英検®はここに注意しよう! 準1級の傾向と対策3
攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ
前回の記事では、英検準1級のリーディング第一部短文穴埋め問題について解説しました。今回は第二部長文穴埋めの傾向と対策に迫ります。第一部と違った解き方になるので、注意してください。
英検®準1級リーディング第二部はどんな問題?
第二部には長文が二つ出題されます。
どちらにも3つずつ空欄があり、その空欄に入るものを4つの択肢の中から選びます。
選択肢は1語の場合もあれば、4~7語くらいのフレーズの場合もあります。
何よりも文脈が大切 – 接続詞を押さえておこう
前回見たように、第一部はそれぞれの単語や熟語の意味を知らなければ解けません。
一方、第二部は個々の単語の意味や文法はあまり関係ありません。何よりも話の流れや論理展開を追うことが重要になります。
接続詞などの「つなぎの言葉」が必ず出題されるのも、文脈が重視されているからでしょう。
書き言葉でよく使われる接続詞のほか、nonetheless(それにもかかわらず), furthermore(さらに)などの接続副詞やalternatively(代わりに), identically(同じく)などの副詞、in contrast(これに対して), in the light of(~を考慮すれば)などの熟語も重要です。
品詞名を覚える必要はありませんが、意味や使い方を知っているのは必須です。語彙の学習と同じように、例文ごと頭に入れるのがいいですね。
ただ、「つなぎの言葉」という性質上、その語が入っている文だけ覚えても意味がないかもしれません。2~3文単位で見ておくのがいいでしょう。
英検®準1級リーディング第二部長文穴埋めの解き方
「つなぎの言葉」を選ぶ問題は、空所前数行と空所後数行の関係を理解すれば解くことができます。対立する内容なのか、さらに詳しく説明しているのか、例を挙げているのか、原因と結果なのか、など。それがつかめれば、どんな「つなぎの言葉」がふさわしいのかわかるはずです。
その他の問題も、たいていは空所の前数行と後数行を読む必要があります。
解答の根拠がはっきりしてから答えを選びましょう。
その際、選択肢をあらかじめ見ておくことはありません。4択のうち3つは本文にない内容なので、間違った情報による先入観がかえって邪魔になることもあります。
丁寧に読み進めながら解いていくと、本文全文を読むことになるでしょう。焦って飛ばし読みを数回するより、きちんと1回読んだ方が時間の節約になります。
英検®準1級リーディングの長文過去問を見てみよう
2020年第3回の長文には、心理学の実験の話が使われています。この実験は、さまざまな場所に財布を落とし、中にメールアドレスを入れておいて、拾った人々の反応を見るというものでした。
さまざまな条件で実験が行われるのですが、最後の段落では、同じ額のお金を入れた財布で、鍵が入っている場合と鍵なしの場合を比べたことが書かれています。
結果は、鍵が入っている場合の方がずっと、財布が返ってくる確率が高いというものでした。
ここから導き出される結論部分が空欄になっています。選択肢を見ないでも想像がつくのではないでしょうか。
財布を拾った人のほとんどが、落とし主のことを考えて行動を決定したということですね。
長文問題を解くには、知らない単語や熟語があっても立ち止まらず、数行レベル、段落レベルで意味を掴むよう意識することです。たとえ最初の方を読んだときはチンプンカンプンでも、最後まで読めばなんとかなるかもしれません。そうしたら、しめたものです。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
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