が多い傾向にある(Work-life balance)
そうすると、トピック「大企業は社会に良い影響を与える」に賛成する流れになるでしょう。
同じポイントを使ってネガティブな影響について論じることもできます。例えば、
●大企業の進出により地元の小規模で多様な店やサービスが消える(the economy)
●パワハラ裁判や下請け工場の問題から垣間見えるのは、力による抑圧である(Work-life balance)
いずれにしても、時間と語数が限られているため、ある程度単純化した内容にする必要があります。
構成にあてはめる
構成が重要であることは前にも述べました。
1. 自分の意見(賛成か反対かなど)
2. 理由その1
3. 理由その2
4 .結論(1を違う言い方で繰り返す)
間に正しい接続詞を加え、意見と理由の間に筋が通っていることが肝要です。これだけで最低ラインは超えられるでしょう。
さらに説得力を増すには
単純化するといっても、理由1行ずつ、書き出しと結論1行ずつでは推奨語数の120-150に足りません。かといって、別のことを加えるのは禁物です。特に、「賛成」「反対」の立場を崩してしまうと、何が言いたいのかわからなくなります。
説得力を増すためには、理由を少し深堀りしたり、具体的なことがらを加えたりするといいでしょう。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
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